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自己肯定感は高くなくてもいい。

自己肯定感を高めよう。
自己肯定感を上げる方法。
わたし、自己肯定感が低くって…。

いつの間にか日常会話の中でも使われるようになった「自己肯定感」という言葉。

「自分に自信を持っている状態」あるいは「自分を好きだと思える感覚」が「自己肯定感が高い」ということ。そんな意味合いだと捉えている人が多い気がする。

仕事の棚卸しをしているときに、ふと「自己肯定感ってなんだろう」と思い、chat GPTに聞いてみたら、こんな回答が返ってきた。

自己肯定感とは、自分自身を肯定的に評価し、自分に価値があると感じる感覚です。具体的には、以下のような要素が含まれます。

自己評価: 自分の能力や価値を高く評価する。
自信: 自分の行動や判断に自信を持つ。
成功の喜び: 自分の達成や成功を認識し、それに喜びを感じる。
ポジティブな自己認識: 自分を積極的に認める態度。

chat GPTの回答より


ああ、そうだ、これは私の個人的な感覚なのだけど、「自分に価値がある」という表現にいまいち"手触り感"を感じにくい。

「価値」という言葉が崇高でハードルが高く遠いものように思えるからだ。

ブランド品とか宝石とか、そういうキラキラしたものの良し悪しを測るときくらいに意識するくらいで、少し非日常的。あるいは、ビンテージなものやレアなもの「プレミア」とか言ったりする場面があるくらい。だから、「自己肯定感を上げたい」と思って本を読んでみても、フィットしない感じがして、消化不良で今に至る。

自己肯定感そのものや本を否定する気はさらさらない。だけどもし、私と同じように、自己肯定感という言葉がしっくりこない人は、「自己肯定感を上げようとする」をやめてみてもいいと思っている。今の自分が自己肯定感が高いと言えるかどうかは分からないけれど、昔と比べたら、自分を理解し受け止められるようになってきたからだ。

それは一本道ではなくって、色々なことの積み重ねだったり周りの人の手助けや言葉だったりのおかげで。
象徴的な分岐点のひとつは、自分が内向型だと知って、でも「内向型ってよくないことだよね?外向型にならないといけないよね?」と自己否定の低空飛行をしばらく続けた先にあった。

質問にすぐに答えられない。大人数の場や知らない場所が苦手で疲れてしまう。考えすぎて同じことを何度もいつまでも考えてしまう。思ったことをすぐに伝えられて気づけばすぐに初対面の人とも仲良くなっている人と自分を比べては、自分に"ない"ものばかり見ていた。「私もあの人たちみたいにならないと成功できない」と焦るばかり。もっと幸せになりたくて、人生を楽しみたくて、がんばっているだけなのに、空回りして息切れしそうだった。

それでも自分を諦めたくなくて「内向型」について調べていくうちに、遺伝的な要因もあること、脳の構造の特長の違いだということが分かって。内向型ゆえに生きづらさを感じたことや傷ついた経験もあったけれど、感謝されたことやうまくいったこともあったと、反対側に光を当てて思い出すことができて。「内向型と私は切っても切り離せないんだ。」「私を構成するひとつの大切な要素なんだ。」と肩の力が抜けた瞬間、心がふわっと軽くなって、ゆるやかに上昇した気がした。

「内向型の私サイコー!」とテンション爆上がりな感じじゃなく、「こんな自分も悪くないかも」「苦手なことも弱いところもあるよね」と静かにお茶をすすって座ってる感じ。私が少しずつ育んでいるのは「自己受容感(Self-Acceptance)」だ。

自己受容感が重なっていくうちに、自己肯定感が高いとか低いとか気にしなくなった。「意識しなくてもまあいいのかな」と、「自己肯定感高い人間であらねば」マインドが緩んだ気がする。(学術的に正しいのかは横に置いておく。)

自分に"ある"もの、他人に"あるもの"に目を向けようと思える自分でいたい。そんな風に思えない日もあるけれど、それもまた私なんだ。


読書と手帳が好きなので、本や文具の購入に使わせていただきます♡