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強い人の背の,負った傷の数と深さよ。

ひとりぽつんと座る背中に,
遠く窓の外を眺める背中に,
寂しさと優しさを感じます。

寂しいことが虚しいことを,
虚しいことが哀しいことを,
哀しいことが切ないことを,
切ないことが悲しいことを,
悲しいことが痛いことを,
痛いことが苦しいことを,
苦しいことが寂しいことを・・・。
寂しさを知る人は,きっとそれを知っているから,
優しく,温かく,なれるのでしょうか。

FUJIFILM X-100F

ひとりになることが,寂しいということではないのです。
理解されないことが,寂しいということではないのです。
雨音をききながら,孤独を感じることがあるかもしれません。
でも,孤独は,ひとりであることは, ”寂しい” わけではないのです。

”寂しい” は心が茫然としてしまった時なのです。
虚しくて,哀しくて,切なくて,悲しくて,痛くて,苦しくて・・・。
そして,怒りと,憎しみと,愛情と,情けなさと,無力感と,後悔と,絶望と,期待が重なって。
渦巻く感情はでも,爆発はしないのです。
すべてがぶつかり合って,相殺しあって,生まれては消えて,また生まれて。
何を表に出したらいいのかわからなくて。
だから心が茫然としてしまう。
こんなにたくさんの感情が燃えていたのに,気づけば灰になり,すっかり冷たくなっている。

・・・その時に ”寂しい” と感じるのでしょう。

すっかり冷たくなっちゃったから,
燃えて熱かったはずなのに,
だから誰かの温もりが欲しいのでしょう。
言葉なんてなくてもいいのです。
ただ隣に座っていてくれればそれでいい。
そんな温かさが欲しいのです。

寂しさを知る人は,
きっと優しくなれるのです。
難しいことはいらなくて。
ただそっと寄り添う。
寂しくなくなるまで,そこにいることは,しかし結構たいへんなことなのです。
それは本当は難しいことなのです。
でも,寂しさを知る人は,
それがどれほど温かいことか,知っているから,
きっと,そこにいてくれるのです。

寂しさを知る人は,
きっと誰よりも強い人。
今,寂しさの中のあなたは,
きっと誰よりも強くなれる人。

傍にいてもいなくても,
寂しさを知るあなたなら,きっと誰よりも強くなれるのです。
きっと優しくなれるのです。

寂しい時ほど,優しくなれるのです。

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