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【読書感想】『すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法』

こんにちは、Yukiです!

今回ご紹介する本は、楠木建(著)『すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法』です。

楠木さんは最近メディアで、見かけるようになりました。個人的にも好きな方で、楠木さんの本はこれまでにも何冊か読んできました。

今回はそのうちの1冊を見ていくことにします。

本の紹介

この本を一言で言えば、「楠木さんの「好き嫌い」論を展開している本」です。

まず、楠木さんは2つの価値観を紹介しています。それが「良し悪し」と「好き嫌い」です。

「良し悪し」とは何か、それは、相当に広い範囲で社会的に合意形成がされた普遍的な価値観です。

例えば、「民主主義」や「言論の自由」は、個人の好き嫌いを超えた普遍的な良し悪しの象徴です。そしてこれらは、例外はあるにせよ時空を超えたコンセンサスを獲得しています。言い換えれば「文明」と楠木さんは仰っています。

そうした普遍的な価値観を個別な方向に寄せていくと、国や地域特有の「文化」になります。ある国内部では共有されていますが、いったん外に出てしまうと通用しません。その意味で、「文明」ほどの普遍性はありません。

一方で「好き嫌い」とは、この「文化」をさらに個別レベルまでに限定したものです。言い換えれば、「特定の個人レベルの良し悪し」が「好き嫌い」です。

「良し悪し」と「好き嫌い」について、楠木さんは氷山を例に説明しています。

海の上に出て見える部分が良し悪しであり、みんなが同じ部分を見ています。そしてそこでは広範囲なコンセンサスが形成されています。氷山の頂点は、究極的な普遍的な「良し悪し」であり、法律など明文化されています。

しかしこうした良し悪しは氷山の一角に過ぎません。見えている部分よりも見えていない部分の方が大きく、水面下には見えない無数の好き嫌いが広がっています。

このように「良し悪し」と「好き嫌い」は直線上の対照的な位置関係にあります。

楠木さんによれば、世の中の人々は「良し悪し族」「好き嫌い族」の2つに分かれると言います。

「良し悪し族」は、氷山の見えている部分に着目し、良し悪しの軸に当てはめて判断すると言います。

「好き嫌い族」は、氷山の一角は全体の一部に過ぎず、世の中は好き嫌いの異なる個人の集まりと考えていると言います。

楠木さんはと言えば、はっきりと「好き嫌い族」に属しているそうです。

これがこの本を読んでいく上での前提です。後は、楠木さんの極私的な「好き嫌い」論を展開しています。

続きが気になる方は是非読んでみてください。

読んだ感想

あくまで個人的な感想ですが、読んでいてとても共感できました。おそらくそれは僕が、「好き嫌い族」に属しているからだと思います。

世の中は「良し悪し」だけでは判断できないこともたくさんあると思います。

以前、『他人と比べない』でも書きましたが、「人は人、自分は自分。他人と自分が違うのは当たり前だから、過度気にする必要は無いよね。」という割り切った気持ち、そして他人の好き嫌いも尊重し、尊重しないまでも無駄に介入せずそっと放置しておく、といった考え方は大切だと思います。

加えて、これまた個人的な話ですが、僕は楠木さんがスキです。楠木さんの話には面白さがあり、毎回何かしらで笑っているからです。

その「面白さ」は何か、というと楠木さんは、面白い(と僕が感じている)ことを真面目に言う。そのギャップに僕は面白さを感じています。

何度か楠木さんの動画を見ているのですが、声が渋くダンディな男性です。その渋い声で、僕の脳内で文章が読まれるので余計に面白く、笑ってしまします。(決して馬鹿にはしていないです)

また、僕は楠木さんの文章もスキです。この本は特にそうなのですが、まるでしゃべったことをそのまま文字化したような文章です。いかにも、目の前で楠木さんの話を聞いているような感覚になり、良い意味できちっとしていない。それでいて筋は通っている。そんな楠木さんの文章スタイルがスキです。

(ちなみに今回のnoteは楠木さんをイメージして書いています。いつもと違うと感じているかもしれませんが、ご了承ください。)

副題に『仕事を自由にする思考法』とありますが、「仕事」と言うよりも「人生」という感じがしました。

もちろん仕事についても触れられています。ただ、仕事のみならず人生においても役に立つし、何よりも自分自身が楽になる。単なる「仕事論」ではなく、それの枠を超えた「人生論」だと感じました。

その人に固有の好き嫌いこそが個人を自由にするのである。

と楠木さんは言います。

「良し悪し」も必要だと思います。しかしそればかりに固執するのではなく、僕オリジナルの「好き嫌い」を大切にして極めながらこれからの人生を生きたい。このように感じさせてくれました。

僕の中の「良書リスト」に加わる1冊でした。

終りに

思いが溢れてつい楠木さん風の文章になりましたが、暖かい目で読んでいただけたら嬉しいです。

これ以外にも、様々な本を出版されているので気になる方は調べていてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました!



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