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これで子どもも親も幸せになる!

最近の子育てでは、『非認知能力』が注目されています。

いわゆる、学力や知能指数(IQ)のような、相対的に認知的な能力でないもののことを指します。

『非認知能力』とは、具体的には以下の三種類のスキルです。

  1. 忍耐力や自己抑制といった目標を達成することに関するスキル

  2. 社会性や思いやりのような他者との協働に関するスキル

  3. 自尊心や楽観性といった感情のコントロールに関するスキル

そして重要なのは、非認知的スキルが認知的スキルと相互に関わり合って、子どもの発達を促していくことです。

どちらかに偏ってしまっては、子どもの成長も偏ることになります。

この考え方に基づいて、現在では早期教育に力を入れる親御さんが増えてきています。

家ではどんなことで『非認知能力』を高められるのか?

様々なことが挙げられるでしょうが、大きなものとして、親子の温かなコミュニケーションがあります。

親子の充実した関係(愛着)は、幼児期の対人関係発達の基盤になります。

その基盤は、保育者のような親以外の大人との安定した関係を築くことにつながります。

読み聞かせはコミュニケーションなの?

読み聞かせを行う際、

読み手(大人)は相手がよりよく話の内容を理解したり、あるいは楽しめるように工夫します。

それは、子どもが内容を理解しているか推測したり、どんな感情的反応を示しているかを観察し、場合によっては読み方を変更するといった、高度な心の働きを含んでいることを意味します。

聞き手(子ども)は、お話を受け取ることでさまざまな反応を読み手に返します。
歓声のように言葉もあれば、面白そうな表情や、退屈そうな姿勢のようによらないものもあるでしょう。
そうした聞き手の反応がメッセージとなって、読み手の新しい反応が引き出されて、読み聞かせ場面における「やりとり」が続いています。

このようにごく自然に行われているコミュニケーションですが、複雑で多様な要素を含むことがわかります。

読み聞かせをすると、育児ストレスが軽減!?

東北大学の行った研究で、40組の家族(幼児あり)に8週間読み聞かせをした後に、「親の育児ストレス」を調べた研究があります。

その結果、読み聞かせを行った8週間後に、母親の子育てストレスは低下していることがわかりました。

これは、例えば子どもが言うことを聞かないために、母親がいやな気持ちになるといったストレスを表しています。

細かく見ると、特に子どもの機嫌の悪さや落ち着きのなさ、新しい刺激への慣れなさといった側面での母親のストレスが少なくなっています。

さらに、読み聞かせの時間が増えると、母親のストレスが低くなる結果も出ました。

読み聞かせで、子どもの行動も変わる!

東北大学の研究では、さらに子どもの変化も調べています。

読み聞かせ後には、幼児の言語発達は促進され、さらに問題行動が減少する変化が見られました。

読み聞かせが言語発達を促すのは、なんとなくイメージできますよね。
また、子どもの「聞く力」にも変化が見られました。

これも、読み聞かせ中、幼児はお話を聞く、という活動をしているわけですから、当たり前のことかもしれませんね。

実際には、読み聞かせの最中の子どもの脳を調べると、「側頭葉」と「大脳辺縁系」が強く活動していることがわかったのです。

側頭葉は、コミュニケーションの中でも、特に「聞く」ことに関係する部位が集まっています。

大脳辺縁系は、海馬を含む、脳の深部にある感情反応や記憶に関わる領域の集まりです。

これらが活発に働くことで、子どもの成長を促しているのですね。

さらに、言語発達や聞く力の向上が問題行動を減らすこともわかりました。

これは、語彙が増えることで、文の理解が高まり、相手への関心が高まることが関係しています。

学校の中でも、理解力の高い子は先を見通して行動することができます。

逆に理解力の低い子は、わからないことがあったり、なぜするのかりかいできなかったりと、ストレスに感じることが増えていきます。

子どもの感情面での変化が行動に大きく起因していると考えられています。

つまり、読み聞かせを行うことで、子どもの能力が高まり、結果として行動にも落ち着きが見られることになるのです。

当然、子どもの行動が落ち着いてくると、母親の気持ちも落ち着いていくでしょう。

結果として、子どもも大人も幸せを感じやすくなるのですね。

まとめ

文字が読める幼児期の後半であっても、さらに児童期であっても、「読み聞かせ」という親子のコミュニケーションは有用です。

年齢が上がるにつれて、子どもの1人読みが増え、大人の「読み聞かせ」頻度は減っていく傾向にあります。

しかし、寝る前にしていた読み聞かせの習慣をやめてしまうのは、もったいないのです。

読み聞かせを通して大人が子どもと関わり、コミュニケーションすることで『非認知能力』の高い子が育てられます。

できる限り長い時間、読み聞かせをしていきたいものですね。

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