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<ラグビー>オールブラックス対フィジー第2テスト,ウェールズ対アルゼンチン第2テスト,サモア対トンガ第2テスト,ストーマーズ対ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ,オーストラリア対フランス第3テスト,結果

今週末は,多くのラグビーゲーム,それもテストマッチがあって盛りだくさんでした。

オールブラックス60(9T6C1P)-13(1T1C2P)フィジー

オールブラックス16番HOダン・コールズがふくらはぎを怪我して欠場。代わりにオールブラックスのデビューとなるチーフスのサミソニ・タウケイアホが入った。トンガ出身の183cm,115kg。NZ高校代表を経て,チーフスで49キャップをプレーしている。本来ならハリケーンズのアサフォ・アウムアがNO.3のHOだが,トンガ戦で脳震盪となり,出場規制期間と重なるため,タウケイアホが急遽招集された。

ハカは、SHアーロン・スミスがリード。先頭にキャプテン代行のLOサムエル・ホワイトロック。左にHOコーディ・テイラー、左にBKリエコ・イオアネ。

5分,フィジー10番SOベン・ヴォラヴォラがPG,0-3。
15分,オールブラックス11番WTBセヴ・リースがトライ,10番SOリッチー・モウンガのコンバージョン成功で,7-3。12番CTBデイヴィット・ハヴィリが好調。
18分,ヴォラヴォラがPG,7-6。
29分,モウンガがPG,10-6。
31分,オールブラックス11番WTBリースが2つ目のトライ。モウンガのコンバージョン成功で,17-6。
36分,オールブラックス11番WTBリースがハットトリック(3つ目)のトライ。モウンガのコンバージョン失敗で,24-6。
37分,フィジー5番LOレオーネ・ナカワラがシンビン。
40分,オールブラックス7番FLアーディ・サヴェアがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,29-6。

前半,オールブラックス29(4T3C1P)-フィジー6(2P)。
20分までオールブラックスは,ブレイクダウンでの反則が続いた。レフェリングの問題もあるが,おかしなレフェリングでもこれに合わせることが必要。その後調子を上げてきて,点差を開いた。ラインアウトは前週に続き好調だが,2番HOコーディ・タイラーのスローイングにやや課題が残る。4番LOスコット・バレットが,数回相手ボールをスティールしている。

42分,オールブラックス14番WTBウィル・ジョーダンがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,36-6。
45分,フィジー1番PRペニ・ラヴァイがトライ。ヴォラヴォラのコンバージョン成功で,36-13。
50分,オールブラックス23番WTBリエコ・イオアネ(14番ウィル・ジョーダンと交代)がトライ。モウンガのコンバージョン成功で,43-13。やはりリエコは,13番CTBよりもWTBが合っていると思う。
59分,オールブラックス16番HOサミソニ・タウケイアホが,デビュー戦でトライ,22番SOボーデン・バレットのコンバージョン失敗で,48-13。
63分,ヴォラヴォラにインターセプトされるが,15番FBダミアン・マッケンジーが,ゴールライン直前でトライセービングタックル。
66分,フィジー選手がFBマッケンジーにレイトタックルするが,TMOの結果,ペナルティーのみ。
68分,オールブラックス20番FLシャノン・フリッゼルがトライ。ボーデンのコンバージョン成功で,55-13。
80分,オールブラックス16番HOタウケイアホが2つ目のトライ。ボーデンのコンバージョン失敗で,60-13。

後半,オールブラックス31(5T3C)-フィジー7(1T1C)。
合計,オールブラックス60(9T6C1P)-フィジー13(1T1C2P)。

後半ハムストリングスを痛めて交代した,WTBウィル・ジョーダンが心配。彼はオールブラックスのトライゲッターとして,これから数年は活躍できる逸材。チームは,前週から課題となったブレイクダウンについては,とりあえず解消した模様。オープンサイドFLアーディ・サヴェアが貢献した模様。SO争いは,リッチー・モウンガが良いプレーをしており,後半交代したボーデン・バレットを一歩リードしているのは変わらない。

