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フランス日記

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パリのクレッシュ 2019-2020

11月の終わりぐらいになると、パリの街角ではもみの木が売られます。 皆さん持ち帰ってお家に飾るわけですが、これめっちゃ重いんですよね。一度、もみの木がカートの荷台からずり落ちて立ち往生しているムッシュに出くわし、体勢を立て直すのを手伝ったことがあったのですが、尋常じゃなく重かった。 家庭に飾るのがもみの木なら、教会ではどんな飾りをするのでしょうか? 教会では「クレッシュ」というキリスト降誕シーンを再現したミニチュアを飾ります。 私はミニチュアが好きだったりすることもあって

フランス日記:1月10日「パリで映画を観た2」

パリ滞在中にひっそりと誕生日を迎えた。 34歳になった。 私が産声を上げたときに、34歳の誕生日をパリで迎えることになるなんて誰が思っただろう(そりゃ誰もそんなこと考えなるわけない)。 お誕生日プレゼントに、最近まで働いていた会社にアルバイトに来ていた女の子から、フランスの映画館で使えるクーポンをいただいた。 彼女とは最後にちゃんとさよならの挨拶ができなかったことが残念なのだが、こうして気遣ってもらって本当に嬉しかった。 ▲いただいたチケットの画面 日本でいうところの

フランス日記:11月23日

ノルマンディー滞在3日目。 マダムから何度も「ディーブ・シュール・メール!」と言われるのだけど、なんか長い単語だし、それが動詞なのか名詞なのか分からないのでとりあえず復唱する。 復唱すると「そうディーブ・シュール・メール!」と言われるのだけど、それが何のことなのかやっぱり分からず、とりあえず出かけるようなので、わたわたと準備をする。 ディーブ・シュール・メールに到着 マダムの別荘のあるカブールから車で15分。 なんかかわいい村に着いたよー! ノルマンディ地方の木組

フランス日記:「フランス語の耐えられない難しさ」

今まで日本でDELFやフランス語検定を受験したり、フランス人の先生のプライベートレッスンに通いフランス語を勉強してきた。 日本語の読み書きと会話ができればなにも困らない環境で、外国語を学ぶことはとても難しい。 今回フランスに来たことで念願のフランス語のシャワーを浴びまくる生活ができてるわけだが、改めてフランス語の難しさを感じている。 例えばフランス語に限った話ではないが、多くの日本人のご多分にもれず私はRとLを聴き分けることが苦手だ。 フランス語のRなんてかなり癖が強いのに

フランス日記:12月11日「ジャックマール=アンドレ美術館」

語学学校から帰ってきてマダムから「午後は何をするの?」と聞かれた。どこかへ出かけたいけど、とくに決まっていなかったので「ジュヌ・セ・パ(分からない)」と答えるのとマダムは「私はジャックマール・アンドレ美術館へ行くわ!」とのことだったので私も一緒に連れて行ってもらった。 ジャックマール=アンドレ美術館はパリ8区のオスマン通りにある19世紀の銀行家・エドゥアール・アンドレとその妻で画家のネリー・アンドレの邸宅を使用した美術館である。 この夫婦はたいへんな美術品収集家で、1年の半

フランス日記:番外編「散歩中に出会ったムッシュたち」

この日記はモディリアーニと妻・ジャンヌの番地観光をしている際のおまけエピソードである。 ジャンヌの亡くなったアミヨット通りを目指して、パンテオン近くの通りキョロキョロしながらを歩いているとこんな建物を見つける。 お分かりいただけるだろうか。入り口の壁の素材がつぎはぎのように異なっている。明らかな改築の形跡だ。めずらしい!と思いそそくさに写真におさめ、他人の家という気まずさがあったのでさっさとその場を立ち去ろうとした。するとこの家に住んでいると思われる50〜60代のムッシュ

フランス日記:12月7日「壁紙の張り替え」

フランスでは18世紀、19世記の古い建物に改築に改築を重ねて今も人が住んでいる。現在、日本も古い住宅のリノベーションがちょっとしたムーブメントとなっているが、フランスではその習慣の歴史が日本よりも長く、住民自ら行うのが当たり前のようだ。賃貸住宅であっても住民は当たり前に壁紙を張り替えたりするらしい。(マダムから「日本人はどうしてリノベーションを自分でしないの? その方が安く済むのよ!」と言われてなんとも答えられなかった。みんな忙しいし難しいからだと思うが) 今日はマダムのお

