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【絵本紹介】絵本で語り継ぐ、阪神淡路大震災

1995年1月17日、午前5時46分に発生した阪神淡路大震災から28年。

ものすごく強烈なできごとだったとはいえ、年々記憶は少しずつ薄れていきます。

自分の体験談だけでなく、こうした絵本で子どもたちに語り継ぎたいものだと思うのです。





■ゆずちゃん (肥田 美代子 作  石倉 欣二 絵 ポプラ社)


ゆずちゃんの夢は、ふうせんやさんになること。
羽を傷めた鳥も、けがをした猫も、ふうせんをつけると元気になる。
そんなふうせんを、世界中の子どもに配ること。


でも、そんなでっかい夢を持ったゆずちゃんは、地震で家の下敷きになって亡くなってしまいます。



クラスメイトのたいちくんが語る、ゆずちゃんと地震の話(実話)です。
当時、こうやって、友だちと突然の別れを強いられた子どもたちが数多くいたのだなあと、改めて思わされます。




■あの日をわすれない はるかのひまわり(指田 和子 作  鈴木 びんこ 絵 PHP研究所)


阪神淡路大震災で妹のはるかを亡くした姉、いつか。
家は倒壊し、近くの学校の体育館で暮らす毎日が始まります。
不安でたまらない毎日が続く中で、ボランティアさんの優しさにも触れ、無事高校に合格します。
そしてその夏、がれきが片づいた自宅の跡に、はるかを思わせる、大輪のひまわりが咲いてるのを見つけるのでした。


「はるかのひまわり」からできた種は、翌年から神戸でまかれるようになり、現在もその活動はNPO法人阪神淡路大震災「1.17希望の明かり」が引き継いでいます。
種は平成の天皇皇后両陛下(今の上皇、上皇后陛下)にも贈られ、平成最後の歌会始で詠まれることにもなりました。


本の前後の見返し部分には、「1.17希望の灯り」に記された碑文の全文が載っています。




■おひさまいろのりんご―有希の阪神大震災(堀口 清志 作  堀口 久子 絵 清風堂書店出版部)


家族でたこあげを楽しんだ翌日の早朝、ゆきたちは大きな地震で目が覚めました。
その時から、暮らしは一変します。
電気もガスも水道もストップし、食事もろくにできない中、お兄ちゃんが40度近い熱を出してしまうのでした……。


お兄ちゃんのためにりんごを探し回るお父さん。
がれきだらけで崩れかけた町で、たった一つのりんごを見つけることが、どんなに大変だったか。


ゆきたちにとって、りんごはほんとうに、おひさまいろに見えたことでしょう。


巻末には、お父さんの“被災の記録”ともいえるお話が載っています。
大人にはぜひ、こちらも読んでほしいです。

 

残念ながら在庫はないようです。
図書館などで探してみてくださいね。


■地震がおきたら(畑中 弘子 作  かなざわ まゆこ 絵  谷 敏行 原案  神戸市消防局 企画)


3年生のけんちゃん、1年生のゆうちゃん兄妹は、学校での避難訓練の話をきっかけに、お母さんが子どものころの地震の体験談を聞きます。


災害での「こんなとき、どうする」ということがわかりやすく書かれています。

巻末には「神戸市消防局から伝えたいこと」として、「家族を守る防災知識」が載っています。
大人はこちらも要チェックです。





■1000の風 1000のチェロ(いせ ひでこ 作 偕成社)


チェロの教室に、新しい子が入ってきた。
その子の弾き方は、なんだか怒っているみたい。
その子はぼくの弾き方を「犬の声みたい」って言うけど、グレイのことを忘れられないぼくは嫌な気はしない。


チェロを抱えた団体を見つけたその子とぼくは、後をついていった。
着いたところは「だいしんさいふっこうしえんコンサート」の練習会場だった……。


震災の当日を取り上げているわけではないのですが、読んだ後には、頭の中ででもチェロの響きに浸りながら神戸の震災に思いを寄せる、そんな作品です。


なにより、いせひでこさんの絵がすばらしい!!


巻末の、いせひでこさんの言葉も、ぜひ読んでくださいね。




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【ワーク】

阪神淡路大震災の話を、体験した人に聞いてみよう。





(取り組むことで自分の考えが整理されます。ご自分のノートでも、コメント欄でも、書いてみてくださいね)

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【質問】

子どもたちに、何を伝えたいですか?





(ご自分に問いかけてみてくださいね。答えはすべて正解です)

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よかったら、手に取って読んでみてくださいね。





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