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専業主婦だった私が12年ぶりにパートで社会復帰したら、めっちゃ生活に張りが出てイキイキした話

今のパート先で仕事を始めてから、
早いものでもうすぐ2年になる。

ほんとは、息子が小学校卒業するくらいまでは専業主婦で家にいながら在宅ライターやSNS起業など家でできることをしていて、育児が落ち着いたら仕事を探そうと思っていた。

だが、いろいろと方針が変わり息子を中学受験させることになり、うっかり小6の夏期講習は朝から晩まで息子は塾に缶詰め。

ひょっこり空いた時間に、ふとパートでも探してみようという気になり、求人フリーペーパーを眺めていた。

すると、たまたま自宅から徒歩3分の場所にお店ができることになり、オープニングスタッフを募集していて、ひょっこり申し込んでアッサリ受かったのが始まりだ。

独身時代に新卒から正社員を約10年(2社)やって、久々の社会復帰だ。

実に12年ぶりの社会復帰で、立ち仕事。衰え切った体力が持つか不安だったり、10年のブランクがあってもやっていけるのか、など、いろいろ不安はあったが、いざ始めてみたら、これがなかなか楽しくなってしまった。

悩める育児と、苦手な家事。認めてもらえず、鬱々としていた主婦生活


結婚して専業主婦になり、慣れない育児と苦手な家事に追われる毎日。せっかちで勝気なわたしにとって、「やりがい」を感じられることは、日々の活力になるのだが、いかんせん家の中の育児と家事は、ディスられることはあっても褒められることはほとんどない。しかも、家の中のことは他人様には見えないので、褒めてくれる可能性があるのはただ一人、旦那だけだ。

だからといって旦那が毎日の家事と育児をほめてくれるかと言えば、そんなことがあるはずがないのは想像に難くない。もともと旦那は無口で、家事と育児など「母親ならやって当たり前」な人である。

そんな相手に認めてもらえると思ったのがわたしの大きな勘違いだったが、実際の生活も当然、「やって当たり前」スタンスなので、いくら頑張って、頑張ったことをアピールしても「ああそう」程度である。家事は毎日のことなので、逆に「そんなにアピールされても」的な反応になり、ついには専業主婦の旦那あるあるのトドメとなる「ずっと家にいるんだからそれくらいできるだろ」攻撃を食らい、息子が小さいころは育児の悩みも人に相談できず、家事もうまくいかず、誰にも評価されない、ほんとうにしんどい時期だった。

正直、今まで仕事でさまざまな人と関わり、ケンカし、ディスカッションし、結果を出し、それに見合った給料をもらっていたわたしは、誰にも褒められず、ただひたすら内側に向いていく育児と家事だけの生活は息苦しかった。当時流行りだした「自己肯定感」という言葉に敏感に反応し、自己肯定感が低いと、わたしのようになりやすいと聞き、自己啓発セミナーを受け「自分をほめる」なんてものを学んだりした。

あれこれ迷走し、自分が旦那に認められないことが悲しくて、必死で旦那にわたしを認めてもらおうと頑張っていたあの時期の自分を抱きしめてやりたいくらい必死だったなと思う。

自己啓発も依存するというよりは、本気で自分をどうにかしたかったので、自分なりにいろいろな講座に出かけて勉強した。心理学の聞きかじり的な話やコーチングな勉強ができたので自分の糧になり、SNSを使って講師業までやるようになったので、それはそれで得るものが大きかったと思う。

だが、そんなに苦しみもがき苦しんだ「認められたい欲」は、パートに出ることで一瞬で解決した。

狭い主婦の世界から、刺激まみれの世界へ

社会と切り離されていた12年のブランクや同僚との年齢差など、不安要素がたくさんあったが、別にどうってことなかった。逆に今までは子どもとママだけの世界にいたのに、お店にいる異年齢のスタッフや、次々にお店に来るさまざまなお客様とふれあうのが楽しすぎた。

しかもわたしは小さいころから両親について現金商売の販売業を手伝っていたこともあり、割と忙しい時の処理能力が高いため、店舗系の接客も結構慣れるのが早かった。

パート先の上司はひとまわり以上年下、同僚には主婦はもちろん、自分の子がちょっと大きくなったくらいの年齢の大学生もいる。

人間ウォッチングが大好きなわたしは、パートを始めてすぐのころは、ときどき来るクレーマーでさえ刺激的だった。(いまはもう嫌だが)