フランス日記:12月6日「パリ郊外でお買い物」

引き続き今日もストライキ中のフランス。語学学校は登校できない生徒がほとんどで、朝の授業は私ともう一人のロシア人の女の子だけで授業が始まった。 ▲誰も来ない…。 ジェロンディフ(動詞を変化させて動作の同時性を表す用法)の単元が生徒がいないながらも今日から始まり、先生が文法を説明した後に、それでは例文を作ってみましょうとなった。フランス語の動詞のボキャブラリーがあまりないので、考えぬいたあげく「Je chante en dansant」(わたしは歌いながら踊る)という陽気でク

フランス日記:12月5日「ストライキ」

今日12月5日はフランスの大規模ストライキでパリのほぼ全ての交通機関が運行休止になったため語学学校はお休み。授業がないことをいいことに朝寝坊して、そのあと近所に買い物へ。街は意外と静かだった。 ストライキの際のメトロがどんなものか見たくて、近所のメトロの入り口を覗いてみた。 ▲シャッターがちょっと開いてて気になる…。 ▲こっちの駅はちゃんと閉まってる…。 今日はジレ・ジョーヌのデモも予告されているからか広場にパトカーも集まっていてちょっと物々しい。 このストライキは

フランス日記:12月4日「パリで映画を観た」

パリに留学中の友人がいるので、遊びに誘ったところ「それじゃあ『アナ雪』を一緒に観よう!」とのことだったので、観に行ってきた。 パリの映画館は行ったことがなかったので、在仏1年の友人がどのような映画館に連れて行ってくれるかとても楽しみだった。 友人が教えてくれた映画館はベルシー・ヴィラージュの中にあった。ベルシー・ヴィラージュはパリの12区にあるワイン倉庫跡にできたショッピングモールである。 ▲通りの両脇にワイン倉庫を模したお店が並んでいる 倉庫跡、というと関東在住者は

フランス日記:11月30日「パリ・番地観光〜モディリアーニ編」

番地観光の愉しみ小説や映画の舞台となった場所を聖地として、ファンが赴くことを「聖地巡礼」という。パリはたくさんの芸術家が過ごした街なので、たくさんの芸術の聖地がある。ルーブルやオルセーで作品を眺めるのも楽しいが、せっかくパリにいるので芸術家の「聖地」を巡ってみたいと思った。「聖地」の番地は調べることができるので、その番地を目指してパリを歩きたいと思う。 今日のテーマはモディリアーニ。 ▲「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」 ジャンヌ・エビュテルヌはモディリアーニの妻である モ

フランス日記:11月16日「デモの土曜日」

昨日の夜、生まれて初めてクレープを作った。 日本の台所にだし巻き玉子を作るためだけのフライパンがあるように、フランスの台所にはクレープを作るためだけのそれがあるのだ。 クレープを作る鉄のフライパンは重くて、取手まで熱くなる。フライパンにクレープの生地を流し入れた後に、ぐるぐるとフライパンを回して生地を広げなければならないのだが、重くて熱いためとても難しかった。案の定、私が作ったクレープは、生地がうまく広がらず穴だらけになった。 今日はりんご焼きを作った。 りんご焼き自体は

フランス日記:11月27日「マダムたちと女の話」

マダムの息子の奥さんは日本人だ。マダムから見て、子供を持つ日本の女性の働く環境はとても良くないものらしい。(日本人もみんなそう思っている) 子どもを保育園に入れられないし、ベビーシッターを雇うことも一般的ではなく、働くということと子育ての両立が難しすぎる。そしてその苦労は女性だけに課せられている。 マダムの話によるとフランスでは男性が女性と同じように家事や育児をするのが当たり前だそう。(そのように伝えているメディアは見たことがあるが、実際にフランスで暮している女性に言われる

フランス日記:11月25日「語学学校初日とマダムとwifiとの戦い再び」

今日からやっと語学学校が始まる。 昨日ノルマンディーから帰ってきて、旅行で使った鞄の中身を入れ替えて通学仕様にする。といってもノートや文房具を入れるぐらいなんだけど、なんだかワクワクした。 頭の中に「ドッキドキドンいちねんせい〜」のBGMが流れた。 通学初日の朝だぜー!と勢いよく歩き出して、記念にパリの朝の空を撮っておいた。 しかし学校とは真逆の方向に歩いていることに気づき引き返す。 *** 語学学校の初日の一番の感想は「いろんなフランス語がある」ということ。 おそらく