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【読書記録#93】 破獄

<2023年10月3日にインスタに投稿したものをシェアしています>

破獄
吉村昭 著
28歳から54歳までの26年間獄中生活を送り、戦前から戦後に掛けて4回の脱獄に成功した白鳥由栄(作品での名前は佐久間清太郎)を題材にした作品。

昭和11年青森刑務所、17年秋田刑務所、19年網走刑務所、22年札幌刑務所と4回も脱獄に成功し、脱獄した刑務所が極寒の地ばかりで更に驚く。
また、半端ない体力と、精神力そ、頭の良さ、そして勘の鋭さに驚愕しつつも獄なんてせず、おとなしく刑期を全うした方がさっさと自由の身になれ、そこまで辛い思いをせずに済むのに、と思いながら読み進めていった。

獄中生活と逃亡中は、日中戦争と太平洋戦争であったので、その当時の状況が吉村昭先生らしく事細やかに描かれ、実家のある札幌の大通、琴似、手稲などの親のある地名が出てきて、尚、面白く感じられた。
最後に送られた府中刑務所では、過去に4回も脱獄した脱獄囚であった彼を信用し、手錠と足を錠外し、他の囚人と同じように仕事を与え、彼を人間らしく扱った。それに、心を打たれた佐久間は所長の鈴江の信用を裏切らず、模範囚として刑期を全うする。

彼のずば抜けた能力が他のことに発揮されたら、彼はもっと違う人生を歩んでいたかもしれないと思うと、勿体無い人生であったなと思う。

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