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浮かぶ・浮かんでみた

アイソレーションタンクの体験記。

Facebookのライムラインで発見した「アイソレーションタンク」。
ステイホーム期間、何かが特段辛かったという訳でなかったのに、8月、人に会う機会が増えて話をする度に、実はめちゃめちゃストレスを感じていたんだ、実はしんどかったんだーと気づいた。
前後して、眠りが浅くなってきた実感があって、さらに人間ドックの結果で血圧の高め判定を目にして、自律神経が弱まっていると確信した。
そこで見かけた、アイソレーションタンク。
早速ググって、いくつかの体験記や実際に体験できる場所のWEBサイトを見てみる。「自律神経を整える効果が見込める」の文字に、これは体験するべし!!!と前のめり気味に予約コンタクトをとった。

アイソレーションタンク

わたしが伺ったのは東京・大塚にあるセルフロッテさん。

マンションの3階の1室。どきどきしながらインターホンを押す。
開錠されてお部屋に向かう。
見るからに物腰の柔らかい、オーナーのキリシロさんがお迎えしてくださった。

カウンセリング~いざタンクとご対面・耳栓との闘い

まずはリビングで事前のカウンセリング。
問診表にチェックを入れて、今抱えている不調や、体調なんかについて話す。
それから、タンクに入る前の準備、タンクに入ってからの注意事項、終了後について説明を受ける。

説明を受けて、いざ、タンクにご対面!!!
暗い部屋の中に、ドドーンと、セミダブルベッドくらいはある大きさの、白い箱。タンク。
なんか昔見た宇宙映画に出てきそうな感じで、既にテンションがあがる!
フタというか、入口がなんとも60~70年代のアナログ・スペーシーな感じがして萌える。
お手洗いとバスルームを確認したら、キリシロさんが笑顔で
「では、いってらっしゃい」

1人残されての初体験。事前に説明は受けたものの、少し心もとなく感じてしまう。
まずは全身をしっかり洗う。髪の毛もいくつか種類のあるシャンプーから選んでしっかり洗う。
タンクの部屋自体、暗い。
部屋の扉を閉めて完全に暗くするのが望ましいけど、見えないようにカーテンも敷かれているので、扉を少し開けておいてもそれは問題なしとのこと。
初回なのでなんとなく、部屋の扉は少しだけ開けておいてみた。

顔と耳の水分をしっかりふき取って、タンクの上に用意されている耳栓を装着。
親切に大・中・小と3種類。

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今まで耳栓をしたことがほとんどなかったので、ここで軽くプチパニックに陥るわたし。
まず、どっちを穴にいれるべきなのかが怪しい。
真っ裸の状態で、耳栓ごときでキリシロさんを呼びつけるのも気が引けてスマホでググることを思いつく。
でもどういう訳だか、めちゃめちゃ反応が遅くて、欲しい情報に行きつけない。
恐る恐るぐりぐりと装着してみる。
事前の説明で、溶液が耳に入ってしまうと結構大変なことになるので、耳栓だけはちゃんとするように念を押されていたから、どこまでが「ちゃんと」なのか、大丈夫なのか、おっかなびっくり。
右耳は、いい感じに装着できた。
左耳。なかなか栓が入らない。
綿棒を耳穴に入れた、数少ない体感を思い出してみると、左耳は、穴の道の向きからして曲がっているっぽかったことを思い出す。
ぐりぐりと、でも怖いので恐る恐る入れてみて、いざ、タンクへ!

・万が一目に溶液が入ると相当痛いらしいので、裸眼
・うっかり顔に手を触れて目や口に入ると大変なので、顔は乾いた状態でそのままキープ
・一糸まとわぬ状態で入る・耳栓はしっかりと

入~~水!浮く!

ふたを開けると蒸気を感じる。・・・といっても熱々ではない。
中は当然真っ暗。(閉所・暗所恐怖症だと難しいかも・・・)
どれくらいの広さなのか、どれくらい溶液があるのか目視できない。
溶液はすこしぬるっと&トロっとしていて、温度も人肌よりもぬるめな感じ。(水温はキリシロさんが、今までのご経験からその人にあった温度に抜群の調整をしてくださいます)
どうやら、水深20cm前後といったところか。
滑りそうになるので、慎重にまずは座り姿勢を試みる。
それからゆっくり、仰向けに横たわる。
浮く。
簡単に、浮く。
笑ってしまいたくなるくらい簡単に、自分の身体が浮く。

