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「男ともだちってずるい響きだな」

「男ともだち」 千早茜 

2022年2月3日読了

ずっと掲げていた目標が達成でき
絵の仕事だけで生活できるようになったきたけれど、
自分の描きたい絵が描けず、不本意な依頼の連続に
どこかマンネリ感を感じる31歳のイラストレーター、
神名

自分の最大の理解者だったはずが
いつしかお互いが空気のようになってしまった
同棲中の彼氏、彰人

どこか自分を見下して、
プライベートに干渉してくるところに
不満を持ちつつも関係を続ける、
妻子持ちの医者の愛人、真司

年上で裕福な夫がいても不倫を繰り返す魅力的な人妻、美穂

大学時代の先輩で不思議な色気を持つ「男ともだち」、ハセオ

全員恋愛観、倫理観が狂っているのに
どこか共感できるような、
できないような不思議な気持ちになる小説。

異性間の友情は成り立つのか?

この小説のテーマは、
「異性間の友情は成り立つのか?」
私は、成り立つと思う。

でも、
男ともだちとの友情と女友達との友情は別物だと思う。

どうしてもさみしいとき、
どうしていいのかわからないとき、
自分に自信がないとき、
女として、人としての価値を見出すために
恋人じゃない男の人から
女の子扱いしてほしいときだって
あるんじゃないかと思う。

本当に分かり合える男ともだちからのやさしさは
友情でも愛情でもないような気がする。
恋人と違って男ともだちとの関係には終わりがない。
その点で、男ともだちの存在は唯一無二なのだ。

だからこそ、
どれだけ好きだとしても一線はこえてはいけない。

この小説を読んで、
別れたくないから付き合わない。
という人の気持ちがよくわかったような気がする。


そして、恋人にこんな女ともだちがいたら、
浮気されるよりもよっぽど堪えると思う。(笑)



個人的に煙草を吸う人は嫌いだけど、
ハセオは全女子の性癖に刺さるんじゃないかと思う。
イメージはオダギリジョー。
美穂は石原さとみかなあ、友達になりたい。


読んでほしい人

  • 恋愛において冷めているねと言われたことがある人

  • 付き合いの長い異性の友人がいる人

  • 煙草を吸う男性を色っぽいなあと思う人

  • 不倫、浮気表現に耐えられる人

  • 20歳前後の女性

こんな男ともだちを作るのは、
現実的には不可能だと思うけど、
いたらすごく心の支えになるのかもしれない。
でも、恋人にはこういう女はいてほしくない。
っていう複雑な気持ちになります。
ぜひ。

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