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辺境のゲガルド修道院【アルメニア旅行記2】


こんにちは!yukiです。

今日はアルメニア旅行記の2回目です。

ファンタジーの世界のような修道院
行ったお話をしたいと思います。

楽しんでいただけますように!


日曜市の賑わい


鳥のさえずりで目が覚めました。

カーテンのない窓から、
明るい光が差し込んでいる。

アルメニアの首都・エレバンに来て、
リダさんの家に民泊していたのでした。

キッチンを借り、
昨日スーパーで買った
トマト、キュウリ、ハムで
サンドイッチを作ります。

庭のテーブルと椅子で
サンドイッチを食べ、紅茶を。

外で食べると、
大したことない朝食でも
ぐっと美味しくなりますね。

今日は日曜日。

エレバンの中心部では、
サンデーマーケットが開かれています。

露店が立ち並び、
ちょっと上品な雰囲気ながらも
賑わいが生まれていました。

市場には絵画を出している
画家の方がけっこう多いのです。

買えなさそうなのは分かるらしく、汗
セールスではなくて
単なる興味から話しかけられます。

とても居心地がよくて、
いろいろな人と
楽しくお話しできました。


美しいアララト山を
描いている方もいました。

ノアの方舟が漂着したとされる山、
人々の心の拠り所となっている山。


ゲガルド修道院


さて、サンデーマーケットの後は、
エレバンから40kmほど離れた
ゲガルド修道院へ行ってみます。

アルメニアの公共交通は、
マルシュルートカがメインです。

(旧ソ連の国々で
 使われている名前だそうです)

要は乗り合いバンで、前後の窓に、
路線名・路線番号が書いてあります。


アルメニア語はまるで読めないので、
番号で行き先を判断するしかありません。

しかし泊まっている「リダの家」には、
“情報ノート”なるものがありました。

かつて旅していた日本人が、
マルシュルートカの路線と行き先を
詳細に書き残してくれていたのです。

おかげさまで、迷うことなく
乗り継いでいくことができました。


ゲガルド修道院に向かう道は、
はるか彼方まで草原が広がっています。


どこか、東チベットを思い出させる風景。

修道院はかなり僻地にあるので、
マルシュルートカは
手前の村までしか行きません。

そこから先は、
歩きか、タクシーか、ヒッチ。

美しい田舎道だったので、
僕は歩いていくことにしました。


途中、山の斜面で休憩しながら
お昼ごはんにパンを食べます。

4月のはじめなので、
アルメニアもちょうど春。

桜のような白い花が咲いていました。
アーモンドか杏でしょうか。

山間の道を歩き続けると、
やがてゴツゴツと険しい崖が現れ、
その麓に尖塔が見えてきました。

ゲガルド修道院に到着したのです。

まるでファンタジーの世界から
出てきたかのようなフォルム。

アルメニアは、西暦301年に、
世界で初めてキリスト教を国教とした国です。

このゲガルド修道院の歴史も、
その頃まで遡るものだそう。

イエス・キリストが磔刑になったとき、
“生死を確認するために脇腹に槍が刺された”
ということが聖書に書かれていますが、
その槍はここで保管されていたといいます。

(今はアルメニア国内の
 別の場所に移されています)

石でできた教会の内部は、
ひんやりと冷たい空気が漂っていました。

足音がコツコツと響き渡ります。
神聖な空間。

古い彫刻も残されていましたが、
これはライオンなのだそう。

ネコに見えますね。
(ネコ科だし間違ってないですが汗)

修道院の近くの崖を登り、
辺りを見渡すこともできます。

ますます現実味がなくなってくる…


修道院の見学を終え、
さっき来た道を歩きはじめました。

公共交通がある村まで、約5km。

行きは良かったけど、
同じ道を戻るのはちょっと面倒だな…
ヒッチハイクしてみようか。

歩きはじめた直後、
1台の車が修道院から走ってきたので、
親指を立ててみました。

・・・停まってくれた!

乗っていたのは、
若い男女のカップル。

「エレバンに戻るのかい?
 途中までだったら乗せていくよ!」
 

「ありがとうございます、
 お願いします!」

運転してる男性はダビット、
助手席の女性はスーシといいました。

ふたりは婚約してるのだそう、素敵!

スーシは後ろを向きながら、
にこにこと質問をしてきます。

「お腹減ってる?
 パンがあるわよ、どうぞ!」

大きなパンをたっぷりちぎって、
渡してくれました。

「このあたりの景色、綺麗でしょ。
 日本にもこういう草原はある?」

「ええ、本当に綺麗ですね!
 日本では見たことないですねえ」

楽しくおしゃべりしてるうちに、
エレバンへの岐路となる町に到着。

ありがたいことに、
マルシュルートカ乗り場で
降ろしてくれました。

「ありがとうございました!
 楽しかったです!」

「You’re welcome!
 良い旅をね!」

とっても素敵な
雰囲気のふたりでした。

ああ、楽しかった!

フォトグラファーのお兄さん


エレバンに戻り、
中央駅前の食堂に入ってみます。

食堂というより、
どこかバーのような雰囲気。

ブロンドヘアで容姿端麗なおばちゃんが、
にこやかに声をかけてくれました。

「ビールにします?」

「なにか食べるものありますか?」

「これはどうかしら?
 ラフマジョーっていうのよ。
 美味しいわよ!」

丸いぺらぺらのパンに、
そぼろのような肉を乗せたものを
見せられました。

「じゃあ、そのラフマジョーと、
 ビールもお願いします。」

「OK!ちょっと待っててね!」

ラフマジョーは、
オーブンで焼かれて出てきました。

シンプルなのに、すごく美味しい。
てか1枚で約30円です汗

アルメニアの“キリキア”という
ビールも本当に美味しいです。

ラフマジョーもビールもおかわりして、
お腹いっぱい飲み食いしたのに、
お会計は300円いかない…汗

やはり物価がだいぶ違います。

しかもアルメニアって、
日本人はビザなしで
180日滞在できる
のです。

もし無期限の旅だったら、
しばらく住んじゃいそうですね。



さて、家に戻ると、
他のお客さんが来ていました。

20代後半の日本人男性で、
ケイさんといいました。

優しい雰囲気の、落ち着いた方。


ケイさんは、
フォトグラファーです。

今回の旅でも、取材のために
冬の中央アジア(極寒)を旅したそう。

撮られている写真は
やはり素晴らしかったです。

写真学校のころの話や、
写真家のアシスタント中の話など、
毎日夢中で聞いていました。

自分の写真にアドバイスも頂いたり。

この頃はまだ、
写真をはじめて2年未満だったので、
初めて聞くことばかりでした。

ケイさんは、
朝はコーヒー豆を挽いて
ドリップで淹れてくれます。

(びっくりするほど美味しく、
 淹れる姿もカッコ良すぎました)

夜はワイン量り売りの店へ行き、
家の庭で飲むのでした。

こういう出会いもまた、
旅の素敵なところですね。

彼とはこれから数日間、
一緒に過ごすことになります。

次回は、
いくつかの美しい教会と、
アルメニアのキリスト教について
書いてみようと思います。

お楽しみに!




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは今日も良い1日を!

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