顔が濡れないように警戒しすぎて、最初は首に力を入れてしまっていたけど、こんなに簡単に浮くのだからと力を抜いてみる。
腕は好きなポジションを探って、フィットする姿勢を見つけてくださいとのことだった。
両腕を伸ばして、タンクのワイドを探ってみる。
全伸ばしの直前くらいの広さはある。意外と広い。
ポッコリお腹だけが水面から出ていて(苦笑)、なんかお腹が冷えそうな気がして、お腹の上に手を置いてみたり、普通に身体のヨコにしてみたり、バンザイしてみたり、頭の上で輪をつくってみたり。
バンザイしたときに、タンクの縁に手が触れる。
どこまでの長さなのか、足の方へ移動してみる。
身長160cmのわたしにとって、バンザイの状態でも、体感で30cmくらいは余裕がある感じ。

真っ暗な中、耳栓もしているので、ほぼ無音。
居心地のいい姿勢をなんとなく見つけて、いよいよ浮くことに集中。
自分の呼吸の音が聞こえる。
あるいは心臓の鼓動の音も聞こえてくる。
しばらくすると、頭のどこかで「ミシミシ」と聞こえる気がする。
MRIに入ったときの、あの工事音みたいな音も聞こえるような気がする。
不思議。
いろいろどーでもいいことが頭をよぎるけど、ここはパーフェクトな瞑想スポットなのだ!と聞きかじったマインドフルネス、呼吸に集中することを意識する。
雑念が浮かぶ。呼吸に戻る。の繰り返し。
時々、意識が遠くなって、自分の心臓の音でビクっと目が覚めたりする。
不思議なもので、お風呂ではないし、キリシロさんがつきっきりで温度管理をしている訳ではないのに、途中で熱く感じたり、少し寒く感じたりもした。
途中で左耳に水がしみこむような感覚を覚える。
不慣れな耳栓だから、もしかして!!と焦って一度タンクを出る。
プチパニック再来(苦笑)
どうやら気のせいだったみたいなのだけど、やっぱり装着は右耳よりも緩いのは自覚出来て、再度グリグリと入れなおす。
気を取り直してタンク。

浮いているのに、まるでマットレスに横たわっているような、重力というか、接点というか、重さを感じるのも不思議。
特に、両腕、腰あたり。
接しているのは液体なのに、腕と腰はそこだけ包まれている感覚が続く。
肩や脚は完全に浮いている感覚なのに。
眠ってしまう、というよりは意識が飛んだり、戻ったり、ずーっとうとうとした状態だった。
時々目を開いてみるけど、閉じているのと同じで真っ暗。
むしろ閉じている方が、光を感じたりすることもあった。
何度目かの、意識が飛んだか、飛びそうになる状態の頃、遠くから宇宙っぽいBGMが聞こえてくる。
終わりの合図の音楽だ。
90分、あっという間だった。
面白い体験だった。

90分終了!

手をついて、膝を立てて、ゆっくり重力を取り戻す。
ぬるぬるしているので、慌てるのは厳禁。
それから、ゆっくりとフタを押し開けて、立ち上がる。
溶液をふき取って、またバスルームへ行き、シャワーで洗う。
ドライヤーも用意してくださっているので、髪を乾かして、着替えを済ませて、リビングへ向かう。

キリシロさんが笑顔で「おかえりなさい」とお水を出してくれる。
いくつか感じたことをお伝えする。
どうやらどれも、身体の各所で調整をした証拠らしい。
シャワーを浴びた後ということもあってお風呂上りに近い感覚なのだけど、身体の内側がポカポカしているのがわかる。
そして、全身リンパマッサージをがっつり1時間とか90分とかのロングコースを受けた後のような、ほぐされた後のだるさというかもみ疲れというかそんな感じ。

わたしは1回では恐らく堪能/消化しきれないと思ったので、最初から90分×2回コースを選択済。
さずが、我ながら自分のことはよくわかっている!と思う(笑)。
耳栓の一件で集中しきれなかったリベンジと、やっぱり初回は緊張もあるから(特にわたしの傾向としてなんでも構えちゃうから)、終わった時点で次回が楽しみで仕方なくなった(笑)

この日はできるだけ、食事もそのままとらずに、眠いだけ寝てしまうのがいいとのお話だった。
確かに食欲も起きなさそうだし、このまま寝るのが気持ちがいいに違いない、という感じだった。
自宅に戻って、爆睡したのが1回目。

2回目:10月某日

約1か月後に2回目を体験。
1回目終了の時に「女性の場合、生理が早まることもあるので、ビックリしないでくださいね」とお聞きしており、それも加味して予約日程を調整した。
普段、生理は順調な周期なのだけど、今月は予定日になっても気配がない。あまりずれ込んでしまったら、タンクの日程変更も考えなきゃならない??えええーーーーと思って過ごして、結局来る気配がないまま2回目の日を迎えた。
(タンク後、キリシロさんにその旨を話すと、身体が不要と判断したんでしょうね、とのこと!)
1回目の体験以降、何か劇的に身体に変化は起きた感じはしなかった。
即効性を求めるものではないと思う。
強いて言えば、1週間か2週間か経った頃、元々快腸なほうなのだけど、さらに急に便通がよくなって体重が少し落ちたこと、かな?

