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演劇制作とわたし

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舞台・演劇の公演で「制作」と呼ばれる仕事をしている私が日々その仕事と向き合って思ったことをまとめています。 形があるようで形がないものを作る仕事は、時としてその価値が不明確になり…
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2018年8月の記事一覧

女物のカバンの小ささに折り合いをつける

小さいカバンで出かけたいんです。 大きいカバンで出かけたくないんです。 でもチラシ渡されるんですよね!!! なので折り合いをつけたい。 だがしかしチラシは折りたくない。 チラシって折りたくないんですよ!?!? というわけで導入。二つ折りにしなくても持ち歩けるファイル。 袋に入れてくれる公演ばかりではないからなかなかに難しい。チラシはいらない人にとってはゴミでしかないし、会場を借りているだけの団体にしても余りチラシの処理は面倒なものだし(返却してくれってところもあるし)そ

些細なことかもしれないけれど

「使うものにお金をかける」というのはどういうことだろう。 例えば日々使うものだから安く大量に買ってガンガン消費するというのも一理ありだし、たまにしか使わないからそんなにお金をかけないというのもあり。 毎日使うからこそそこに費用をかけたいというのも一意見。どれもその人なりのポリシーだ。 「制作」なので、お金を渡したり渡されたりする仕事だ。チケット代を受け取ったり、ギャラを支払ったり、小口で買い物をお願いしたり。なのでこの仕事、封筒は欠かせない。メモ欄の多い銀行の封筒は簡単に手

フリーの役者だったら準備しておきたい、書類で弾かれないための資料準備

オーディション談義。 なんでこんな話をあげてるかというと、こちらは案件に接しているにも関わらず、書類がないからとかって理由で推薦・紹介できないことがある。そもそも候補として提案するならば、その人の情報をその人のことを知らない人にも簡潔に資料としてまとまった状態で転送しないと話にならない。メール本文直打ち資料とか、明らかに情報の共有に向いてないだろう・・・ 「自分」の棚卸し私たちが美大にいた頃、「ポートフォリオ」を作れと言われていた。まとめるのは本当に苦手だったし、今も作り

その製作のプロセスさえも宣伝にするということ

正直、小劇場の「作品やります!来てください!」の宣伝している期間って短すぎやしないかと思う。チケットの手売りなんか最後の1〜2ヶ月でいける、と言ってる人もいるけれどそんなに売れてるのか?と効果を疑ってしまうし。私に言わせりゃ、「1ヶ月前にスケジュール空いてる?って聞かれたところで予定なんざ埋まっとるわ」って話だよ。ミュージカル見にいく人なんか半年先まで埋まってるやん!!! 商業舞台だったらもう1年先2年先の予定すら出してしまうけれど(「上演決定!」という感じで)流石にそのス

アンケートから展開したこと

アンケート論議3回め。 じゃあ実際のところアンケートに対して何やってるの?というところ、の個人の意見について。 ◎公演案内を送るこれは比較的どこの団体も導入している、しやすいと思う。難点は「案内不要の場合、もしくはメール切り替え希望の場合の連絡方法」が書かれてないことが多いこと。私が気がついてないだけかな。 ◎お礼状を送る有名どころだとタカラジェンヌ。 タカラジェンヌの個人のチケット販売はかなりアナログ手法。公演が終わったらお礼状を送って、しかも手書きのメッセージ付きの人

アンケートって紙じゃなきゃダメですか?

アンケートって何で紙で書くことが前提なんでしょう。 私個人としては、アンケートは合法的にDMを送るための顧客リスト作成において同意を得られやすい手段だから、まず目的としては感想云々よりも「顧客リストの作成・整備のため」のもの。 ・・・・で、それを主眼としたときに手書きアンケートで発生しがちなトラブルとして「文字が解読不可」 結構あったよ!? 文字が解読不可になる要因って?まず、その場で回収しようとすることになる(後日回収がほぼほぼ困難、もしくはテンション的な問題)と急い

小林賢太郎のアンケートには◯◯の欄がない

部屋の整理をしながら過去のチラシ束を整理していたのだけれど、ひょっこり出てきたカジャラのアンケート。今年も観に行った。ここにあるってことは感想書いてないってことなんだけど!笑 すごい当たり前のように「公演の客席おきチラシ束にはアンケートが入っているものだ」と誰も信じて疑わないんだけど、アンケートの意義って何だろう。一つには「合法的に個人情報をゲットする」というところかな?DMとか欲しいっていう人いるし。私、本当に届くのかどうか試してるもの。性格悪くてごめんあそばせ!(ちゃん

