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#自由詩

【詩】藍

【詩】藍

煙草をふかして窓辺に立てば
今日も叫んでいる女が見える
何を言っているのか知らない
彼女の中心に閉じ込められた
逃げ場のない怒りや悲しみは
彼女にしか分からないだろう
叫び終わる時が来るだろうか

コーヒー片手に携帯を見れば
怒号に取り憑かれた男がいる
誰彼かまわず手当たり次第に
何がそうさせるのか沈黙する
人生が二度あればなど夢物語
今を生きる彼には余裕はない
未だ夜は明けないようだから

今日

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【詩】シン・コトバ

【詩】シン・コトバ

おまえの詩なんてリアルがない
リアルじゃない
心の底から吐き出せよ
とんでもない言葉を
綺麗事じゃ収まらない
おまえの本当の声を
綺麗な言葉を並べたって
痛くも痒くもないんだよ
恋を知らない子供が
アイラブユーって言ったって
誰にも伝わらない
おまえの声は霧みたい
肌をかすりもしない
さあ、言えよ
お前の本当の言葉で

【詩】この声が届くならば

【詩】この声が届くならば

虹の光が消えてあなたが悲しい
いつか行くはずの橋は壊されて
たとえ地上の誰もが
あなたを知らないと言っても
私はあなたの名前を呼ぶだろう
メアリー!
私はここにいる

女神

女神

神様は助けなかった
苦しむ僕を救わなかった
祈っても来てくれなかった
僕の人生はぐちゃぐちゃだ

もういい
神様はいらない
自分が今できることをしようと誓った

その瞬間
神様は僕の前に立ち微笑んだ

野良犬歩道

野良犬歩道

隣にいる兄ちゃんに
挨拶代わりに酒を注ぐ

当たり散らして喧嘩して
酔って目覚めてしらふの目眩

思い通りにならん人生を
人生論に絡めてさ
そんなに上手くいくんなら
呑んだくれなんていやしない

今日も明日も酒まみれ
さらけ出した思いが反感買い
居場所はないと弱音吐く

愚か者の散歩道
歩いてくれるのは君だけか

呟く二羽

呟く二羽

ノイズの酷い真夜中
つながり合うことのない世界線
同じ時を過ごしていても気づくこともない
青い鳥は羽ばたく
一方は西へ
一方は東へ

ココロと私の方程式

ココロと私の方程式

私のココロ
ココロは私?

「私の」って言うから私の持ち物?
私はココロではないようだ

ココロに動かされている私
私がココロをあやさないと
ココロは自分勝手に私を転がす

「私」は私
ココロはいろんな思いの糸の束
ココロの布が私に被さって
私というランプの光をさえぎっている

ココロが軽くなれば「私」が見えてくる
だけども難しいよね
何百年、何千年と
人間たちはそれで悩んでる

ココロって変えよ

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風がささやくとき

風がささやくとき

こぼれ落ちる涙を
暗闇に投げてしまおう
黄泉の国で待つ鬼が
飲み干してくれるだろう
黄昏に揺れる髪が
憂いに浸っている
沈み行く陽の光が
優しく微笑んで
私の頬を赤く染める
ああ私はどこへ行くのですか
ああ私はどこから来たのですか
流れる雲は何も言わずに
遠く離れて
ささやく風は全てを
洗い流して

幸せの宝石

幸せの宝石

小さき者よ私にすべてください
この世の悲しみと苦しみのすべてを
道なき道を探すよりも遥かに得難いものを
あなたに祈らん
幸せになりなさい

戦う者よあなたの過ちをすべて
私への贈り物としてください
怒り妬み悪業さえも灰にして涙流れるように
あなたに祈らん
幸せになりなさい

私の願いはあなたの幸せ
果たさん限りは幾度も巡ろう
幸せになりなさい
幸せになりなさい

今。

ああ高い高い壁を
越えようとしても
越えようとしても
越えようとしても

ああ不確かな未来
覗こうとしても
覗こうとしても
覗こうとしても

今しかない
今しかない
今しかない

三千年の時が過ぎても
何も変わらない世界

風は吹いてる西に東に
ため息混じりの空の声が



聞こえた気がしたよ

光輝に包まれて

光輝に包まれて

私は見た あの景色を
私は聞いた あの声を
まばゆい光が虚空に広がり
包まれて
そして私は生まれ出た
私が何をするべきか
導かれるために
あなたとの約束を守るために

改札

改札で止まる足
ひらひら千切れる雲はいつもと同じなのに
世界が変わる
未来が変わる
黄金の太陽
光の束
La La La…

人生の曲がり道
行く先はキラキラ川
遥か先に見えるものは
神様の御手だろうか
La La La…

白い花

君は清き一輪の花を持ってくる。
私はそれを拒めるはずもない。

無題 7/27/2021

青く生い茂った芝生の奥で、目のギョロっとした虫がこっちをじっと見ている。
なんだお前、遊びたいのか?