2回目は玄関でご挨拶後、「2回目ですもんね」とそのままタンクのお部屋へ。
笑顔で「いってらっしゃいませ」と言われ、粛々と準備に入る。
耳栓問題。
右耳はカンペキにすっぽり入った、気持ちいいくらいしっかりと。
左耳はやはり思うようにいかない。
右耳ほどの安定感を得られるまで、何度も試行錯誤。
ようやくすっぽり収まって一安心。いざ、タンクへ。

1度経験しているということはなんと心強いのだろう。
特にわたしにとっては、わたしの習性として「勢いはあるけど、本来超ビビリである」ことを再確認する場面(笑)
耳栓もバッチリなので、安心して溶液に身をゆだねる。

今回は、無音状態が長かった。
「シーン」という音のない音。
時々、古い家電製品の通電音みたいな「ジーーーーー」とか「ブォーーーーーーーーーン」みたいな音。
意識が飛びそうな前後に、トンカントンカン、大工さんみたいな何かを叩くような音。
目を瞑っているのに、右側から雨のような光線を感じたりもした。
前回以上に、背中から腰にかけての重力。
あと、股関節付近、おそらくは子宮付近に違和感。

雑念が浮かんでは追いやってを繰り返し、またしてもあっという間の90分。

1回目・2回目ともに体験したいろいろは、疲れが溜まっている箇所・本調子ではない箇所について、自身が本来もつ、自然治癒力が働いているあらわれなのだそうだ。
2回目はどんぴしゃだった。
常々だるさを抱えている背面であり、スキップになった生理の発端(?)の場所だし、今年に入ってから目の疲れやすさは加速しているし・・・。

身体のあちこちに小人たちが潜んでいて、一生懸命修復している様子を勝手に想像すると、自分の身体のあちこちがいとおしく思えてくる。
ガンバレー!わたしのカラダーーーーー!」って。
トンカントンカンという音は、キリシロさんも体験されたことがあるらしく、ちゃんとカラダが調整しているあらわれとして、「いいですよ」とお墨付きをいただいてなんかちょっと嬉しかった(笑)

感覚遮断。

視覚・聴覚・重力。
時間の感覚もなくなる。
普段全く意識していないけど、身体を覆う皮膚も温度や触感やらフル稼働しているんだと、タンクに入ってみて気づく。
普通に暮らしていれば、嫌でもいろいろなモノを目にし、ましてやベッドに入って睡眠直前までスマホを見たりして、外部刺激を受けすぎている。
意識的に、無意識に、取り入れている情報の量はハンパない。
食事も、ここ数年はできるだけお腹の空き具合を自覚してからとるように意識はしているけど、12時になったからお昼を食べる、夜家に帰ったから夜ご飯を食べる、と機械的にとっていたら、身体の消化不良が起きるのは致し方ないことだと思う。
全てが消化不良のままで、いざ睡眠、やっと脳から消化器から調整に入る時間がとれると思いきや、入眠が浅くて結局本稼働まで時間がかかりすぎて、ようやく!のところで目覚ましが鳴る、みたいな現代人の生活。
消化不良を繰り越していけば、そりゃ負債もたまるわよね。ごもっとも。

瞑想を習慣づけるように、ことあるごとにいろいろな方からアドバイスをもらい続けて早10年近い。でも、なかなか、なかなかできない。
だいぶ図々しくなれてきたけど、匂いや音が気になって仕方ないし、どーでもいいことがポンポン頭に浮かんで集中できないし。
あるひとには「頭をつかわない時間を作った方がいい」と言われたものの、なかなかどうして難しい。
わたしみたいなタイプは、ある意味で強制的に遮断された環境が適しているのかも。
このタンクのように。
少なくとも2~3か月に1回は、通おうと思う。

浮かんでみた

以上、2回の体験記でした。
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写真はこないだ近場トラベルしてみたハイアットリージェンシー横浜にいたデロデロくまさんズ。脱力ぶりが「浮く」感じなのでw。

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