「学歴もスキルもあるのに、パート主婦って、もったいないよね」という言葉にモヤモヤする
昨日、高校時代の親友と久しぶりに会った。
お互い、田舎の公立高校から大学進学し、結婚して、首都圏で子育てをしていて、みんな主婦。
なんだかんだ忙しいので、仲良しの3人で集まれたのは5年ぶりだった。
1.大卒なのにパート主婦ってもったいないよね。って誰よりも自分が思ってる。
田舎の公立高校から都会に進学したわたしたちは、要は大卒で、いちおう新卒で就職をして、そのあと社会人期間はそれぞれ違うけれど社会人をやって、結婚して出産して、仕事を辞めて育児をしてきた。
近くに頼れる家族がいないわたしたちは、育児も気軽な預け先がなかったり、相談する相手がいなかったり、それぞれの場所でなんとか子育てを頑張ってきて、少しずつ手が離れてきてパートを始めて、みたいな環境も似ている。
そんなわたしたちのようなアラフォーからアラフィフ主婦層によく言われるのが、
「大卒でスキルあるのにただの主婦で、いまはパートなんてもったいないよね」みたいな話。
悪いけど、他人に言われなくても、わたしたち本人が一番そう思っている。
大学まで出たのに、それを活かす機会もなくて、ただ年老いていく。それってなんかもったいないよね。でも、じゃあ、どこで、どう自分を活かすのだろう??って、自問自答する。
その答えがなかなか見つからないまま、なんとなく老いていっている人がほとんどじゃないか?と思う。
2.家事育児に学歴は関係ない
大卒だろうがなんだろうが、育児というフィールドは学歴不問だ。
そりゃ大卒だから子どもに与える教育が違うとか、そういう「子育ての質」みたいな違いはあるかもしれないけど、リアルに「人を生かす」ための策である、おっぱいあげてウンコ変えて食事作って、みたいな、日常の生活の世話をするという意味では、母という生きもの全員が同じ土俵にいるわけで。
なんなら若いほうが無理が効くし、体力勝負みたいな要素もけっこうある。
わたしのように、30半ばで出産して、目の前の命が、それっぽい人間になるように、社会に出て独り立ちできるように、なりふり構わず必死で育ててきたら、気づいたら40半ば。
それでもまだ子どもに手がかかるし、食事など日常生活の家事があったり、子どもの学校行事やらなにやらあって、その中で少しでも仕事をしようと思うと、できるだけ近場で、時間の融通が利いて・・・という条件になる。
そうなると、やはり最低賃金の時給で働くパートが第一選択肢になるのだ。
わたしがパートしているお店でも、大卒の主婦はいるし、話を聞いているとやっぱり家事と育児と両立させるためには、近くて気楽で、有事の際には休めて、あまり責任がない仕事。ということで選んでいる。わたしも然り。
それでも子どもが小さいと、熱を出したら休めるかどうか??とかで採用されないとかもよく聞くし、わたしはそれが嫌で子どもが小さい頃はパートするのさえ躊躇していた。
この映画を観たときも、似たようなことを思った。
3.在宅や個人事業に試行錯誤
うちの息子は、ひときわ手がかかったので、小さい頃はなおさら勤めに出る気になれず、息子が低学年の頃には家で出来ることを模索して、在宅ライターとか、ブログで集客して講座を開催する個人事業をやってみたりとか、子どもを見ながらできることを試行錯誤していた。
それでもやっぱり、家に子どもがいるときには仕事に集中するのは難しいわけで、在宅で仕事、ということの難しさも痛感した。
時間管理が苦手なわたしは、オンとオフの切り替えがしにくく、家で子どもの世話もそこそこにブログを書いたり、子どもの相手をしながら集客のことを考えたり、とどっちつかずで気もそぞろなことも多くて、なんだかなぁと思っていた。
わたしは自営業の家庭で育ったが、旦那は堅物サラリーマン。リスクを取らないタイプなので、毎月必ず安定した収入がある仕事しか信用していない。
なので、わたしが在宅ライターだとか、個人事業で講座をやるとか、すべて「怪しいことをやっている」という視点で見ていた。
わたしがわたしを取り戻す、とか、自分でお金を稼ぐ、とかそういうことに焦点を当てていることを話しても、「たいして稼げてないじゃん、実際w」みたいな感じでハナで笑われていた。
「だったら肉が柔らかくなる方法でも検索しとけよ」とも言われた。めちゃくちゃ悔しかった。
経済力、という力のなさを見せつけられた気がして、言い返せなかった。お金がなければ何もできないんだもん、それは事実。それでも、お金にならないことを頑張っていたわたし。その台詞はいまでも思い出すほど悔しい。
4.在宅で頑張っていたわたしもパート主婦に
そんな悶々と過ごしていた時期からもう少しときが経ち、子どもが中学受験の塾に缶詰めになったので、思い付きでパートを始めた。
自分だけが頼りの個人事業や在宅に比べれば、仕事仲間がいて、接客の仕事で刺激があって、気分転換にもなることに気づいた。
わたしは特にハッキリと成果が出ることが好きなので、家のことや育児など、褒められないとか、金にならないとか、はっきりとした成果が出ないという主婦業はとても悶々としていた時期だった。
