ミッション・0.325mmに竹を割れ!
さあ、いよいよあの三脚を使ってみよう。
最終的につくりたい竹ひごはこちら。
今は四つ又に割る前のものが必要数の半分できている状況だ。
そちらはおいおい進めていくとして、ここでひごができるまでの過程を、とりたての写真でご紹介しようと思う。
まずは丸竹を半分にする工程。「花入れ」と呼ばれる。
ナタの元を竹の手前に当てて、コンッと切り込みを入れる。
そしてナタの末を竹の反対側に渡して、そちらも衝撃を与えて刃を食い込ませる。
ここまできたら刃はもう外れないので、コンコンと叩きながら割っていく。
同じ要領でだいたい三等分くらいに割っていく。
そしてここから「皮剥き」という作業。
竹のツルツルとした緑の表皮を、小刀で削り落とす。
しゃーーーっ、しゃーーーーっという音が小気味良いが、削りかすが風に舞って洗濯物に突撃するし、ズボンは緑色になるしでいちばん早く済ませたい工程である。
こういうふうに竹を削る作業時は、職人さんたちは酒蔵の前掛けを使う人が多い。
頑丈だしかっこいい。私もほしい。
それができたら、「剥ぎ(へぎ)」の作業。このままだと分厚くて割りづらいので、厚みを減らす。
うまく割れているときは感覚と音ですぐにわかるのだ。逆にずれていると思ったときは早めに諦めないと、手にナタを叩き込む羽目になる。
それができたら、先端に約1.5ミリの切り込みをポツポツと入れる。
ここからが新しい手法、「もみ割り」の工程になる。先ほど入れた切り込みを、両手で竹を波打たせるようにしならせ、その力で割り進めさせる。
そうすると1.5ミリの竹ひごが、切り込みの数ぶん出来上がるというわけだ。
そうして出来上がったひごの両端を、まずは二又に割く。
この時点でひごは1ミリ以下の細さ。
少しのズレで使い物にならなくなってしまうので慎重に。
そして、さらにその先をもう一回割く。
最終的なひごの細さは0.325ミリ前後ということになる。
そうして出来上がったひごを、かごの成形に耐えうるギリギリの厚みに整えて完成だ。
そんな細いの無理だあっ!と、割るたび思うのだが、やってくと案外「あっいやできるわ」と目が慣れてくるから不思議である。
でもトリアタマなので毎回その慣れはリセットされる。故に、毎回こわごわやっている。
ところでこの三脚、はじめは自分の正面に立てて撮影していたが、手元はこうしたほうがしっかりとピントが合うことがわかった。
三脚とは…。
ウェアラブルカメラとかの方が便利なんだろうけどなあ。
でもこの撮り方でしっかり撮れるなら、値段を考え合わせればかなり優秀。そういうことにしておこう。
この子のおかげで、写真に困ることがなくなりそうで安心だ。
とりあえず、我が竹籠チームルーキーの初陣のご報告でした。
数ぶんひごを揃えましたら、いよいよ編組に入りますよっ!
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