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子供が嫌いな野菜をみじん切りにしてこっそりハンバーグに仕込むのに違和感を覚える件

子育て中のママが陥りがちな
「好き嫌いをなくす」というミッションに違和感を感じる。

特に「野菜を食べない」というあるある。

ひとくちに「野菜」といっても、いろんな種類があるのだが
だいたい、子どもが嫌いで、ママが何としても食べさせたい野菜って
「にんじん」とか「ピーマン」とか、クセの強い野菜。

あんなクセの強いもの、嫌いになる方が普通だと思うんだけど、なぜか日本では、小さなころから、にんじんとピーマンを是が非でも食べさせなくてはならない「圧」みたいなのが漂っていて、それに違和感を感じる。

にんじんとピーマンを一生食べずにいても健康な生活を送れると思うし、その二つの食材を食べないことで栄養素が不足するのであれば、それに代わる食材を見つければよいのだ。

そして、あまりにも食べさせたいがために、にんじんとピーマンをこっそりハンバーグに入れて子どもに食べさせて「やったぁ」となっているのを見かけるが、それも猛烈な違和感。

もはや子どもへの、というか、人への裏切りではないか。

わたしは昆虫が大嫌いで、もし食糧難で「昆虫を食べましょう」という話になっても絶対に食べたくない。だけど是が非でも食べさせようとする人が、わたしの好きな食べ物にこっそり昆虫を細かく砕いて入れて食べさせて、裏で「やったぁ」と言っているのを知ったら、その人を一生恨む。

昆虫がどんなに栄養価が高くても、どんなにわたしのためを思ってやったとしても、その人には不信感しかない。絶交だ。

大げさかもしれないが、そんなことを自分の子どもにしたくない。

そして、その「こっそり仕込む」ことで、にんじんとピーマンを食べさせることには成功したが、それは濃い味付けのハンバーグにぶち込んで素材の味を消しているから「入っているのが分からなかった」というだけで、にんじんとピーマンを食べられるようになったわけではないし。

まあ、うっかり食べちゃって「ほら、食べられたじゃん」「やったぁ」という素直な性格の子どもなら成功だが、わたしのような性格の子どもだと、そうはいかない。

嫌いなものは、嫌いなままだ。

だから、にんじんとピーマンを「食べられるようになる」とか「好きになる」という問題は何も解決していないと思う。

そして、好き嫌いは、よい悪いではなく、個性だ。好き嫌いという意味では、大人でもたくさんある。

子どもの頃から慣らしておけば、好き嫌いがなくなるだろうという希望的観測なのかもしれないし、実際に食べられるようになる子もいるかもしれないが、小さいころからの「食えよ」という圧で、その食べ物がキライになってしまうことだってあると思う。


嫌いなものを押し付けられるのって、けっこうストレスだし、
嫌いなものを口に押し込むって、猛烈なトラウマになると思うけどなぁ。


そこまでして目指すものってなんだろう。

そりゃ、好きなものだけ食べて、お菓子で毎日が過ぎるとか、毎日カップ麺だとか、食生活が荒れて、ジャンクフードしか食べなかったり、油っこいものとしょっぱいものばっかり食べて病気になったり、そういうのは確かに良くないと思う。人が育つ環境って大事だし、小さいころからの食習慣も大事。

けれど、にんじんとピーマンを必死で食べさせたいママって、きっとすごくマジメで、子どもをちゃんと育てたいと思っている人だと思う。

だけどそんな人なら、にんじんとピーマンを食べなくたって、栄養バランスを考えているちゃんとした食事を食べさせるだろうし、もっと気楽でいいんじゃないかなぁと思う。


テレビの特集でも「子どもの苦手を克服する企画」とかが多くてうんざりする。

とにかく日本人は「苦手を克服する」ことが大好きだ。そこばっかり注目しないで、もっと好きなことや、得意なことに注目して、楽しくやろうよ。と思う。

苦手を克服しなくちゃいけない、とか、嫌いなことをしなくちゃいけない、ばっかりだと、人生に希望なんてなくなると思う。人生は有限だもの、好きなことや、楽しいことも、どんどんやりたいよね。


と、「嫌いなものを食べさせる」とか「苦手を克服」とかという話になると、なぜか猛烈な違和感を感じて、がぜん熱くなってしまう。

わたしは嫌いなものを押し付けられるのが猛烈に嫌いなので、記憶にはないが、もしかしたら昔、とてつもなく嫌なものを食べさせられたりしたのかもしれない。

過去記事を見たら、同じように熱くなっている記事があったので、せっかくだから貼っておく。特に嫌いなものを食べさせる系の話題には強い拒否反応があるようなので、なんかあったのかも。


食べ物だけでなく「逆上がり」とか「跳び箱」とか、できなくても人生に影響がないものは世の中にたくさんあるのに、できなくちゃいけない圧がたくさんあって、子ども時代は疲れた。

大人になってみて、自由がたくさんあって、わたしは大人になってよかったなぁと思う。

未来に希望が持てない子どもが多いって言うけど、大人になったら嫌いなもの食べなくてよくなるよ。と言ったら少しは希望が持てるのかなぁ。

みんなが楽しい世界になればいいのに。と思う今日このごろだ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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