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私が場づくりをする理由

今はフリーランスとして好きなことを仕事にしている私ですが、自分のための仕事を見つけるために、寄り道をたくさんしてきました。

これから、そんな私の寄り道についてお話しできればと思います。

私のこと

原田優香(はらだゆか)と言います。
1994年5月1日生まれ、京都府宇治市出身、アウトドアと自然、生ハムが大好きな26歳です。

大学時代は「災害ソーシャルワーク」の勉強をしていました。災害があった現場に必ず足を運び、災害ボランティアを重ねていたこともあり、卒業後は住民として被災地に関わりたいと宮城県石巻市に移住を決心。在学中に取得した社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格を活かしながら、2年間災害支援のお仕事に携わっていました。

自分のために仕事をする


晴れて京都から移住した私は、「よし、石巻市の為に仕事をするぞ!!」と、初日から張り切りまくり。
でも、実際に働き始めると、現実は想像と全然違いました。
「今の余震なんか震災当時に比べるとどうってことないよ」
「仲良かった近所のおじちゃんがまだ見つかってないんだよねえ」
「震災当時はガソリンがなくて大変だったよ」
その土地に根付いてこなかった私には、これらの言葉に共感することが全然できませんでした。
自分のやっている仕事が、本当に石巻市の役に立っているのか、全くわからず、
「私はなんのためにここにいるんだろう」と思う日々。
京都で決意した信念が一瞬で崩れ落ちました。
それからは、仕事に身が入らなくなってしまい、何をしても誰と話しても、

「私は本当に東北の役に立っているのだろうか」

この考えが頭から離れなかったんです。ずっと、ずっと。
そんな私を見て、職場の上司が一言。

「お前、東北の役に立とうと思って仕事してんなら勘違いするなよ。いつからそんな偉そうな立場になった?俺らはお前が東北のために仕事してほしいなんてこれっぽっちも思っていない。お前の人生だろ?お前のために仕事しろよ。」

ああ、職場のみんなに気づかれていたのか。
「東北の為に」と自分の支援を押し付けていた自分本位の言動や行動に気づかなかった私自身が、恥ずかしくて恥ずかしくて仕方ありませんでした。
石巻のために、東北のために、と今までずっと考えていましたが、実は、私にできることは何もないんじゃないか?そう気づいた瞬間に、肩の力がすっと抜けて、なぜか楽になりました。
じゃあ、私は自分のために何をしていきたいんだろう?と初めて「自分のため」に仕事を考えるようになりました。

このままでいい。


自分のために仕事をする。と言っても、自分が何をしたいかわからない私は半年間ニート生活をすることにしました。日本全国、たとえば、北海道、広島、栃木、鹿児島、山形などなど。時にはオランダやフィンランドなど海外にも旅に出ました。
色んな立場の人、色んな背景の人と話をする中で見えてきたことは、「そのままでいい」ということ。わたしはそれまで、周りが見えていなくて自分はダメだと思っていました。ですが、「こんなことで悩んでいて、色んな人の話を聞いて回っているんです」と言うと、揃って全員が「良い時期だねえ、それで良いよ、そのままで。」と言ってくれたのです。
私は、そうか。このままでいいのか!と素直に受け止めて、そのままニートの自分でいました。笑

飲食のベンチャー企業に就職


そのままの自分でいながら、自分の興味関心のアンテナを張り続けて半年間が経った頃。
イベントスペース運営をしているベンチャー企業のスタッフ募集をfacebookで発見しました。「そんな仕事があるのか!」と興味を持った私は、早速担当の人に連絡をし、直感で入社することに。
入社後に、母体は飲食を経営していると知ったのですが(知る順番が逆w)、イベントスペース運営のお仕事は本当に楽しく、日々充実していました。
 元々、友達や知人を呼んで一緒にご飯を食べたり、ゼロ→イチの企画を考えて実行することが大好きだったので、イベント企画も自分からどんどんやっていきました。
基本、予算がある中でのイベント企画をする訳ではなかったので、全て参加者の参加費から賄って実施。これまで、自主イベント企画で赤字になったことはほぼありません。


これまでのイベント企画


どんなイベント企画をしてきたのか、いくつかご紹介できたら、と思います。


【東北食べる写真展】

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「東北食べる写真展」は、生産者さんの顔写真をみながら、美味しい東北の食材を東京で楽しんで欲しいとの想いで、東北で出会った仲間たちと一緒に創りあげた企画です。総勢90名弱の方々が参加してくださいました。食事のメニューは「南三陸めかぶの旨造りあえ」「茹で帆立」「気仙沼のサメかつ」「石巻ほやおにぎり」「南三陸産タコとトマトのサラダ」などを提供。
東北で出会った人、繋がっている人との関係性は本当に心地よく、今に至るまで長く続いています。そんな関係性をまた東京でも大切に紡げたことが本当に嬉しかったです。

