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遠隔授業の大学生活を半期過ごしてみて


 私が二年間通い、あと二年間過ごすはずであった大学の学び舎は、一月に期末試験を受けてから立ち入っていない。

正確に言えば、立ち入り禁止になった。

大学が東京の繁華街にあるためだ。

 明日で終了する前期の講義は、オンデマンド配信か、課題提出のみか、少ないがZOOM双方向の講義だった。

「毎回課題提出するのしんどい」

「PCがいじれない」

「これは講義とは言えない」

などと同じく遠隔授業を受けている友人たちは口々に言うけれど、私にとって、遠隔授業はとても「ラク」だった


 私は持病がある。こんな梅雨どきや、季節の変わり目は、ひどいときは一日中寝て過ごすくらいしんどいときもある。

そうなったら当然、大学へは行けない。

基本勤勉で守銭奴な私は、もったいないと思いながらも学校でぶっ倒れたりでもすると面倒だし、と泣く泣く休んでいた。

学費払ってるのに補講もしてくれないんだぜ大学というのは。


 そして私は20代JDとして致命的なほど、オシャレというものに興味がない。回す金がない。

服やら化粧品やらアクセやらに回す金があったら全部本にぶち込むタイプの積ん読野郎だからだ。もう積んだ本の数なんて覚えてないぜ…。


 しかし、だ。

遠隔授業というものは素晴らしい。

外に出なくていい。

体調が悪ければ家で寝転がりながらオンデマンドを流し見するのでも、調子が良くなってから課題を提出するのでも良い(もちろん締め切りはあるが)。

それに、私にとって一番「ラク」だったのは、


誰にも会わずにすむことだ。


もちろん、ZOOM双方の講義では顔出しをしなければならないが、ユニ〇ロさんのTシャツに着替えて眉毛をかくくらいでOKなのである。


 私はパーソナルスペースがとてつもなく広い。

いまソーシャルディスタンスで「他人と2メートル離れましょう」と言われているが、新しい生活様式が提示される前から、他人が近くにいることに耐えられないタイプだった。

例を挙げれば、カフェのスタンドで、一つのテーブルに横並びに座るタイプの場所、その隣席に他人がいるのも無理。

 体力がないので電車は席が空いていれば座る派だが、正直しんどい。心を無にして通学していた。


 それがないのだ、遠隔授業には!

 素晴らしきかな遠隔授業。


 先生方は口々に「対面で授業ができたらいいね」と言っているが、正直の残りの学生生活一年半、ずっと遠隔授業がいい。


 体調や通学以外にも、遠隔授業には利点がたくさんある。

 例えば、

授業資料が手元に残ること。

 普通、授業で使用されたパワーポイントなどのスライドは学生に配布されない。そのため、全てのスライドを写真で撮っている学生もいた。だがその必要がない。そして、なんならその授業資料の上にメモを書き込める

 これはとんでもないくらいラクであった。

普段は

スライドの内容をメモる+先生の発言を要約する+自分の意見をまとめる+重要部に印をつける

をルーズリーフにすべて手書きでやっていたのだから。

 ペーパーレスだし、なにより「先週書いたルーズリーフ持ってき忘れた」というミスが起こりようにない。

 心労が減る、というのはとてつもなくラクだ。


 一応、我が校では後期も全面遠隔授業が決定したが、「収まったら途中から対面に切り替える」という。

 これからは社会状況にかかわらず、遠隔授業か対面授業か、学生がそれぞれ選べるようにしてほしいな。


 大学の設備使ってないのに今までと同額の学費(授業料+設備費)を払わされるのはちょっと考えて欲しいけど。




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