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場づくりするように生まれた本は、場づくりを通してどう社会を変えるのか?

今、私の手元には、表題にある『場づくりをするように生まれた本』が二冊あります。

一冊は先日7月7日に出版された『描いて場をつくるグラフィック・レコーディング:2人から100人までの対話実践』。

もう一冊は、2019年に出版された『はじめてのファシリテーション:実践者が語る手法と事例』です。


それぞれの著書の定義を引けば、グラフィック・レコーディングとは、『会議やワークショップの話し合いを可視化し、記録する手法』のことを言い、

ファシリテーションとは、『人々が集い、何かを学んだり、対話したり、創造しようとする時、その過程を、参加者主体で、円滑かつ効果的に促進していく技法』のことを言います。


そして、二冊ともに共通する点として、人の集う場や場の可視化がどのように国内において・どのような領域で発展してきたか、というルーツと変遷、これからについて言及されていることが挙げられると思います。

この二冊には、自分が京都を拠点に NPO法人場とつながりラボhome's viの一人として活動してきた際に出会った仲間や先輩、師にあたる方の多くが執筆者として、あるいは編者や出版プロジェクトのパートナーとして参加しています。(『描いて場をつくるグラフィック・レコーディング』では執筆者35人、『はじめてのファシリテーション』では37人)

執筆者の皆さんはそれぞれ、市民活動や企業活動、あるいは教育現場やそれらのセクターを超えた協同の場を運営してきた実践者でもあります。
そんな方々が30名を超える大所帯で一冊の本をつくるとなったら、何が起こったのでしょうか?

本を一冊作るとなれば、執筆者だけでは話は進みません。出版社の編集者さんをはじめ、多くのステークホルダーが出版プロジェクトに存在します。自分が直接的・間接的に関わったものだけでも、企画会議、進捗報告、あるいはプロジェクトの決起集会や缶詰合宿、出版後には出版記念会など、パッと浮かぶだけでも様々な場がつくられ、その度に喧々諤々の議論や穏やかな対話の時間、未来に向けてのポジティブな交流が行われてきました。

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ここまでくると、『どうして、そこまでして「場づくり」というものにこだわるの?』、『どうして、「場づくり」はここまで重大なこととして扱われているの?』『そこまでして本にまとめて届けたい思い・願いは何なの?』そんな疑問も浮かんでこようというものです。

その時々の理由があって私はこの二冊の出版プロセスに深く関わることが叶わず、執筆者の皆さんそれぞれに、『場づくり』に対しての向き合い方や思い、願いがあるのだろうと想像することしかできません。


そんな中、『描いて場をつくるグラフィック・レコーディング』の編者であり友人の有廣悠乃から出版後落ち着いてのメッセージを受け取りました。

その中には、
この本づくりそのものが、まさに場づくりであったこと

・執筆者、出版社との出版プロセスを通してこだわりを脱ぎ捨てていき、最後に残ったものを本に込めることができたこと

・社会を変えていくとなったとき、最後に残るのは奇を衒ったものではなく、地道で泥臭いものじゃないだろうか

そういったことが書かれていました。


そのメッセージを受け取ったとき、二年前に出版されていた『はじめてのファシリテーション』と合わせ、これら二冊の本に込められたものと共に、必要とされる方に届いて欲しいなと、衝き動かされてしまったのでした。

『はじめてのファシリテーション』については、一部大学の講義等に活用されるといった事例も伺っていますが、これら二冊はさらに今後、どのような現場で、どのような形で知見を届けていくことができるのでしょうか?

私は例えば、米づくりやコモンズづくりの現場でこれらをどう活かしていくことができるでしょうか?🤣

もし興味を持たれた方がいらっしゃれば、ぜひ手にとっていただけると自分のことのように嬉しいです🌱

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