藤本祐嗣

写真や映像、作品作りについて書きます。写真の方が投稿は多いです。 写真集や展示情報につ…

藤本祐嗣

写真や映像、作品作りについて書きます。写真の方が投稿は多いです。 写真集や展示情報についても発信します。 京都芸術大学の通信制に通ってます。 写真はフィルムやモノクロが多め、映像は写真っぽい撮り方で撮るのが好きです。

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最近の記事

写真の講評の危うさと講評力の鍛え方

僕がやりたいことの一つに、写真の講評会があります。 他者の客観的な視点から講評してもらう、ということは写真をより良くしていくために大事なことTOP3に入ると思います。 自分だけでは気づかない点を指摘してもらうことで、作品を磨き上げ、新たな視点や表現の可能性を広げることができるからです。 今はChatGPTを使って写真の講評をしていますが、どうしても画一的な感じがするため、より多くの意見を聞きたいという思いがあります。 しかし、講評には危うさもあります。 それによって講評会

    • 「何故この写真が評価されるのかわからない」となった時

      写真の展示や写真集を見てなぜこの写真で展示させてもらえるのか、なぜこの写真集の人気が出るのか、わからない。 そうモヤっとした時に読んでいただけると嬉しいです。 今回の「なんでこの写真が評価されてるのか」というのは その写真を馬鹿にするとか嫉妬とかではなく、 単純に理由が推測できない、という意味です。 結論としては「確率の話」になります。 ただこれだけだと意味がわからないと思うので、一つづつ分解して考えています。 「何故この写真が評価されるかわからない」の中でも、以下の

      • 自分にとっての良い写真を定義するには「上手い」以外の価値基準をどう設定するかではないか

        写真を撮る際、多くの場合「上手く撮れているか?」と確認し、 写真を鑑賞する際は「上手な写真だなぁ」という感想を持つと思います。 つまり「上手い」「綺麗」「かっこいい」のような部分で評価し、 その基準で良い悪いを無意識に決めています。 構図が整っているか、露出やピントが正確か、色彩が美しいか——これらは確かに重要な要素です。 しかし、技術的な完璧さ・被写体やシャッターチャンスの希少性を軸にするとより上手く、より美しく、というように最終的に行き着く先が似てきて、 「自分が撮る

        • 何かを撮らない写真についての考察続き

          前回の「何かを撮らない写真」の続きです。 今回は具体的にどんな写真でどういう効果があるかを考えていきます。 内容は一般的に認識されているものではなく、全て個人の考察に基づいてます。 抽象表現としての「何も撮らない」前回のおさらいになりますが、 一般的な写真は具体的な被写体があり、視覚的に興味を惹くようにその対象を撮ることが一般的です。 しかし、「何も撮らない」というアプローチは明確な被写体を避け、代わりに空間の感覚や曖昧さ、光と影、線や質感を強調することで、 比喩など考

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        • KYOTOGRAPHIE各展示の振り返り
          6本

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          何かを撮らない写真

          タイトルの「何かを撮らない写真」と聞いてピンとくる方はいますか...? 僕は最近は「何かを撮らない写真」に取り組んでいます。 これは色んな写真集を見ていて気づいた概念で、うまく僕も言語化はできていません。 これが中々難しく、ものにするのに1年は余裕でかかりそうだと感じています。 僕は今まで無意識のうちに「目の前にある光景」や「何か撮りたいと思ったもの」を撮ろうとしていました。 それはごく当たり前のことで、良いと思われる写真は主題を強調し、副題で味付けするような写真、とい

          何かを撮らない写真

          写真が好きな人のためのChatGPT活用例

          もっと良い写真を撮りたい、上手くなりたい、自分の写真へのフィードバックが欲しい、と思った時に今まではネットの記事やYouTubeで調べたり、写真集を見て研究することが多かったと思います。 でも最近はGPT技術の発達によりもっと効率的に学ぶことができるようになりました。 まだ試したことない人は無料でも良いので是非試してみてください。 数時間かかってた疑問が1分で解決することもあります。 今回は僕の主な使い方を紹介します。

          写真が好きな人のためのChatGPT活用例

          曇りの日に4800Kで撮る静かな写真

          デジタルでRAWで撮る人はほとんどの場合、オートホワイトバランスか「太陽光」に設定しているのではないでしょうか。 オートで撮って後から調整すれば良い、というのはたしかにそうですが、 マニュアルで撮ることによる新たな発見もあります。 ホワイトバランスを後から変えることによるデメリットその場で最終イメージを持たずに撮影する癖がつく AWBを常に使用すると、カメラ任せになりがちで、写真の最終的な色調や雰囲気を意識しなくなります。 これにより、自分がどのような色合いやムードを表

