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【絵本紹介】1月17日は「おむすびの日」~おにぎりの絵本紹介~


1月17日が「おむすびの日」って、ご存知ですか?


制定したのは「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」だそうで、2000年に制定されています。

1995年に発生した阪神淡路大震災で、ボランティアの炊き出しにより被災者に多くのおむすびが届けられたことから、人と人との心を結ぶ「おむすび」の日として震災の起きた1月17日が記念日とされています。

PR TIMES MAGAZINEのサイトより



阪神淡路大震災の起きた1995年は「ボランティア元年」とも言われています。
あまりの被害に行政の対応が遅れる中、復興のために日本全国からボランティアが駆けつけて活発に活動したことから、そう言われています。
その中でも、炊き出しとして「おむすび」が多く配られたことが「おむすびの日」制定のきっかけになっているそうです。


炊き出しの「おむすび」には理由があって、寒さの厳しい時期に地震が発生したため、避難生活を強いられた人々に配られたのがすぐにどこでも食べることができる、ということだったようです。


モノはいっしょだから「おにぎり」でもよさそうなものですが、やはり「おむすび」という言葉には、人と人をつなぐ、というイメージがありますね。

ただ日常的には「おにぎり」という言葉の方がよく使われていますよね。
絵本に登場する言葉も「おにぎり」の方が多いのではないかと思います。
そんなわけで、今回は「おにぎり」が登場する絵本を紹介しますね。


ちなみに、「おにぎりの日」もちゃんとあるんです。
こちらは6月18日で、世界最古のおにぎりの化石「チマキ状炭化米塊」が出土したことから、2002年に石川県中能登町が制定しています。





■おにぎり(平山英三 文  平山和子 絵  福音館書店)


ごはんをたいて
てのひらに みずをつけて
ごはんをのせて
……


熱々のごはんを手に取って握る過程が絵本になっています。

炊きたてごはんの熱さ、手に取った塩の感触、ごはんがだんだんおにぎりの形になっていく感じ、のりの匂い……。

まさに、五感フル回転です。


絵本を読みながら、握るまねっこで子どもと遊ぶのもいいですね。
絵本では梅干を入れているけど、まねっこあそびなら何を入れてもそこは自由。
最後はお互いに握ったものを「はい、どうぞ」ってやり取りするのも楽しそう(*^^*)


とってもシンプルなだけに、いろんな読み方ができそうな絵本です。




■おにぎりをつくる(高山なおみ 文  長野陽一 写真  ブロンズ新社)


おこめをかっぷにふたつ。
くまさんのてにして、ざくざく ざくざく とぎましょう。
めもりをよくみて おみずをいれて
……


なんと、お米を計量して研ぐところから始まる、おにぎり作りの絵本です。


さきほどの『おにぎり』が、ごはんが炊けたところから始まるのに対して、こちらはお米をはかるところから。
おにぎりを食べるまでには、そこからの手間がかかっていることがよくわかります。


そしてこちらは、写真絵本。
手にお塩を取るところも、おにぎりを握るところも、過程が細かくわかりやすくて、一緒におにぎりをにぎっている錯覚を覚えるほどです。
そう、おにぎりを作るのは、子どもたち自身でもあるのです。
だから最後は「さあ どうぞ」ではなくて、親子で一緒に食べるんですよね、きっと。


今ではラップで包んだり、型があったり、果てはにぎらないおにぎりだったりで、作り方のバリエーションも多くなりました。
だからこそ、こんなふうにシンプルに、直接握るおにぎりも素朴でいいよなあと思える絵本です。






■おにぎりがしま(やぎたみこ 作  ブロンズ新社)


ひとりぼっちのこたろうが小舟で見つけたおにぎりから、おにぎりおにが出てきました。
無人島にたどりつくと、おにぎりおにはもうれつにはたらきはじめます。
岩をくだき、木をたおし、雨水をためて田んぼを作り、きんいろの田んぼができました。
かりとったいねから米をとり、大きなおかまでごはんをたいて、「おにぎりつくろ!」と、つやつやごはんをにぎります。


無人島に流れ着いてからの展開に、1年生は「どうなるんだろう」と言わんばかりの感じで聞き入っていました。
見開きに一面いろんな種類のおにぎりが描かれたページでは、思わず前に出てきてのぞき込む子もいたくらい(笑)


おにぎりがしまにやってきたお客さんたちは、昔話の主要人物ばかり!
てんぐ、かっぱ、やまんば、etc.
これをきっかけに、「お客さんたち」が活躍する昔話を読んでみるのもいいですね。





■オニじゃないよおにぎりだよ(シゲタサヤカ 作  えほんの杜)


オニはおにぎりがだーいすき。
今日もいつものようにおにぎりを食べていると、人間たちが大慌てで逃げて行ってしまいました。
時間が経って人間たちが置いて行ったおにぎりに気づいたオニたちは、喜んで食べますがあまりのまずさにびっくり仰天。
「これはひどすぎる!人間たちにうまいおにぎりをとどけてやる!」
とたくさんのおにぎりを積んで町に向かうのですが……。


おにぎりをこよなく愛するオニとあって、なんだか人間臭さを感じるのは私だけ?
食べものが登場するお話って、読んでいても読み聞かせても楽しいです。


オニは出てくるけれど、節分でなくても楽しめる絵本です。





■おにぎりにはいりたいやつよっといで(岡田よしたか 作  佼成出版社)


お皿の上で、真っ白なおにぎりたちが話しています。
「ぼくら、ぐ、いれてもらってないねんなあ」
「ぐ、みんなでさがしにいこか」
おにぎりの具といえば、こんぶ、さけ、かつおぶし。
どれも海のものやな、ということで海に行くおにぎりたちですが、どうも場違いだったようで、商店街で仕切り直し。
ぴったりな具に出合えるかな?


身近なおにぎりのお話というだけでも、「楽しそう!」と教室に期待感が高まります。
おにぎりたちが出かける前に「お気に入りの服」を着る場面では、「 のりやん!」と面白がっていました。
それにしても、おにぎりと具の出合いって、こんなにドラマティックだったんですねえ(笑)


絵本を読むだけでじゅうぶん楽しいのですが、読み終わって「みんなはどんなおにぎりが好きなのかな?」と聞いてみると、いろんな答えが返ってきて楽しかったですよ。
1年生では意外にも一番人気はダントツで「唐揚げ」。
一方シンプルに「塩」という子たちもいて、読み聞かせの後も楽しめた1冊になりました。



続編に「サンドイッチにはさまれたいやつよっといで」もあります。
こちらも文句なしに楽しい絵本です。
合わせてどうぞ!






阪神淡路大震災に関する絵本を紹介しています


29年前の私の体験談はこちらから



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