明日,ブレディスローカップ及びザ・ラグビーチャンピンシップに備えた,新たなオールブラックスのスコッドが発表される。FW3列では,6番にアキラ・イオアネ,その次がシャノン・フリッゼルとイーサン・ブラカッダー。7番はアーディ・サヴェア,その次が怪我から回復待ちのダルトン・パパリイで,復帰が間に合わない場合は,デュプレッシー・キリフィ,ビリー・ハーモン,カレン・グレイスに声がかかる可能性がある。NO.8はルーク・ジェイコブソンで,その次はホスキンス・ソツツに固まった模様。

また,SHにTJ・ペレナラが戻ってくるので,アーロン・スミスに次ぐポジションをブラッド・ウェバー,フィンレイ・クリスティーと争う。CTBも,ブライドン・エンノーが戻る予定だが,怪我の多さが心配なため,クイン・ツパエアの出番があるかも知れない。ただし,フィジー戦の結果からは,12番デイヴィット・ハヴィリ,13番アントン・リエナートブラウンで,しばらく固定するだろう。

LOは,サムエル・ホワイトロック,ブロディー・レタリック,スコット・バレットの3人で決まっており,怪我のツポウ・ヴァアイの出番はなさそう。4番目のパトリック・ツイプロツは,来シーズン限定でトヨタに移籍する模様。PRでは,オファ・トゥンガファシが戻ってくる予定。

フィジーは,前週に続いて,オールブラックスに良い教訓を与えてくれた。また,この2戦を通じて,ティア1国としての立ち位置を確立できたのではないか。


サモア37(4T4C3P)-15(2T1C1P)トンガ

サモアは,12番CTBヘンリー・タエフが3P及び4C,14番WTBエド・フィドウ1T,SHジョナサンタツマテイネ1T,13番CTBステイシー・イリ1T,18番PRカロロ・ツイロマ1T,1番PRティエティエ・ツイマンガがシンビン。
トンガは,SOジェイムズ・ファイヴァが1P及び1C,16番HOジェイ・フォノカラフィ1T,6番FLシオネ・ツイプロツ1T。

これで,サモアは2023年RWCのオセアニア1位としての出場を確定した。イングランド,日本,アルゼンチン,アメリカ第2代表(カナダが有望)と同じ,プールDに入る。
トンガは,来週フランスに行き,クック諸島とアジア・太平洋代表枠でのRWC出場を目指す対戦に向かう。ここで勝ち上がれば,南アフリカ,アイルランド,スコットランド,ヨーロッパ第2代表(ルーマニアが有望)と同じ,プールBに入る。万一負けた場合でも,敗者復活戦を勝ち抜けばウェールズ,オーストラリア,フィジー,ヨーロッパ第1代表(ジョージアが有望)と同じプールCに入る。


オーストラリア33(3T3C4P)-30(3T3C3P)フランス

2分、オーストラリア14番WTBフィリッポ・ダウグヌが腕を怪我して、23番リース・ホッジと交代。
4分、フランス15番FBメルヴィン・ジャミネがPG、0-3。3戦連続で、フランスが得点先行。
5分、オーストラリア11番WTBマリカ・コロイベテが、フランス8番NO.8アンソニー・ジェロンクにハイタックルしてTMO。両選手がかがんだ結果、コロイベテの肩がジェロンクの頭に当たった結果となったが、NZ人レフェリーのベン・オキーフは、レッドカード(退場)を宣告。これは、すでにダウグヌが怪我で退場しているため、バックスリーの選手が不足しているところへ、残り75分を14人で戦うことになり、オーストラリアとしては大きなダメージになった。
8分、フランス9番SHバプティスト・クイロウがトライ。ジャミネのコンバージョン成功で、0-10。
11分、オーストラリア9番SHテイト・マクダーモットがトライ。10番SOノア・ロレシオのコンバージョン成功で、7-10。
14分、ジャミネがPG、7-13。
20分、オーストラリアSOノア・ロレシオがトライ&コンバージョン成功で、14-13。
26分、ロレシオがPG、17-13。
36分、フランス7番FLキャメロン・ウォキがトライ。ジャミネのコンバージョン成功で、17-20。
39分、フランス11番WTBテディ・トーマスがインゴールに入り、TMOの結果、ノッコンしていてノートライ。
43分、ロレシオがPG、20-20。

前半、オーストラリア20(2T2C2P)-フランス20(2T2C3P)。
コロイベテのレッドカードで、さすがのオーストラリアも危機感が出たのか、1,2戦のメンバーからは格落ちしたとみられるフランスを、1、2戦とは違って前半リードして終えるかに思われたが、同点で終わる。後半、完勝に持ち込めるか。

