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家を継いで始めたモバイルハウス制作:土台編

父の病死をきっかけに兼業の米農家と、建具屋の曽祖父、大工の祖父、建築士の父という家のDNAを継ぐと決めた結果生まれた『米の移動販売車兼モバイルタイニーハウス作りプロジェクト』。

前回は、そのきっかけや経緯について書きました。

今回は、いよいよその実践編。ハウスの土台、床作りのプロセスを紹介していきたいと思います。

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まず、何事も準備が必要となります。

家づくりにおいて大事に思うのは、快適に道具や木材を使える作業場づくりと、資材選びです。

作業場に関しては、祖父が使っていた工房を活用する事にしました。

父も祖父も、かつて建築に携わっていた人たちがいなくなっていた工房に、再び現役時代を思い出して働いてもらおうという魂胆です。

木材を切る、組むとなると、角度の歪みが後々の仕上がりに致命的な影響を及ぼします。

その点、祖父が使っていた工房はコンクリートが敷かれ、しっかりと並行が保たれていました。

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資材に関しては、この工房の梁に渡された木材、壁面に立てかけられた木材のみを活用する事にします。

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資材としては、柱、ベニヤ板、障子戸、扉、2×4材的なもの等、長い物や短い物、厚い物と薄い物など様々なものが埃を被って眠っていました。

これらも活用されなければ、ただの燃えるゴミです。

これらにも、また違った生き方をさせてやりたいと思います。

まず、土台用に選んだ2×4材的な木材を切り出し、軽トラの荷台に合わせたサイズの土台を組んでいく事にします。


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接続する部分は、互い違いになるように丸鋸とノミで削り、強度が増すようにします。

この、丸鋸を使う作業がなかなか初めのうちは曲者で、握力が無くなってくるほど消耗するのでした。

間違って事故を起こすわけにもいきませんし、慣れない、というか初めての大掛かりな丸鋸での作業です。

必死で丸鋸を握りしめ、刃もまっすぐ入るように集中します。

初心者なので当たり前ですが、必要な腕力、体力も大工仕事用に備わっていないことがわかりました。

徐々に慣れてくるとは思いますが、とにかく続けます。

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さて、土台を組んだ後は、床板となる板を切り出し、インパクトドライバーとビスで打ち込んでいきます。

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写真右側の木材のように腐食したものもありますが、腐食部を切り取ってやれば、ちゃんと活用できる綺麗な状態になりました。

この時点で母などは「棚でも作ってるの?」と勘違いしていました。

最後に、軽トラの荷台から頻繁に載せ下ろしすることを想定し、移動用の車輪を8つ付けました。

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実際に荷台に載せてみると、サイズぴったり!

心なしか床板が輝いて、何か新しい命が吹き込まれたような感覚が感じられます。

自分のアイデアと行動によって新しい何かが創造されている、それと同時に、資材や機械から自分にフィードバックされ、資材や機械自身によって創造されていっているような、インタラクティブな感覚が芽生えてきました。

かつての祖父は、そんなことも考えていたのだろうか?

知る術はありませんが、またひとつ祖父に近づけたような気がして嬉しくなりました。

さて、土台は完成しました。次はこの土台に載せていくハウスの枠組みづくりに取り掛かりたいと思います。




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