今まで育児してきた10年以上、関わるのはママ友、先生、そしてSNS起業では、ひとりなので同僚はおらず、関わるお客様はわたしのことが好きで来てくださる。なので、どんな同僚と一緒になるかどんなお客様が来るかわからない無選別状態、つまりこれぞ社会!に出るのが久々だったのだけど、こんなにたくさんの刺激に触れられるなんて、なぜ今まで専業主婦にこだわっていたのだろう?と思った。

今までずいぶん狭い世界にいたのだなあ、と実感した。


話のネタが増えた

パートを始めて感じた大きな変化は、ママとして専業主婦でいたころに比べ、話のネタが豊富になったことだ。

育児だけの世界にいると、基本、話のネタが子どもと旦那、家の話しかないだから、おのずと、他人の噂話などがネタになりやすい傾向にある。しかも同じ学校や地域だと、価値観も近い。

でもさまざまな立場の人と一緒にいると、同じ主婦でも若くして結婚してお子さんがいる人や、うちより小さなお子さん、大きなお子さんがいる方とさまざまだし、もちろん育児中の専業主婦では、めったにお目にかからない独身男性や大学生などと一緒に仕事することになる。

そして接客業なので、いろんなお客様と接することになる。

これがルーティンに飽きてしまい、新しいことが大好きな私には、超刺激的なのだ。

わたしの日常には、今まで10年以上、子どもと旦那、そしてママ友しか登場しなかったのに、そういえば世の中こんなにいろんな人がいたんだっけという発見。

SNS起業では女性のアラサー、アラフォー世代とのかかわりがメインだったので、人とのかかわりはあったけど、それでもかなり限定的だったことに気づいた。

それはそれでとっても快適だったのだけど。


自分の人間的成長を実感


そして、久々に社会に出て働いてみて、会社員時代の自分に比べて、めちゃくちゃ自分の人間的成長を感じる。

会社員時代は若さもあったし、「自分は仕事ができる」みたいなプライドなどもあったのだろうが、何かあるとすぐに「あの人は仕事ができない」などと言って攻撃的になっていた。

だが、久々の職場は、オフィスワーク時代に社員で働いていた頃と、店舗のパートなので職種の違いはあれど、なんだか、だいたいのことが許せるようになっていたのである。

オフィスワークに比べ、店舗系のパートは学歴不問で、学生もいる。なので、仕事を覚えるスピードや理解力の幅は、オフィスワークよりもさらにレンジが広いように感じる。

だが、思い通りにならない育児と、思い通りにならない旦那とのコミュニケーションに苦悩し続けた主婦12年間の経験がここに来て生きたのか、

昔なら、「あいつ仕事できない」とかディスっていつも戦闘態勢だった私はどこかに行き、仕事できる人もできない人もいて、その中で本人たちが得意な部分を活かして仕事すればいいんじゃないかと、すごい余裕のある気持ちでいられる自分がいる。

ぼんやり男子の大学生も、自分のマイペース息子を見ているせいか、あまり腹が立たない。というか、男子の学生なんてこんなもんだ、と暖かいまなざしを送っている自分がいた。

もちろん、責任のないパートでの勤務ということもあるし、たまたま思い付きで応募した職場なのに店長は若いのに人格者でとても良い人だし、同僚もいい人ばかりで、環境にも恵まれたせいもあるとは思う。

でもきっと同じ環境に昔のわたしを置いたら、もっと好戦的でうざかっただろうなと思う。

昔は自分は仕事できると思ってたのに、仕事の相談されたこともないという残念な感じだったが、最近はえらく頼りにしてもらって、おばちゃんパワーを発揮しまくって楽しい日々だ。人生の経験に無駄はないというが、想像以上にしんどい結婚生活、育児生活をした12年で、自分がずいぶん成長したなと思った。

もちろん楽しくやれるように、雰囲気よく働けるように努力はしているし、自分なりに配慮もしているが。

採算度外視で、自分がやれることを精いっぱいやる

だって私みたいなオバチャンは、重いものを持つとすぐ腰に来るし、老眼で品番は見えにくいし、体力とかでは、若者に比べて使えない。

でも、お客様との雑談や、主婦ならではの気配り、処理能力の高さは、男性や若い子にはないものだと思う。だからそこを活かして自分なりに頑張ろうと思っているし今までの仕事経験がいきる分野の仕事には手を挙げて、できるだけ職場に貢献できるようにと思ってやっている。