42分,ジャミネがPG失敗。
47分,フランス13番CTBピアールルイ・バラシがトライ。ジャミネのコンバージョン成功で,20-27。
51分,オーストラリア18番PRタニエラ・ツポウがトライ。ロレシオのコンバージョン成功で,27-27。
55分,ジャミネがPG失敗。
58分,ロレシオがPG失敗。
73分,ロレシオがPG,30-27。
75分,ジャミネがPG,30-30。
79分,ロレシオがPG,33-30。

後半、オーストラリア13(1T1C2P)-フランス10(1T1C1P)。
合計、オーストラリア33(3T3C4P)-フランス30(3T3C3P)。

オーストラリアのマリカ・コロイベテのレッドカードについては,多くの異論が出ている。ビデオを見ると,悪意のあるタックルとは見なせないが,結果として肩が頭に当たっているので,杓子定規にやればレッドカード以外の判定はない。この問題を解消するためには,今議論されている,レッドカードの場合は20分間14人とし,その後退場した選手の代わりをリザーブから出せるという試行ルールの実施しかないように思われる。

3戦ともに,似たような試合展開になり,楽勝しても不思議でないオーストラリアが,いずれも苦戦した。しかし,第1戦に続き第3戦を,レッドカードで14人になる苦境ながら,僅差で勝利した。シリーズも2勝1敗で勝ち越し,どうにか面目を保った形となった。オーストラリアとしては,第2戦で負けたことから,チーム力に不安が残った。この状態であれば,ブレディスローカップ及びザ・ラグビーチャンピンシップでは,良い結果を残すのが難しいかも知れない。

一方のフランスは,主力メンバーの一部が不在となるなかで,惜敗・辛勝・惜敗となった結果は,チーム力の上昇とスコッドの厚みを増した結果となり,2023年RWC地元開催に向けて,自信を深められたと言える。


ウェールズ11(1T2P)-33(3T3C4P)アルゼンチン

4分,アルゼンチン10番SOニコラス・サンチェスがPG失敗。
8分,ウェールズ14番WTBオウウェン・レーンがトライ。10番SOジャロッド・エヴァンスのコンバージョン失敗で,5-0。
11分,アルゼンチン11番WTBマティアス・モローニがトライ。サンチェスのコンバージョン成功で,5-7。
26分,サンチェスがPG,5-10。アルゼンチンは,スクラムウェールズを圧倒している。
29分,アルゼンチン9番SHトマス・クベーリがトライ。サンチェスのコンバージョン成功で,5-17。
31分,エヴァンスがPG,8-17。

前半、ウェールズ8(1T1P)-アルゼンチン17(2T2C1P)。

51分,エヴァンスがPG,11-17。
57分,サンチェスがPG,11-20。
60分,ウェールズ15番FBハラム・アモスがシンビン。
65分,サンチェスがPG,11-23。
76分,サンチェスがPG,11-26。
79分,アルゼンチン6番FLパブロ・マテーラがトライ。サンチェスのコンバージョン成功で,11-33。

後半、ウェールズ3(1P)-アルゼンチン16(1T1C3P)。
合計、ウェールズ11(1T2P)-アルゼンチン33(3T3C4P)。

アルゼンチンは,ルーマニアに辛勝,ウェールズと引き分けた後,3戦目にして本領発揮となり,ブリティッシュアイリッシュ・ライオンズで主力メンバーがいないBチームのウェールズに順当勝ちした。また,このままの勢いで,ザ・ラグビーチャンピンシップ臨みたい。


ストーマーズ3(1P)-49(7T7C)ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ


ストーマーズのPGは,10番SOティム・スウィール。
ブリティッシュアイリッシュ・ライオンズのトライは,4番LOアダム・ベアード,2番HOルーク・カウワンディッキー,5番LOジョニー・ヒル,8番NO8ジャック・コーナン,18番PRザンダー・ファガーソン,23番WTBルイス・リーザミット,20番FLサム・シモンズ。コンバージョンは,全てイングランドの新鋭10番SOマーカス・スミス。少なくともゴールキックは安定している。

ブリティッシュアイリッシュ・ライオンズが,ストーマーズに圧勝して,南アフリカAに惜敗した結果をリベンジしてみせた。来週の第1テストマッチが楽しみとなった。

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