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フランス日記:11月27日「マダムたちと女の話」

マダムの息子の奥さんは日本人だ。マダムから見て、子供を持つ日本の女性の働く環境はとても良くないものらしい。(日本人もみんなそう思っている)

子どもを保育園に入れられないし、ベビーシッターを雇うことも一般的ではなく、働くということと子育ての両立が難しすぎる。そしてその苦労は女性だけに課せられている。
マダムの話によるとフランスでは男性が女性と同じように家事や育児をするのが当たり前だそう。(そのように伝えているメディアは見たことがあるが、実際にフランスで暮している女性に言われると本当にそうなのか〜と改めて驚く)
しかしこれはフランスの男性が特別フェミニストだということではなく、女性が男性と平等の権利を得るために1900年ごろからずっと闘ってきた成果なのだという。そしてその闘いは今も続いているし、これからも闘い続けなければいけないのだという。
「日本の女性も闘わないとだめよ!」と言われる。

「女の敵は女」という言葉があるが、このようなフェミニズムの闘いを考えた時に、足を引っ張るのはミソジニストな男性だけではなく、保守的な女性たちだということもある。日本には働く環境や条件に男性と平等の権利を求める女性もいれば、「私はお家で専業主婦をしていたいわ〜」という人もいる。そういう生き方も結構だが、権利を得るために闘いたい女性を応援しないどころかミソジニスト男性と一緒になって馬鹿にすることさえあるのだ。マダムに「闘う女性を裏切る女性はいないのか?」と聞くと、「そんな人はいない。女性はみな、男性と同じ権利を求めている」と言われた。

夕飯を食べにマダムの友達とその娘さんが我が家にやってきた。その時にも日本の女性の働き方や結婚感の話になった。リッチな男性との結婚を最終目標にしている、いわゆる港区女子の話をしたらとても驚かれた。

「女性が自立するためには」「男性と同じ権利を得たい」こういう話を日本で対面でできる相手というのは限られている。フランスの女性たちは日本の女性よりもこういう話をする機会が多いのだろうか。まずは女性が一致団結しないと、勝ち取れるものも勝ち取れないよな〜と思ったりする。

* * *

午後は雨の中マダムとお散歩。シャンゼリゼ公園(たぶん)がデモのため封鎖されていた。地方から農家の人たちがトラクターでパリに押し寄せるのだそうだ。「トラクターで」ということろから妄想が膨らみマッドマックスみたいな光景を想像する。マダムに「トラクターが押し寄せるところを見たい。面白そう」と言ったら「面白くないし、危ないからダメよ」と言われる。私は子どもか。

▼プティ・パレの常設展示に「女の敵は女」って感じの彫刻があった

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