Yukichi

つれづれなるままに、読んだ本や映画の感想をアップします📚 大学3年生です。

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最近の記事

「繋がりたいけれど、繋がれたくはない」

「ガーデン」千早茜 (2022年2月25日読了) 小学校6年生までとある発展途上国で過ごした羽野、 けして豊かとは言えない暮らしの中で 自宅の美しい庭が彼を支えていた。 日本に帰国後も、 植物とのつながりをもとめ、自宅に花を囲っている。 編集者として働きつつ、 女性との関わりを持つものの、 深い関係を築けない。 人はなぜ他人とわかり合おうとするのだろうか。 どれだけ理解しようとしても、 完全に理解することはできないのに。 羽野の苦悩と共に、 人との関わりってなんだろうと考

    • 「私、ばかだもん、東大じゃないし」

      「彼女は頭が悪いから」姫野カオルコ2022年2月16日読了 実際に起きた東大生による強姦事件に 着想を得て書かれた本書。 後に被害者になる神立美咲と、 美咲と「一時は」恋に落ちたはずの東大生竹内つばさの 中学時代から物語は始まり、 事件までの数年間が二人の対比しつつ描かれる。 とにかく、読んでいる間も読み終わった後も、 気分が悪くなる。 だけど、とてつもなく考えさせられる。 被害者である美咲は「頭が悪い」かもしれない、 けれど、 魅力にあふれ、素直で、純情な恋する乙女で

      • 「摘んだ花には、この美しさのどれほども残らないのだ」

        「空色勾玉」萩原規子  2022年2月4日 再読 6歳のころ、鬼に追われた夢を繰り返し見る 村娘の狭也。 15歳の祭りの夜、夢に見た「鬼」が追いついた。 「闇(くら)の氏族の巫女姫よ。 われらともに戦ってくれ。」 運命を受け入れられない狭也は、 あこがれ続けた輝(かぐ)に救いを求める。 輝の神殿で采女として仕える中で、 神殿の中に幽閉されて夢を見る「輝」の末子、 稚羽矢と出会う。 神々が歩く「豊葦原」を舞台に生をつかさどる「輝」と死をつかさどる「闇」の氏族が争う世で 「

        • 「男ともだちってずるい響きだな」

          「男ともだち」 千早茜 2022年2月3日読了 ずっと掲げていた目標が達成でき 絵の仕事だけで生活できるようになったきたけれど、 自分の描きたい絵が描けず、不本意な依頼の連続に どこかマンネリ感を感じる31歳のイラストレーター、 神名 自分の最大の理解者だったはずが いつしかお互いが空気のようになってしまった 同棲中の彼氏、彰人 どこか自分を見下して、 プライベートに干渉してくるところに 不満を持ちつつも関係を続ける、 妻子持ちの医者の愛人、真司 年上で裕福な夫がいて

        「繋がりたいけれど、繋がれたくはない」