時給なんかそっちのけで、やりがいを感じて、仕事を効率化しようと頑張った。時給は上がらなくたって「この人は仕事ができる」という評価をもらえる。
家事ではさっぱり評価されなかったので、久々の仕事は楽しかった。
主婦は、けっこう大変な「家事、育児」という業務を「やって当たり前」とされていて、評価も低いんだなぁ、とパートをしてみて気づいた。
5.「母親なんだから」の重み
育児に関していえば、母親の責任はとにかく重い。何かあれば母親のせいだ。父親はボンクラでも「仕方ないわねぇ」で済むのに、母親はどんな理由であれ母親になれば「母親でしょ」と言われる。
さらに専業主婦なんかになったら、なにかにつけて「家にいて暇なんでしょ」とか言われる生活。他人のお金で生活できるのだから、文句言うなという感じで、不満を言うことさえ禁じられる。
悠々自適でいいわねぇと思っていた専業主婦にもマイナス面が結構あって、性格的にも向き不向きがあると知った。
じゃあ働きたい、と思ったところで、子どもの世話がなくなるわけでもなければ、家事を免除されるわけでもない。
自由度の高い勤務日数や時短勤務で、時給が高い仕事なんか、めちゃくちゃ探したけどない。そして都内まで出れば高時給でスキルを買ってくれる企業はあるけれど、だいたいフルタイム勤務。
子どもは手をかけなくても育つという人がいるが、それはその子によると思う。そしてやっぱり手をかけたらかけたなりのこともあるし、育てている側からしても、せっかく生んだのだもの、しっかり関わりたいと思う気持ちもある。
そう言うと「自分で選んだ人生なんだから」と自己責任論が出る。旦那なんて、愚痴をこぼせば「だったら産まなきゃいいじゃん」というそもそも論で返されるのでHPがダダ減りする。
旦那さえ味方にならないとなると、同類の主婦同士で吐き出すしかない。
で、家族を送り出した後の昼間に、主婦同士で集まって話していると、「旦那の金で遊んで」とか言われるわけですよ。
そんな感じで、割と頑張っているのに「ヒマ」とか言われがちな主婦は、わたしからしたら社会的弱者で、軽く見られやすいし、なめられやすい立場の分類だなぁと思う。
6.育児を経験したからこそ活かせる道は?
だが、そんな「主婦」という社会的弱者の立場になってみて、理不尽なことをたくさん経験して、ただのおばさん主婦になったわたしたちは、実はかなり人間的に成長していると思う。
だけどその子育てを終えたあたりで、いざ何かしたいと思っても、体力がついてこないこちら側の事情と、年齢のせいとか、ブランクがあるから、どうせなら若い子を採用したいという雇う側の事情で、結局高学歴だろうがなんだろうがいったん仕事を辞めた主婦というのは、よほどのバイタリティがないとキャリアとか仕事とかで浮き上がっていけないのが実情だと思う。
そういう状況が日本だけなのか、欧米諸国もそうなのか、そのあたりまでは調べてないのでわからないが、とにかくなんだか子育てもプレッシャーがすごいし、頑張って育てた後には用なし的な扱いを受けるこの風潮、なんとかならんかな。と思っている。
周りにいる同世代の女性でも、やはり大卒でそれなりに仕事ができて、気配りもできて、という人は結構いる。子育ては忍耐力が必要なので、若い子にはない寛容さも身についていると思う。それでも活躍の場がないまま、能力を持て余して還暦を迎え、地域でやってる語学講座に参加する、とかボランティアに参加する、とかその程度でくすぶっているのが本当にもったいないな、と思う。
仕事を辞めて、主婦をして、子育てという経験をして、成長した自分を活かせる、アラフィフ以降の女性の生き方って、もっと豊かで、選択肢が多くていいと思うんだよなぁ。
7.育児が終わった後の女性のスキルを活かせる場所を探す
だからわたしはその道を見つけてみよう、と思う。
育児で、自分以外の何かに振り回されてきたこの経験は、けっこう大事な成長ファクターだ。だいぶ人間的にキャパが広がった気がする。
辛酸をなめた経験も増えたからこそ、いろいろな視点でものごとが見られるようになった気がする。
最近、一部の企業が「主婦ならではの気配りを活かせる正社員雇用」とかいって、驚くほど激安の給料で正社員雇用する、とか言っているが、そういうことではない。
主婦は安く使えるんだろう、ということではなく、そのスキルを高く買ってもらうためには、どうしたらいいんだろう?と考える。
言っておくけどわたしたちは使い古しの雑巾じゃないんだよ。「まだ使える」じゃなくて「今だからこそ活かせる」何かを見つけたいんだ。
このnoteも、その経験を経た、わたしのフィルターを通して伝えられることを書いていこう、そしてその先に、もしかして書くという仕事があればいいな、という気持ちで続けている。
いろんなところにアンテナを張って、それこそうちの旦那のように、ひたすらサラリーマン生活ではなく、さまざまな経験をしたからこそできる仕事とか、働き方を見つけて、それをこれからの世代にも伝えて行けたらいいなぁとおもう今日この頃だ。
まだまだ、ただのアラフィフ主婦で終わる気はございませんぞ。
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