見出し画像

ああ、この人、業界人なのに根本的には美とか創作なんて興味が無いんだなーと思う時(1)

アートギャラリー、審美眼が売りのお店、いろいろコダワリのお店が星の数ほどあり、いろいろな姿勢と販売スタイルで商売をしているわけですが、制作する側として「あー、これは根本的なところは合わないなあ」と思うことは良くあります。

だいたい、そういう人とは、しばらくすると、関係が終わります。

そういう場合は、こちらから引きます。

例えば・・・いろいろなことを沢山経験しましたが、今回はこんな例を挙げてみます。

・・・あるお店で個展をしていただいた際、店主さんと雑談をしている時に、私が良く体験する、自作とそれにまつわる話をしました。

にへー「以前、私の個展をしていただいたお店で、創作系のライターをやっているという人が、私の染額の前で立ちすくんだように立ち止まって、そのまま15分ぐらい見ていた事があったんですよ。15分はめちゃくちゃ長いですよ。だから、そのお店の人と『だ、大丈夫ですかね?あの人?どうしちゃったんだろう?』なんて心配していたら、やっと染額から眼を離して『あ・・・すみません、この絵、私の過去の体験ともの凄くつながってしまって・・・絵の中に入っちゃいました。この絵、本当にスゴイですね・・もの凄く欲しいですけど・・・これは私には持ち帰れないものです。これは私にとってそういうものではなく、もっと公共的な存在です・・・ありがとうございました・・・』と言って帰って行ったんですよ」

「で、そういうことは、割と頻繁にあるんです。面白いですよね。逆に、ものすごく気に入り過ぎて、作品を買ったことを全然他人に知らせないで、これは本当に気に入ってしまったから、これは、にへーさんと私の関係性の中だけに置いておきたい。この関係性に、他の人を交えたく無くない、という人もいるんです。そういう人は、3年越しで、悩んで悩んで、相当高いものを買って下さったりします。

が、最初に説明したように、自分と、この作品からの体験を自分個人のものとしたくない【・・・買えないわけではないんだけど、そういう売買という行為をしたくない、これはそういう作品ではない・・・】と買わない人もいる。もちろん買っていただければこちらはありがたいですが、そうしたくない、という強い意思が産まれてしまう場合もあるんですよね・・・それと関連した話ですが、飲食店のオーナーさんなどが、ウチのものを購入して下さって、お店に飾っていると、お客さんが、これはこうやっていろいろな人が見られるように、公開されるべきものですね、部屋に飾っておくものではない感じ・・・といつも言われるんです、とおっしゃることがあります。創作品って面白いですねえ。。。」

と話すと、その店主さんは、いやらしく苦笑しながら、こう返しました

店主さん「えー?wwwでもそんなの、結局、買えない人が買えない言い訳をしているだけでしょ?www」

にへー「・・・・(ああ、この人は、創作とかアートとか美意識とか言っているけど、そういうものに対する認識はこの程度なんだ)・・・」

と失望しました。

こういう人はとても多いです。

私は普段、創作系の話題などで身も蓋もないことを書いていますが、それは、殆どが自分自身の実体験と、体験して整理したことに再現性があるかの確認をし、実効性のある事だけを整理した所から産まれたものなのです。

それは、美に対する絶対的な信任があってのことなのです。その現実的な力を知っているから、盛らないで、ドライに、かつ、どこかのエライ人の意見ではない、自分の意見を書くわけです。

結局、美が起こす不思議な現象を信じてない人とは長く付き合えないものです。美はどこかのエライ人が本に書いたおとぎ話ではなく、現実に存在するものです。

なので、その人とは付き合いが無くなったのは自然の成り行きでした。

【写真は、2020年3/14日に東京に雪が降ったので、以前の仕事場で取った雪の写真です。今回のものでは無いのですが、笑】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?