ちなみに時給は県の最低賃金だ。まだ社会人経験のない大学生と同じ給料だ。だけど今まで「やりがい」に飢えていた私は、給料が安いからといって手を抜く気になれない。

一緒に入った男性のパートさんは、社員で働いていた会社を退職しここに来たようだが、「こんな安い賃金なら手を抜く」とぼやいていたし、実際やる気が出ずに数か月で辞めて行った。

けれどわたしはその考え方がどうにもしっくりこない。

最低賃金のパートでも、一生懸命仕事を覚えて、できるだけ貢献できるように頑張れば、結局そこでのスキルはキャリアにつながる。これだけ非正規雇用が多い社会で、パートでの仕事経験は当然キャリアシートに書ける。だから、キャリアシートに書けるくらいの仕事をして、最低賃金だろうがなんだろうが、給料をもらいながら、自分のスキルが磨けるなら大儲けではないかと思っている。

そういう話を先の男性にしたら、「僕にはその考え方はできません」と言っていた。それは人に寄るし、価値観にもよるのだろう。

けれど、一生懸命やっている姿は、周りが意外ときちんと見ているものだ。その積み重ねが「信用」になる。信用はお金では買えない。いい加減にやっている人にはいつまでも信用がつかないし、そうやっていい加減にやっている人に限って「信用してもらえない」などと愚痴をこぼしがちだ。

あからさまなブラック企業にぶつかった場合はさておき、どんな場所にいても、自分のできることをしていく姿勢は大事だと思って仕事をしているが、こういう気持ちで仕事に臨める自分はとても成長したと思うし、自分をほめてあげたいなと思う。

いいことばかりではないけれど

もちろんパートをしているデメリットもある。時間の融通が利かなくなったり、アラフィフの身体にムチ打って立ち仕事をしているので疲れが取れなかったり、自分のフリータイムが減ったり。

もちろん時間を切り売りしているのだから、物理的に自由な時間が減るのだが、頭が常にあれこれ考えてしまうわたしは、暇すぎると無駄に心配ごとを増幅させたりしてしまうので、もしかしたらこのくらい忙しく、このくらい疲れているほうが余計なことを考えずに済んで、精神衛生上良いのかもしれないと思った。

時間はないけど、ネタはあるので、ブログだって書ける。

人間ウォッチングが好きなので、ちょっと不思議な人を見ると、その人がどういう思考回路で行動しているのか考えたりするので、パート先の人のこともついつい書いてしまう。

悶々としている専業主婦は勇気を出して外に出てみよう

こんな感じでわたしは、専業主婦に12年もこだわり続けていたのに、パートを始めたら忙しさや疲れはあるものの、精神的には明らかに元気になった。

生気が戻ったというか、息を吹き返したというか。わたしには家の中だけではやはり息苦しかったのかもしれない。もちろんそれは人によるし、専業主婦が向いている人もいて、そこに幸せを見出せる人もいる。ただ、わたしの性分には向いていなかったようだ。

わたしのように、家事が苦手だが仕事の処理能力は高い、とか、勝ち気で評価されるのが好き、なんていう人が専業主婦でエネルギーを持て余しているとしたら、時間のやりくりができる範囲で、ちょっと思い切って社会復帰してみたら意外と新しい発見があるかもしれない。

もちろん金銭的にも、自分で稼いだお金というのは、旦那にもらっているお金とは一味もふた味も違う。

実際にパートに出たら、子どもがまだ幼稚園だけど少しだけ働きたい、という人もいて、パートに出たら子どもとの時間がなくなってしまう、と思いこんでいたが、探せばそうでもなかったのかも、と思った。そして、実はけっこうパートというのは、子育てや家事に追われる毎日の気分転換にもなっているのだな、と思った。

いままた、パート先のお偉いさんが変わり、さらにできることをしていこうと現場からの声として業務改善の提案などをしてみたり、できることは精いっぱいやってみようと思っている。

仕事でやっている提案のこともまた次回に書いてみようと思う。一介のアラフィフ主婦だって、いや、アラフィフ主婦だからこそ、やれることはたくさんある。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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