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水槽のなかとそと

出来ることなら、こんな綺麗な服を着てみたい。
夢の中でだっていい。
現実では出来ないことが、
夢の中では出来る可能性は充分あるのだから。

こんなお洒落な水槽のなかだったら、
色んなところを泳ぎ回ってもいいのかもしれない。

でも、30代の私は今、
水槽のなかにいる訳ではない。
「選択」は「自由」で、「責任」を伴う。
時には、対外的に笑ってみせて、
心の中で(なんか違う)と悔しく思うこともある。

今朝はそんな日。
あったかい紅茶とお饅頭を食べて、
スマホのゲームをしてみたところで、
気分など晴れはしないのだ。


事の発端は、中途覚醒にある。

中途覚醒とは、
「睡眠中に何度も目が覚めて、
その後、なかなか寝つけない状態」のこと。

もうこの症状とは長い付き合いになるのだけれど、
「慣れる」ということはなかなか無い。


産業医から
「あなたはまだ昼寝をしているので、
復職させることは出来ない。
21時に寝るように…」等々言われた後から、
実直に実践しているものの、
普通に6時間後に目がパチっと醒めてしまう。


(あぁ、また3時。)
(どうしろ、と?!)
と思いつつも、併用可の処方睡眠薬を飲んで眠る。
けれど、その効果時間は余りに短く、
30分〜1時間ごとに起きてしまう。

6時間という一見充分な時間を睡眠に充てている
にもかかわらず、後味が悪い。
殊に今日は、怒られたり責められたりする夢ばかりを
繰り返し見ていた気がする。


「21時に寝る」ことで「昼寝が減る」か、
というと、そうでもない。
『鶏が先かたまごが先か』状態である。

けれど、従順な身体は20時には、
既にバッテリー残量が10%にも満たないようになった。


水槽のなか、(本当にこれでいいのか)と泳ぐ自分。
水槽のそとを見て、
(本当にこれでいいのか)とぼやけた顔を見る自分。
どちらも自分で、
どちらも他人の意見に振り回されている。


私はオールを手放してしまったのか。
其れはまだ、水槽の砂利に埋もれていないか、
と探し回る日々。


とりあえず今日は洗濯を4-5回まわして、
心を滅します。

寒いので暖かくしてお過ごし下さい。

とい。