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写真上達のために役に立った方法・効果がなかった方法

あくまで当社比、という注意書きがあるものの、
個人的に「マジでやって良かった」と「誤解して理解して時間を無駄にしたな」という写真上達方法を書いてみました。

あとここに出てる方法はオリジナルのものではなく、誰かが言っていたことを実践した結果なので方法自体は全部パクリになります…笑


効果があった方法

好きな写真を集めてコメントをつける

個人的にはこれが一番効きました。
大事なのは自分の目を鍛えること、審美眼を磨くことです。
この他の3つは鍛えた目に基づいて自分の手癖をやめる、コンフォートゾーンから抜け出す方法になります。

やったことは二つです。

①Pintarestで好きな写真を5000枚集め、そこから1000枚くらいに絞り、さらにそこから300枚くらいに絞り、その中でTOP100に絞る段階で300枚にそれぞれ何故TOP100に選ぶのか、選ばないのかコメントをつけていく

②写真集を買い、できるだけ毎日見る。5回くらいみたら感想を書く

見るだけではなく書くことで強制的になぜ良いのか考えました。
撮る時間よりも見る時間、考える時間が自分の写真を育ててくれたと思います。

2ヶ月くらいでPintarestのやつをやった時は写真が見違えるようになりました。

簡単な条件(開放、逆光、中望遠)で撮るのをやめる

僕は最初の頃、良いなと思う写真には共通点がありました。
それが開放、逆光、中望遠です。

開放ではボケの非現実感が、逆光ではエモい雰囲気が、中望遠では画角の狭さから余計な要素を排除してくれて見栄えの良い写真になっていると分析しました。
ただ本当に上手い人たちを見ているとこれらの要素を入れつつも、絞って順光で標準域でバンバン素晴らしい写真を撮っていました。

カメラを初めて買った人に写真を楽しんでもらうアドバイスは「開放・逆光・中望遠で撮れ」になります。
逆にいうと、そこが癖になると表現がそれしかなくなるので同じような写真ばかりになり、1枚だと良い感じだけど全体で見ると初心者っぽい、となってました。

そこから抜け出すためにあえて開放、逆光、中望遠を封印しました。

マニュアルのフィルムカメラで撮影する

フィルムカメラを使い始めた時、36枚のうち数枚はエモい写真が撮れるのですが、
全く良くなくてすぐ削除してしまった写真もたくさんありました。

それらはデジタルと違ってRAW現像で救うことはできません。
その状況で全て意図通りに撮るためには写真・カメラの原理を理解し、
マニュアルでそれを実践しなければいけません

マニュアルだと強制的に、身体的に写真の理屈が理解できるようになりました。

例えばデジタルだけ使ってると開放だと解像度が悪くなるとか知りませんでした(フィルムはセンサーによる補正がないので悪い解像度がそのまま目立ちます)
また光の条件が悪いと適正露出で撮ってもなんか白っぽくて雰囲気が出ないとかも実感できます。

良い光で意図を持って絞りとシャッタースピードを決める、という基本が身につきました。
フィルムカメラで自由に撮れるようになった後、RAW現像で無理やり良さそうにできるデジタルのなんと楽なことか…

モノクロで撮影する

色は人間の心理に多くの影響を及ぼします。日々、現像で自分の色を出すための研究をしている人も多く見ます。

色をうまく使うことも大事ですが、僕の場合は色に頼っていただけで、
フィルムの写真で自分が作ったプリセットが使えなくなった瞬間、自分らしい写真だと思えなくなりました。

また、モノクロを使うと色に過度に頼らないようになるだけなく、
光と影をよく見るようになりました

どういう光が良い光か、立体感を出すのが影なんだ、
とかLightroomで処理するのではなくその場にある光でコントラストとグラデーションを作るとか、そういう癖がつきました。

なので僕はデジタルでカラーで撮る時も画面はモノクロにしています。
そしてモノクロで良い写真は100%カラーに戻しても良い写真です。
デッサン上手い人は絵の具を使っても上手い、みたいなもんです。

効果がなかった方法

ここから先は「正しいけど、そのまま鵜呑みにすると効果が出ない」というものになります。
誤解なきようお願いします。

たくさん撮る

前提としてたくさん撮るのは大事です。
ただ僕は年間1万枚撮ってた8年間より、写真を見て考えることに時間を充てた2年間の方が圧倒的にうまくなりました。

たくさん撮ることは手癖をつけることに繋がります。
手癖とは自分の得意パターンばかりで撮ってしまうことです。
僕の場合は先ほどの開放、逆光、中望遠の他にまばらな光、差し込む光、広角での広い場所での写真などを思考停止で撮っていました。

