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<お金が全て> NBAの次なる一手はそれだったか。。。。

コロナで世の中が激変した今、前回(以下記事参照)お伝えしたとおり、NBAでは入場者制限による収入の大幅減に苦しめられている。

その減収額はなんと昨季だけで約1,600億円にものぼり、今季もこのままコロナが続くとその数字は天文学的な数字になってくると想定される。。。

ではNBAは無策か?というとそうではない。

NBAはある意味極めて合理的に現状を受け止め、その中で行動している。
そう、コロナによる入場者制限で失われた収益を他の収入源(スポンサー、放映権他)で全て補填するのは無理と最初から理解しているのだ。

0)NBAは金銭難を何で解決しようとしている?

では、NBAはもう赤字であることを諦め、コロナが落ち着くことをただ祈っているのかというとそうではない。彼らはクローズド・リーグ(注:日本のプロ野球のように、チーム数が一定であり、下部リーグからの入れ替えがないもの)である特権を活用し、そこに加盟するチームの希少価値を最大限活用し、来季前か、来季中になんとエクスパンジョン・チームを新たに募集することを裏で開始しているのだ。

これは、NBAが表立って発表している訳ではないが、様々なソースから確認が取れているので、この計画自体はまず間違いないだろう。

1)金銭的メリットは?

NBAで前回エクスパンジョンが行われたのは、シャーロット・ボブキャッツ(現:ホーネッツ)が参入した2004年だ。

その時に、ボブキャッツのオーナーがリーグに支払ったのが約300億円であり、米国の凄まじいインフレを踏まえると今の価値で400億円以上の価値になる。しかも当時以上にリーグの価値は高騰おり、CBS、ESPNなど米国大手メディアによると、NBAが新規参入チームに求める金額は最低でも2,500億円以上(!!?)と言われている。

この金額は過去NBAチームが既存オーナーより、新規オーナーに売却された際の金額を大きく上回るものであり、これまで史上最高であったブルックリンネッツの売却額である、約2,400億円をも超える金額となる。(ご参考:過去2番目に高かったのは、ロサンゼルス・クリッパーズで約2,100億円である)

つまり2チームが参入するとなると、5,000億円以上(!!!!!!!!!!!!!!!!?)ものリーグ収入が得られることとなり、コロナで被ったリーグ損益を返済できるどころか、十分すぎるほどの蓄えも賄う事ができるのだ!!

2)  ではどこにそのチームが増える?

これまででNBAとして狙う次なる動きが何かは分かったかと思うが実際にでは何処にチームが誕生するのか?という疑問が湧いてくる。

今後変わる可能性はもちろんあるが、現状では90年代にマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズとファイナルでも対戦したスーパーソニックスの本拠地であったシアトルが最有力と言われている。同チームは2000年代中盤に観客動員の低迷を受け、オクラホマシティーに移転するも、シアトルにはまだ熱烈なバスケファンが多く、またテック企業に人気のの中心地に近いことからその関連富裕層が近年多く住み始めている、新チームには最適なロケーションと言える。

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そしてもう一つ注目を集めている場所が、カジノのメッカと言われるラスベガスである。ベガスは長年その土地柄から(ローカルの住民より、観光客が多いことや、カジノに伴う犯罪が多いこと)プロスポーツチームのロケーションとしては向いていないと言われていた。

その通説が2017年に誕生し、参入後初シーズンに早くも準優勝を果たし、また地元から大人気を誇ったNHL(ホッケーリーグ)のラスベガス・ナイツによって壊されたことで、多くの新オーナー候補はラスベガスの地にチームを構えたいと考えるようになっている。そして、これはNBAでも同じである。

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また、ベガスには既にWNBA(女子バスケのプロリーグ)のチームがフランチャイズを構えていたり、NBA自体も毎年ここでサマーリーグを運営しておりプロバスケ運営における実績は十分な土地とも言える。

これらに続く形で現在候補となっているのが、過去キングズ(現サクラメント・キングス)が本拠地を構えていたカンザス・シティーだ。

纏め:

いかがだろうか?


日本の多くのスポーツリーグが、コロナにおける解決策が見つからずヒーヒー言っている中、NBAが余裕ある理由をわかっていただけただろうか。

NBAは、①その国際的人気の高まり、②チームの希少性の高さ(=クローズドリーグである為に、Jリーグのように下部リーグから新たに参加するなどできない)、さらには③米国で続くインフレによって、その所属チームの価値は年々高騰している。

その為に、今回のような緊急事態においても、NBAは「エクスパンジョンの実施」というウルトラCによって、莫大な資金を一瞬で獲るという荒技を持っているのだ。

完全なる余談だが、逆に日本ではJリーグ、Bリーグのように、①成績によってリーグが入れ替わるオープンリーグが主流になっていること、②リーグが国際化に成功していないこと、③物価がインフレどころかデフレ傾向にあることから、現在のコロナ下でもNBAと同じ施策を取ることは難しいと言える。

今回の学び踏まえ、何処かで「日本のプロスポーツが発達する為に必要な条件」についても執筆したいと思う。乞うご期待いただきたい。

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