          曇りの日に4800Kで撮る静かな写真

          自分の写真に行き詰まりを感じている人におすすめの機材

          今回は僕の写真に新たなインスピレーションを与えてくれたカメラやレンズ、その他の道具についてお勧めしたいと思います。 自分の写真にマンネリや行き詰まりを感じている方はぜひ参考にしてみてください。 中判フィルムカメラ中判フィルムカメラは35mmフィルムにはない情報量と階調表現が優れている、というのが一般的ですが、個人的な体験では以下が違うなと感じました。 デカくて重いことによって撮る写真も重く強くなること 10枚〜15枚程度しか撮れないこと ウエストレベルで撮ること(全

          自分の写真に行き詰まりを感じている人におすすめの機材

          撮る時間よりも考える時間が写真を育てる

          写真家(写真作家)のインタビューを見るのが好きなんですが、 先日ブルーピリオド読んでてあることに気づきました。気づいたというか頭のどこかで感じてたことがはっきりとしました。

          撮る時間よりも考える時間が写真を育てる

          コラージュを作るとアーティストになった気分になれたのでおすすめ

          僕は京都芸術大学に通っているのですが、そこでコラージュの授業がありました。 今までコラージュもやってみようかなという気持ちも多少はあったのですが、 - どうやって構想したら良いのかわからない - そもそも進め方とか何からどう手をつけたら良いのかわからない - 手間がかかりそう という理由で始めることができなかったので良い機会になりました。 いや、とても、というよりめちゃくちゃ良かったです。 実際にやってみて、気づいたことをシェアしていきます コラージュのやり方自分の写

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          コスパの良い写真集3選

          「写真集のコスパって何だよ」という話ですが、 安い、面白い、参考になる、の三つ揃ったものをコスパが良いと定義しました。 「面白さは人それぞれだし参考にするために写真集買うわけじゃない」というご意見はごもっともです。 でもそれでは企画倒れになってしまうので今回は目をつぶってください。 ・4000円以下(中古探せば3000円以下で買えるかも) ・わかりやすさ重視、コンセプチュアルフォトではない ・特別なロケーションや被写体を写してない という観点で三つ選んでみました。 ba

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          三脚の意外な効果

          最近のカメラは手ぶれ補正が強く、ISOも上げれるため三脚を使って撮る人はだいぶ少ないのではないでしょうか? かく言う僕も基本手持ちですし、筋肉で止めるので写真用のカメラに手ぶれ補正はいらないと思ってます。 しかし、でか重い中判フィルムカメラを買ったことに加え、今通っている京都芸術大学の授業では三脚を使って撮影しないといけないので、 最近になって三脚を使い始めて気付いたことがあります。 それは「三脚を使うと構図がきっちりと決まる」ということです。 ①三脚を使うためさっと

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          毎日普通のものを撮り続ける意味

          今回はエッセイ的な内容になります。 僕は毎日朝起きたら散歩しながら写真を撮る習慣があります。 撮る場所は家の近所でルートも大まかに3パターンしかありません。 それぞれ数百回通ったルートで、いつも撮り続けています。

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          写真上達のために役に立った方法・効果がなかった方法

          あくまで当社比、という注意書きがあるものの、 個人的に「マジでやって良かった」と「誤解して理解して時間を無駄にしたな」という写真上達方法を書いてみました。 あとここに出てる方法はオリジナルのものではなく、誰かが言っていたことを実践した結果なので方法自体は全部パクリになります…笑 効果があった方法好きな写真を集めてコメントをつける 個人的にはこれが一番効きました。 大事なのは自分の目を鍛えること、審美眼を磨くことです。 この他の3つは鍛えた目に基づいて自分の手癖をやめる、

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          title: 逃げられない【写真作品】

          個人の作品として組写真を作りました。 夢ではふわふわとして早く逃げたいのに逃げられない、 現実では何に追われているかも、自分がどこにいるのかもわからない、 そんな感覚を表現してみました

          title: 逃げられない【写真作品】

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】ドキュメンタリーらしからぬ写真表現【クラウディア・アンドゥハル編】

          KYOTOGRAPHIEの振り返り6回目、クラウディア・アンドゥハル編です。 KYOTOGRAPHIEに行った人にも、行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! 人物などの概要1931年生まれとかなり歳をめされていらっしゃり、スイスでユダヤ教徒の父とカトリック教徒の母の間の子でホロコースト(ユダヤ人の迫害)の経験から社会的弱者のコミュニティに興味を持つようになったようです。 そして

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】ドキュメンタリーらしからぬ写真表現【クラウディア・アンドゥハル編】