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フランス日記:「フランス語の耐えられない難しさ」

今まで日本でDELFやフランス語検定を受験したり、フランス人の先生のプライベートレッスンに通いフランス語を勉強してきた。
日本語の読み書きと会話ができればなにも困らない環境で、外国語を学ぶことはとても難しい。
今回フランスに来たことで念願のフランス語のシャワーを浴びまくる生活ができてるわけだが、改めてフランス語の難しさを感じている。

例えばフランス語に限った話ではないが、多くの日本人のご多分にもれず私はRとLを聴き分けることが苦手だ。
フランス語のRなんてかなり癖が強いのにそれでも「légumes」(野菜)を「régumes」と発音して「あぁ日本人は本当にRとLの区別がつかないんだね」と冷ややかな顔をされたりする。

SとPの音を混同することはなくても、RとLだと迷ってしまう。頭にきちんとスペルが浮かんでいても、Rは気合を入れないと発音できないので、うまく発音ができないとLの音になってしまうこともある。それぐらいRとLの音は厄介だ。

冷ややかな顔をされるといえば、「知っている単語だ!」と思って話を最後まで聞いていてもどうも意味が分からないことがある。
「え?こういうこと?」と質問していくうちにこちらが意味を取り違えていたことに気づく。フランス語は一つの単語に複数の意味が存在するので、自分が知って(思って)いた意味と違っていたということがある。分かったような顔をして、まったく勘違いしていたということが白日に晒されちょっとがっかりした顔をされる。

例えば「couvrir」という単語は「曇った」という意味があるが「厚着した」という意味も持つ。英語のcoverもそんな感じの意味なので、英語が達者な人はもしかしたら察しがつくかもしれないが、それでも前後の意味をちゃんと聞き取る力が必要だ。

ほかにも「サル」という言葉は「salle(部屋)」と「sale(清潔な)」という二つの意味がある。発音は同じなので、どちらか一方の意味しか知らずに間違って認識すると、相手の言ってる意味が分からなくなってしまう。

発音が似ていて意味が異なる言葉というのもかなり曲者で、昨日は「province(地方の)」と「provences (プロヴァンス地方)」(片仮名で発音を書くとすればどちらも「プロヴァンス」)を間違えて一向に話が噛み合わずお互いに疲れることがあった。
こちらはそれぞれナザール(鼻母音)の「in」と「en」で片仮名で読みを書いてしまうとすると両方共「アン」になってしまうぐらい似た音だ。

このように母音が5つしかない日本語が母国語だとどうしても聞き分けることが難しい音がある。

明確に違いが分からず、かつ語彙力もないと耳がどうしても知っている単語に寄ってしまい、結果的に意味を取り間違え、そのことも十分に説明できないため「分かってる風だけど本当にフランス語分かってるの?」と相手からの信用も失いかねない。(ちょっと大げさかもしれないが)

このようにフランス語でなくても外国語を海外で勉強するのはストレスフルで、知れば知るほど不自由なく会話するために必要な知識やスキルが途方もないと感じる。それでも「もう聞きたくない!話したくない!」と思わないのがフランス語の不思議なところだ。(私にとって英語とドイツ語は浴びるのが苦痛なシャワーだった)

そして何よりもフランスはフランス語を話そうとする外国人にとても優しい国だ。そのことが聞き取れて嬉しい、話せて嬉しいという気持ちをとても助けてくれる。

フランス語の一番難しいところは、少しでも話せるようになればなるほど、嬉しくて勉強がやめられないところに違いない。

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