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覚書、2024

10年前、欲にあふれギラギラした眼で舞台に立ってた同世代の俳優が40歳を目前にして疲れ果て、半分抜け殻のような姿でいるのを目の当たりにし、かつての自分を、先輩の言葉を思い出す。「(えつこの芝居には)『俺を見ろーーーー!!!』っていうのがあるよね」。

歳を重ねて、何か分別でもついたような、わきまえたような気分になってしまっていた。後進に席を譲らねば、年甲斐もなく前へ前へ出ようとするのはみっともない、売れてないベテランは脇役として若きのサポートに徹するべきなのだ、って。

んなこたない。前へ出ていいのだ。老け込む必要なんてない。生きねば。何のためにそこにいるんだ。

あと最近、いろんな同業者と話していて「俳優活動の持続可能な方法を模索してる」って言ってるけど、あれ、ウソ。持続させなきゃなんて思ってない。嫌になったら辞めるし飽きたら辞めるしもっと命を賭すべきものが出てきたら辞める。今は他に生きてる実感が得られるものがないし、芝居以上に自分が人の役に立てるものがない。だから続けてるってわけでもないけど。ただ、いつ終わってもいいように、ナッシング・トゥ・ルーズではいたいなと思っています。

攻めの方向に振ってもいいのかもしれない、今年は。厄年ですけども。

etk.


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