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詩「青い空の砂」


夢だったのだろうか
見渡す限りの青空に
ふわふわ流れる白い雲
そのすべてが砂だったとき

ぼくは乗っかっている
空中に浮かぶ性欲の
掻きむしって穴を掘って
煙のように霧消することを願った

透明だった冬
思い出に油絵を重ねる
きみの顔がきみの顔から遠ざかっていく
景色とは流動的だと知った春

砂の上から見下ろすと
一面の青い海
とても深い海
誰もいない海

ほんとうに恐れていたのは
実は孤独なんかじゃない
ぼくは一人ぼっちの歌より
二人並んで撮る写真が嫌いだった

きみの声が聞こえそうだから
宇宙と呼ばれる嘘の世界から
嘘ばかりだったきみの言葉が
憂鬱なタバコの残り香で

ようやくぼくは目を覚ます
それでもそこは砂の上
遥かな海の青い空の中
きっと笑ってる

きみは笑ってる
ぼくだって負けてはいない
カラカラと砂のように
笑いながら崩れながら


――――――――――――――――――

※2022年2月の作品です。



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