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書かないと忘れちゃう、よかった作品のこと。
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#映画

『怪物』をホーチミンで見る

『怪物』をホーチミンで見る

『怪物』が、ベトナムで公開していた。

是枝監督×坂本裕二さん脚本、絶対見たいと思っていたけれど、配信待ちかなと思っていた。

だから、映画館のサイトであの赤いポスターに気づいたときは、嬉しかった。
英題が“Monster”で印象が違いすぎて(パニック映画みたいに思えるし、浦沢直樹を思い出さずにはいられないし)、一瞬見逃したけど。
ベトナム語・英語字幕の日本語音声。日本の映画館とほぼ変わらない、映

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「悲惨なアフリカを欧米人が助けにくる話はうんざりだ」

「悲惨なアフリカを欧米人が助けにくる話はうんざりだ」

コンゴ民主共和国が舞台の映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』の公開記念イベント。

登壇されていたシネマアフリカという団体の方のお話が、とても印象に残っています。

「悲惨なアフリカを欧米人が助けにくる話はうんざりだ」
あるアフリカの映画監督がこう言っていました。

「悲惨なアフリカを欧米人が助けにくる話はうんざりだ」
そのうんざりするようなストーリーの向こう側には、どんな人の顔が

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ふたりでいると、呼吸ができるようになる(映画『最強のふたり』感想)

ふたりでいると、呼吸ができるようになる(映画『最強のふたり』感想)

『最強のふたり』を見た。

いい映画って、はじめのシーンから、これはいい映画だと感じさせると思う。

川沿いの道を車でとばす、若い黒人の男性。
助手席には、ひげもじゃのは初老の白人男性。

いかにも訳ありだ。

猛スピードで、ほかの車の間をすり抜けるその車は、警察に追われる。

助手席の男性は、運転する男性に脅されているのか、もしくは常識人として彼をたしなめるのかと思いきや、なんだか楽

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