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【規格外】

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「規格外」は、規格外によって捨てられてしまう食材を使って、「普通」とは何かを問い直す機会を作ろうと企画したイベントです。机の上で料理を創る料理人の、ソウダ・ルアさんをお呼びして、みんなでお皿を使わずに食事をしました。また、多方面で活動されている方々をゲストにお呼びして、それぞれの立場から「普通」を問い直しました。「不登校から見る、子どもの才能の伸ばし方」や「勉強ではなく工作をすることで深まる、自分の得意なこと」など、教育を様々な切り口から意見交換を実施。
社会に潜在している「普通」を、食や対話を通じて炙り出していきました。

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【直すと治す商店街】

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壊れてしまったけれど捨てたくない大切なモノの修理や相談。毎日頑張る自分へのご褒美、身体のメンテナンスなど、いつもの日常に、ホッと心があたたまる瞬間をお届けしたいと深川応援団「合同会社カツギテ」さんと一緒に企画をしました。
職人さんによるモノの修理=直すだけではなく、マッサージや飲食で人の体も心も癒そう=治すという2つのナオス、そして人が賑わっている商店街をイメージして「直すと治す商店街」というネーミングに。
当日は、予想以上に多くの方が足を運んでくださって、自分が大切にしているモノの修理を頼んでいる姿が見られました。

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こんな感じで、毎月1回以上は、20-80人規模のテーマをしっかり決めたオフラインイベント企画を実施していました。


イベントスペース運営の業務


もちろん、イベント企画を実施するだけではなく、イベントスペースを利用するお客様の伴走や、予約管理なども行いました。
イベントスペースのお仕事をまとめると以下になります。

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少しずつ見えてきた、自分のための仕事


イベント企画やイベントスペース運営をしながら見えてきたことが「どうやら、私は0→1で何かを創る」ことが好きらしい。ということでした。
と同時に、他者の話に耳を傾け、自分の感情や思考を整理していくことも得意だったので、対話を通して自分のことを深めていく「ジブン研究」というプログラムもはじめました。

ジブン研究とは


ジブン研究は、自分の思考の癖やその思考に伴った行動などを記録しながら、感情の揺れ動きのパターン を掴むことで、自分とうまく付き合う方法を探求していく対話型のプログラムです。
3人1組のグループになって、自分以外の「他者からの フィードバック」を受けながら客観的な意見を織り交ぜて研究を深めていきます。
例えば、「あなたはこんな思考の癖があるよね」とか「よくこの言葉を頻繁に使っているよね」とか、「なんで今その表現をしたの?」などなど。自分以外の他者が介入することによって見える自分自身って、案外気づいていない自分の特性だったりします。

▼気になった方は、是非こちらのnoteを覧ください▼
https://note.com/jibunkenkyunote
現在は、「ジブン研究」以外にも、「Original Life Talk」というプログラムを作り、実施しています。今は、この二つのプログラムを軸にして​「お互いの多様性を楽しく学びながら受け入れることのできる社会」を目指しています。

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Original Life Talkについて


「Original Life Talk」は「ジブン研究」から派生して生まれました。日常生活で感じる他者や自分との関係性への違和感や疑問を、もっとオープンに語り合える場があればという想いから、毎月テーマを設け、実体験を交えてお話いただけるゲストを一名お呼びし、お届けしている対話型のトークイベントプログラムです。これまで10回開催しています。
第1回:機能不全家族
第2回:セクシャリティ
第3回:うつ病とパニック障害
第4回:適応障害
第5回:不登校
第6回:支援者への支援
第7回:HSP
第8回:発達障害
第9回:摂食障害
第10回:月経困難症
※過去のイベントテーマ(毎月1回各20名)

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私が今後やっていきたい仕事


上記を踏まえて、皆さんと以下のようなお仕事ができると嬉しいなと思っています。
①0→1のイベント企画や場づくり(1→10も好きです)
②他者と対話をすること、本音を引き出すこと
③福祉領域のお仕事(国家資格を持っています)
④レンタルスペースやコワーキングスペース運営の仕組みづくり
⑤他者を巻き込みながらプロジェクトを作って回すこと
⑥会議や場でのファシリテーション
⑦環境や地球に優しい取り組み、暮らしにまつわる取り組み
⑧既にあるコミュニティの醸成

①〜⑧まで色々書いたのですが、私が全ての仕事やプロジェクトにおいて大切にしたい根底は、「お互いの多様性を楽しんで受け入れ合いながら、愛を循環させていく社会を作っていくこと」です。私にとって、愛を循環させるとは、人だけに限らず、自然環境や動物も含まれてきます。
全てのお仕事、プロジェクト、場づくり、何においても、コミュニケーションをしっかり取ること、相手の価値観や考え方を理解しようとすること、そして自分から愛を渡していくこと、を心がけたいと思っています。
ちなみに私にとっての愛は、「相手への想像力」だと思っています。
2021年、いろいろなお仕事に挑戦していけそうな予感がしています。
このnoteを読んでくださっている方とも、ぜひ、一緒に楽しんでいけたら嬉しいです!

(余談)
最後に。本好きな私の一番大好きな小説のフレーズを書いて終わりにできたらと思います。これまでずっと仕事についてのお話でしたので、わたしがどんな人か、違う方向から少しでも感じていただけたら嬉しいなとの期待も込めて。

「(略)責任を感じるから、自分のためにその人間が必要だから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって、『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶんです。」
(ぼくのメジャースプーン 辻村深月著)

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