制作だって、お客様から見られる仕事だ

たまには駄文じゃないけれどゆるいはなし。 あまり人に話すようなことではないけれど、仕事にかまけていると末端が荒れてくる。スタイリストさんや衣装さんたちが布に手の水気を吸われると話していたことがあったけれどそれと同じで、紙に手の水気を吸われる吸われる。台本やアンケートで指は切るわチラシは重いわもうカッサカサである。手折り込みの水分吸い取られる感じはひどい。配布前の台本コピーしててざくっと切ったことだってある。血痕ついてないか確認してからそのまま渡すけど!!!(ごめんなさい)

有料オーディションに思うこと

「なぜ」そのオーディションが有料なのかオーディションでワークショップオーディションって名乗って有料のところそこそこ見かけるんですけど、有料にしてる理由っていまいちよくわからないんですよね。500円とかなら場所代かな?とも思うんですけど、「じゃあそれぐらいなら主催者が持てよ」と思わなくもないし、むしろそれで多少でも売り上げあげようとしてるのかな?と単純な興味です。 確かに、オーディションの開催はコストがかかる。まず最低でも場所代だし、催行するに至るまでの手間ヒマだってあるし、

客席って、意外と見えてるらしい。役者から。

写真はさいたま芸術劇場。 よくよく考えたら、ここからの風景を見れる人間というのは限られているのだなと思った。スタッフは下見などで舞台の見学に行くし、楽屋からの裏導線なども確認しているから舞台上からの風景というのは見るけれどまあ特に業務モードだから淡々としてるし(演出が「張り出したいなーとかいってると」これ最前列どこまで入れられるかなーもしかしたら張り出しマックスまでやるの???客席数見切れとかどうしよって考えてる)きっとここにお客さんが入ったときの風景って役者しか見れない特

あなただけを待ってはいられない

制作の仕事は基本的に嫌われ仕事だと思ってる。人にとって耳の痛いことを言わなくちゃいけない。私だってそんなこと言いたくない。 でも、その人の行為が興行のためにならないことをやっているのであれば、諌める人間がいないといけない。それを言える立場の人間が座組内にどれだけいるのか。 たとえ雇われ制作であっても、言える範疇で注意しなきゃいけない、怒らなきゃいけない、それが仕事です。しかし全員いい歳こいた大の大人のコミュニティにおいてスケジュールを守れないとか日本の教育制度と良識の敗北だ

「やめる」という判断はとてつもなく重い

いやー、直前の公演中止&延期のトピックス、色々思うところありますね。 偶然同じ劇場で理由が偶然とはいえ同じ。しかもよくよくリリース見たら、中止になった団体の方は初日の2日前に発表、本来だったら今日の12日が千秋楽だったはずと。うーん、色々思うなあ・・・。しかも旅公演は上演するってさ・・・、炎上火だるますぎるプロジェクトにもほどがある・・・。 じゃあだからといって「公演の中止」というものが対岸の火事かと言われたら実際そうではないと思う。 「公演中止の判断をせざるを得ないシュ

なぜ台本は遅れてても容認されまくってるのか

脚本が締め切りまでに上がらなくて本人に締め切り言わせてもさらに破られること数度、というのが1人や2人ではなく結構な数今まで遭遇してきたんですけどはっきりいってもうこれ重罪だと思う。世の中は「締め切り守れ」とかっていってるけど「自称・アーティスト」の締め切り守らない病ってなんなの。ましてやもっと重大な納期である「公演」が立ちふさがっているのを前にして、だ! 台本の締切だけなぜ治外法権なのかまあこれは私が制作担当だからというのと、主に小劇場では劇団の主宰者=脚本・演出でありその

お気持ちはありがたいんだけれど、という話

お中元シーズンなのでおすそ分けいただいたお菓子を食べて小腹を満たしている日々。こういう贈答品を見ながら差し入れなりなんなりで持っていくブランドを自分の中でリスト追加していってる。 しかし、こんなこと言ったら顰蹙を買うのは重々承知だけど、言いたいことはある。 公演の差し入れとか本当に買うの必須じゃないんで別に買わなきゃ!ってならなくて大丈夫です。いただいたらお気持ちは嬉しいんですけど。 差し入れ実はスタッフが結構美味しくいただいておりますいやさー、役者さん宛てに届いた差し入