見出し画像

旅の音楽・カタルーニャ地方の香り【クラシックピアノを聴いて感性を磨く】


こんにちは!yukiです。

今日は、
「クラシックピアノを聴いて感性を磨く」
シリーズの12回目。

クラシックに馴染みのない方も、
気軽に楽しめるように書いていきます!

今回のテーマは旅の音楽です。

ご紹介するのは、セブラック作曲の、
「祭り(ピュイセルダの思い出)」。

スペイン、カタルーニャ地方の
町を歩いているような気分になれる、
エキゾチックな作品
です。

楽しんでいただけますように!

【この企画への想いはこちらに綴っています】


『セルダーニャ』より
「祭り(ピュイセルダの思い出)」


さっそく、聴いてみましょう!

セブラック作曲、
組曲『セルダーニャ』より、
「祭り(ピュイセルダの思い出)」です。


かなーりエキゾチックな曲ですね!

起伏に富んだ展開は、
まるで短編小説のよう。

ものすごく印象的なのは、
1分45秒あたりで現れるメロディーです。

何なんだ、この切なさは!?

胸をえぐってくる旋律です。

ここの部分の楽譜には、
「素晴らしきめぐり逢い」
と書かれています。

・・・きっと素敵な女性との出会いでしょうね笑


「素晴らしきめぐり逢い」の後にも、
「騎兵隊(2:40あたり)」や、
「親愛なるアルベニスとの出会い(3:45あたり)」
といった説明書きが出てきます。

アルベニスとの出会いのシーンは、
威厳に満ちていてカッコいい!!

(アルベニスは、
 スペインの偉大な作曲家で、
 セブラックのピアノの師です)


お祭りの活気にあふれる町で、
いろいろなものに出会う、
ストーリー仕立ての曲なんですね!


曲集の名前である
「セルダーニャ」とは、
フランスとスペインの国境地帯の地域名です。

副題の「ピュイセルダ」は、
セルダーニャ地方にある町の名前。

グーグルマップで検索したら、
「プッチサルダー」でヒットしました。
こちらの方が一般的な呼び名かもです。

※追記
正しくは「プッツェルダー」と言うそうです。
現地にお住まいのウエムラキョウコさんが
教えてくださいました。
ありがとうございます!


郊外には、
雄大な自然が広がっているようです。

行ってみたいなあ。

カタールニャ地方の香り


作曲者のセブラックについては、
以前の記事でも紹介しました。


「田舎の音楽家」を自称し、
民俗生活や自然を題材に作曲した音楽家です。

セブラックは、生涯最後の10年間、
セルダーニャ地方のセレに住んでいます。

セレには、セブラックも仲の良かった、
ピカソやブラックといった大物画家たちも
好んで滞在していました。


セルダーニャ地方は、
文化的にはカタルーニャ色が強いそう。

セブラックは、
この地方のメロディーやリズムを
作品のなかに取り入れていきました。

フランス音楽に比べると、
かなり土の香りがするような音楽。

異国情緒をギュッと凝縮し、
“カタルーニャの香り”ともいえるものを
漂わせることに成功するのです。

情報をキャッチする脳機能


ここからは、
ちょっと抽象的になります。

今回紹介した「祭り」は、
いろいろ展開するにも関わらず、
全体の統一感を保っていますよね。

統一感を感じる要素の例としては、
以下のようなものがあるでしょう。

  • 同じ主題(メロディー)を、
    若干変化しながら繰り返し使用する

  • 根底に流れるテーマが同じ

  • 調性の統一感、自然な変化


これらの統一感を出す方法は、
抽象度を上げれば、
他の分野にも転用できますよね。

文章をまとめるときも使えますし、
何か連続した作品を作るときにも使えます。

ちなみに“調性”とは、
英語で“tonality”です。

これはtoneから派生した言葉で、
“色調”という意味でも使われます。

色調って、絵や写真などに
限ったものではありません。

文章やトークなどからも、
色調の変化を感じられますよね。

つまり、音楽の“色調”を捉えられると、
他の分野にも応用可能ということです。
(逆もまた然りです)

それは、
“情報をキャッチする脳機能”
が強化されるからなんですね。

音楽における“色調”を感じるには、
長年訓練された耳を
必要とするわけではありません。

意識を向けられるか否か…
それに尽きます!

自分で楽器を演奏している方でも、
色調を感じていない(気づいていない)方もいますし、
逆に“聴く専”の方のほうが
敏感なキャッチ力を持っていることもあるのです。


「あっ、なんか色が変わった!」

そう感じられる瞬間が増えていけば、
どんどん“情報キャッチ力”は上がっていきます。

つまり音楽を聴くことで
脳を鍛えてるということですね!

聴き流すのではなく、
集中しながら聴き続けていると、
やがて効果が出てきますよ。

まあ、
大事なのは音楽を楽しむことなので、
苦行にはしないでくださいね!笑




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは今日も良い1日を!



(今回のカバー写真は、
 コロンビアのサレントでした!
 スペイン語圏ということで…笑)



【関連記事】


いいなと思ったら応援しよう!