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テーブルまわりとおせち料理


 テーブルクロスやプレイスマットなどはお使いですか?
 テーブルクロスの歴史はとても古く、まだ歴史上にフォークが登場する前、8世紀頃のヨーロッパに起源を持つといわれています。その頃の人々は手づかみで食事をしていましたが、汚れた手をぬぐうために使用していたのがテーブルクロスだとされています。今でもフランスではレストランやおもてなしの食卓では白いテーブルクロスが定番ですし、イタリア料理のお店でもトラットリアより格上のリストランテでは使用しています。真っ白なクロスを汚してしまってはいけない、と少し緊張し、振る舞いやテーブルマナーにも気を遣います。
 我が家の場合、息子が小さい頃は和紙をプレイスマットに使用していました。息子と100円ショップで売っている和紙を、6枚に手でちぎってプレイスマットに。こぼしてもOK、手を拭いてもOK。使い終わりの綺麗な部分は、「本日のおこんだて」に再利用していました。大した料理は書いていないのですが、お店のマネをして、〇〇風とか、××を添えて、とか。楽しい思い出になっています。
 リネンや木製のものは素敵ですが、より取り扱いやすいPVC(ポリ塩化ビニル)のマットが主流になってきました。表面の汚れはふき取るだけで落とせますが、キムチやトマトソースなどは色素が沈着してしまいます。マットの色を濃い色にするなど工夫すると良いです。
 私はどんな気分で食卓を囲んで欲しいかで、テーブルマットの色を変えます。例えば朝ごはん。休日はゆっくり食べて欲しいので、グリーン系やオレンジ系。平日の慌ただしい時はダークブルーやグレー系を使っています。グリーンはリラックスする色、オレンジは食欲を増進する色です。逆に平日の朝はダーク系がお勧めです。ブルーは食欲を減退させてしまう上、鮮やかすぎて起き抜けには目にまぶしいので、ダークブルーを使っています
 クリスマスに向けて、テーブルセッティングを考えている方は多いのではないでしょうか? いつもの食卓をクリスマスカラーして、オブジェを飾って・・・。グリーンや赤のテーブルクロスにすると一見華やかなのですが、少し落ち着かない雰囲気になってしまいます。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、クリスマス柄のクロスを使いたくなりますよね。でも思い切ってダークブルーやダークグレーのテーブルクロスをかけてみてはいかがでしょうか? テーブルマットも無地の落ち着いた色にします。グリーンや赤はポイント使いに。そうするとお皿に盛り付けたお料理がとても映えますし、子どもたちは大人の雰囲気でちょっと背伸びした気分になり、食事をゆっくりと楽しむようになります。子どもたちの目線に合わせず、大人の空間を味わわせる、そんなチャレンジの場にしてみてはいかがでしょうか。
 レストランなどで、お子さんが大人しく座っていられないからレストランに行けない、と言われたことがあります。今年のクリスマスは大人扱いをして、テーブルマナーやカトラリーの使い方を教える機会にしてみてください。

 さて、おせち料理。皆さんは手作り派ですか? それともお気に入りのお店からのお取り寄せですか? もともとは一つ一つのお料理に長寿への願いや子孫繁栄、縁起物などの意味がありました。しかし洋風おせちや中華おせちなどの出現に加え、日常にもご馳走を食べる機会が増えた現代。「おせち料理」の役割は、改めて食べ物への感謝をしたり、家族との団らんを味わう、という心のあり方をリセットすることにあるような気がしています。
 私の母は仕事で忙しく、普段の食事作りは手をかけていませんでしたが、おせち料理は全て手作りでした。私はおせち料理のお手伝いが大好きでした。作ったお料理でどんどんテーブルが埋まるのがうれしくて、味見と称してちょこちょこつまんでいました。実家のおせちは、かき卵を寒天寄せにした「えびす」・くるみの甘露煮・鰤の照り焼きが、お煮しめや昆布巻きのかまぼこ・赤い渦巻きのかまぼこ・なますなどと一緒にお重に入っていました。きちんと教わったわけではないけれど、見よう見まねで結婚後はおせち料理を作ってきました。雑穀を加えてヘルシーに、また簡単に作れるようアレンジをし、新しいおせちのレシピを増やしました。最近はお正月を家族だけで過ごすことが多いので、お重には詰めずに塗りの器を使い、少しだけお正月風の盛り付けで、年越し気分を味わっています。  
 最後に、黒豆のお料理をご紹介します。「日本料理研究会」のレシピサイト(recipe-ru.com)によると、「黒豆を米研ぎ汁で一晩もどす。たっぷりの水に重曹をおちょこ一杯分入れ、火にかけて六時間ほどもどす。冷めたら分別し、水で茹でこぼす。水二升、砂糖一㎏の割合の蜜を沸かし、そこに蒸して熱々の豆を漬ける。翌日(中略)、さらに翌日、水一升砂糖一㎏まで詰めて蒸した豆を入れて(続く・・・)」。素晴らしいレシピですが、ちょっと荷が重いかも。私がご紹介するのはこうした正統派と違って、日本料理のプロの方や、こだわる方には怒られそうな作り方です。けれども面倒くさがり屋の私でも黒豆を煮るのが楽しくなり、正月以外でもたまに煮ています。そのままいただくのはもちろん、クリームチーズと和えたり、ケーキの生地に加えたりしてみてください。また、黒豆を一袋使い切れない時は、乾煎りして保存。白米と一緒に浸水させて炊き上げます。アントシアニン系ポリフェノールで、紫色が綺麗な黒豆ご飯が炊き上がりますよ。

黒豆のシロップ漬け(基本量)                               黒豆(乾燥) 150g                                                                   シロップ:水 400ml 、砂糖 200g、ラム酒又はブランデー50ml                 しょうゆ 小さじ1杯
① 黒豆は水洗いせず、フライパンにで揺すりながら弱火で10~15分煎る。
② 豆の皮がはじけてきたら水を加えて中火にし、フライパンのふたを少しはずしてかぶ せる。常に豆の上2センチくらいまでかぶるように水を足しながら一時間ほど煮る。
③水と砂糖を合わせて火にかけ、煮立ったらラム酒またはブランデーを加えて②の豆のお湯を切って加える。
④しょうゆを加えて混ぜ、火を消してそのままゆっくりと味を含ませる。
*日数が経つと味がしみてきます。シロップと一緒に召し上がってください。
楽しいクリスマスを! そして、皆様にとって良い年末年始となりますように。

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