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デンマークワインに関する纏め

デンマーク産ワインの考察

産地概要


1993年に少数の葡萄栽培愛好家が集い、デンマークワイン生産協会FDV(現フォニンゲン・ダンスク・ヴィン)を設立。1999年にデンマークでのワイン生産が合法化し、2000年にはEU法にて認可。
2001年当初の生産本数は約2,000本、2002年には12,000本となり、当初8つの生産者が登録されておりましたが、2012年には約90社が商業生産者として登録されています。
メキシコ湾流の影響に寄る沿岸温帯、西岸海洋性気候で、夏は涼しく冬は多雨。地形は非常に平坦で起伏はほとんど無く、国内で最も標高が高い場所でも170mである。
また緯度が高いため、日照時間が季節によって大きく異なります。冬の間は昼が短く、日の出が8:45、日の入りが15:45です。逆に夏の昼は長く、4:30には日が昇り、22:00まで沈みません。
この地形や気候、日照時間の特異性が、そのままデンマークワインの特徴となっています。

栽培的な特徴

シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンといった国際品種は、気候条件がむずかしく、ハイブリッドと言われる交配品種を用いる事が多くなっています。

◆ソラリス(緑色)
マスカット・オットネル ✕ メルツリング
(1975年現代交配種)冷涼を好み早熟。病害への耐性があり、適度な酸とフルーティで香り豊か。

◆ロンド(黒)
ザンクト・ローラン ✕ ザイラ・セヴェラ
デンマーク最大栽培面積の品種。濃いベリーのニュアンスで、酸が強い。イギリスなど北欧での栽培が盛ん。

◆スヴィニエ・グリ(緑)
カベルネ・ソーヴィニヨン ✕ ブロナー
白ワイン用品種として1983年に作られた品種。特に真菌性の病害に強く、晩熟。芳香が強く、適度な酸を持つ。晩熟すると赤みを帯びた果皮になる。

◆カベルネ・コルティス(黒)
カベルネ・ソーヴィニヨン ✕ ソラリス
果皮が厚く、タンニンが多い。若干のハーブ香。成熟が遅く、ソーヴィニヨン系の青い香りが強く、赤ワイン用に開発されたが、現在では主にロゼワイン用に使われている。

◆レオン・ミロー
19世紀のアルザスで作られた古い交配種。
酸の含有量が多く、ベト病、灰色かび病等に耐性があり、晩熟だが収量が多いためビオディナミでのワイン作りに使用される事が多い。


産地と分類

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