たくさん撮ることの効果は
①意識してやっていることを無意識でできるように身体に染み込ませること
②たまに起こる不意の失敗により自分の予想を超えた写真を見つけること

だと考えています。

たくさん撮ることを目的としないように、思考停止にならないように、たくさん撮りましょう。

同じカメラを使い続ける

「機材はなんでも良いからとにかく撮ること」「同じカメラを使い続けること」という内容もよく聞きますし、これらも正しいです。

実際カメラやレンズはなんでも良いのですが、
デジタルとフィルムは全然違いますし、ミラーレスと一眼レフも違います。

僕の例では、50mmばかり使っていたのですが21mmを使ってみたら撮り方は全く違うことに気づき、より50mmの一つのものを見ている撮り方や自然な奥行きを活かせるようになりました。広角では全体を一つのまとまりとして見る目がつきました。
レンジファインダーを使ったら見えている画面(EVF)ではなく、現実にある目の前のものをよく観察する癖がつきました。
中判フィルムカメラを買ったら今まで使ったことなかった三脚を使って、しっかり構図を作り込むようになりました。少しでも安くするために自家現像をして、プリントもするようになりました。

好きなカメラを買って後は撮ることだけに集中すれば良い、という意見もわかりますが、
色んなカメラやレンズを使うことで違う世界に連れて行ってくれることを僕自身は何回も経験しました。そして自分の中で一つステージが上がったような感覚を得ることもしばしばありました。

ただCanon R6かSONY α7IVか、50mmのツァイスかGMか、みたいなのはマジで何も変わらないです(経験的な意味では)
ガラッとスタイルが変わるようなものを使うのはとても良い経験になると思います。

構図を意識する

ざっくりと日の丸構図と三分割構図を知っていれば良い、というのすらいらないと思います。

僕もその程度の知識はあったというか絵画の構図の勉強とかまでしたので、
すでに撮られた写真の構図の良さは説明できたのですが、自分が撮った写真はそうなっていないことに気づきました。
(そして悲しいことに自分の構図がなぜ良くないのかまで説明できてしまいました…)

なので構図を考え、意識して撮るのではなく自然に良い構図になってしまうのがうまい人だと気づき、
結局は目を鍛えて無意識で良い構図になる、ということが重要という結論です。

本当に大事だと思っているので何回も言いますが、
良い写真を見て、なぜそれが良いか考えましょう。
そして一回ではなく同じ写真・写真集を何回も見て何回でも考えて、
気がついたら目の前にあるものを適当に撮っても良い構図になってると思います

そろそろ怖くなったので改めて言っておきますが、
あくまで当社比で良くなったという話ですよ…?

自然光を使いこなす

「自然光で撮るのが自然で良い」というのはその通りなのですが、
ストロボを使ったライティングができないと自然光を"使う"ことはできません。
(発光した瞬間ブレさせるとか日中シンクロで背景を暗くするとかのテクニックではなくスタジオでのノーマルなライティングの話です)

目と美意識を磨けば「今、光が良い!」というのは感覚でわかるようになりますが、
ライティングの理屈を知る

良い光の条件を知る

自然光でそれが発生する場所や条件を作る

という順番が正規ルートです。
ライティングを知れば真昼間の太陽は真上からの直当てライティング、つまり良い光の条件じゃないと一発でわかります。
(この時間の撮影がダメと言ってるわけではなく、直射日光じゃなく光の柔らかい場所を探した方が良いとわかる、という話です)

自然光は使うのにハードルがないし、うまく使えばそれこそ自然なライティングになるので使うべきなのですが、
「自然光しか使えない」のと「あえて自然光を使う」のは全く能力が違い、
自然光を使いこなすためにライティングは練習、もしくは理屈の理解はした方が良いと思いました。

濱田英明さんはほぼ自然光で撮っていますが、光やライティングの原理を理解して自然光を使っているので初めてストロボを使っても超絶上手いです。

僕自身、ライティングを知ってから自然光での撮り方が完全に変わりました。

ライティングの勉強はProfotoのサイトを何回も見るのがおすすめです。
セミナーとかは行かなくても大丈夫ですが、商業フォトグラファーがやっているやつに1回行けば相当わかると思います

あとがき

さらっと適当に書いた割にすごいボリュームになってしまいました…

こういう理屈だった写真の話が好きなのでよければフォローしてください!

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