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パリのワカメちゃん、パイを編む〜ばらのりんご三つ編みタルト

昨日、半年ぶりに髪を切った。それはもう潔く、ばっさりと30cmくらい。

ハイキングウォーキングQ太郎から、パリジェンヌ風ワカメちゃんに華麗なる変貌を遂げた私(髪型の話)。

こちらに来てからの数多の悪運とか、Confinement (外出禁止)のストレスが、髪とともにばっさり落ちてくれた気がして、なんだか身も心も軽くなった。個人的に大変気に入っているため、無駄に機嫌が良く、Otto氏も喜んでいる。

そういえばConfinementが明けて、うちのOtto氏が一番先に予約をいれたのが美容院だったなあと思うと、やっぱり髪型とか身だしなみ、元ビューティ企業社員的には、スキンケアもメークも大事よね、と思う。

大人のバナナの記事も、うれしいことに編集部さんがおすすめしてくださったみたいだし、空は青く、セーヌ川を臨む眺めは今日も美しい。モナリザも微笑んでいる。世の中捨てたもんじゃないな…と思いながら、久々の犬不在散歩をし、帰宅。

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右岸側から眺めるセーヌ川

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7月6日からルーブル美術館は再始動 
微笑みを見に来てねと、モナリザが微笑む

今日は今日で、例の如くマルシェをぶらぶらしていたら、フランスでたまにいる日本人好きで片言の日本語を話せる年配のムッシューに、「日本人ですか?あなたは一番きれいな日本人だ」と声をかけられた(こういうの、昔はよくあった)。 

面倒だな…と思いつつ、今日の私は機嫌が良いので、振り切らずにお互いマスクのまま、10分くらい立ち話に付き合って差しあげる。ワカメちゃん効果で他人にも優しくできる。

髪の話をしたので、今日は、Confinement中のクリエイション、ローズ・ド・ポム(りんごのバラ)にインスパイアされたおやつ、ばらのりんご三つ編みタルトについて書いてみようと思う。

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こちらがそのクリエイション 
りんごに着色してバラの形にして焼き上げた

Tarte aux pommes(りんごのタルト)は、超甘党&お菓子作りも大好きなOtto氏の定番。いつも私は食べる専門なのだが、最近暑くて通勤も大変そうだし、仕事も忙しいようなので、あえて私がOtto氏の好物を作って差し上げることにした。

型は、直径20cm、高さ2.5cmの底取れタイプの型を使用。引っ越しのたびに買っているので、おそらく実家には3つくらい眠っているんじゃないかなと思うくらい、個人的には一番使える型。

【材料】

・りんご;色違いで3〜4つくらい。
なお、フランスではりんごの種類も豊富。今回は下記写真左からジョナゴールド、ゴールデン、あとひとつ忘れた、の3種類購入。一番右の緑だけ小さかったので2つ使用で、残り2種は1つずつ使用。なお、色違いにしたのは私の単なる好奇心なので、赤だけでもまったく問題なし。

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・グラニュー糖;大さじ3

・レモン汁;適量

・お好みのジャム;適量。先日、ルバーブのタルトを作ったときのあまりのルバーブジャムがあったので、こちらを使用。りんごはそんなに癖がないし、桃でもアプリコットでも苺でも、お好みのジャムでいいと思う。

・市販のパイ生地;1パック。大人のバナナと同様、Herta製 Pâte Feuilletée(直径32cm、280g入り)を使用。日本の普通のスーパーで売っている市販の冷凍パイ生地で無問題。

・卵;1個。よく溶いておき、パイ生地の艶出し用として使う。使う部分は縁の部分のみなので、余ったら二次活用。ちなみに我が家では、卵をもう2個足して、オムライスのオムとして使用した。

・カソナード;焼く前にりんごに振りかける用。量はお好みで。グラニュー糖でもいいと思う。

【下準備】

・オーブンを180度に温めておく (オーブンレンジの場合は、先にレンジを使うので、レンジを使い終わってから予熱にとりかかる)

【作り方】

1、各種りんごはごく薄切りにして、1種類ずつ耐熱ボウルに入れる。大さじ1のグラニュー糖と少々のレモン汁をふりかけて、ラップかレンジカバーをし、リンゴがしんなり柔らかくなるまでチンする。ワット数がわからないうちのレンジでは、真ん中の強さで2分くらい。これを3種類とも行う。

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3種類とも準備が整ったところ。

2、パイ生地を、添付のクッキングシートがついたままタルト型に敷き詰める。クッキングシートがついていないor自作生地(尊敬)を使う場合、型にバターを塗っておく。

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3、隙間なくきれいに敷き詰めたら、周りの生地とはみ出しているクッキングシートを縁に合わせてきれいにカットし、生地の底面はフォークでランダムに穴を空ける。

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周りのクッキングシートは切っても切らなくてもいいかも 
私は縁に合わせてこの後切ってしまった

4、底面部分に、お好みのジャムを敷き詰める。

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って、あああああ! 
写真、ちゃんと撮ったはずなのに。なんてこった!

5、バラをイメージしながらりんごを美しく並べていく。コツとしては、3点の芯の位置を大体決めることと、芯部分からスタートさせていくこと。あと、色違いで作る場合は、枚数の多いものを最後にとっておくこと(今回の場合、2つ使った緑部分)。

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緑と黄色の違いが写真だとよくわからないけど、実物は3色

6、これで終了し、上からカソナードを満遍なくかけてオーブンに入れてしまってよい。
でも無駄嫌いな私は、2の工程でカットしたパイ生地のあまりが結構あったので、完全なる思いつきで、縁を飾り付けることにした。以下の工程は、写真とキャプションにて。

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まず、カットした部分を3等分にして、

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伸ばしてきしめんっぽくして、

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ひたすら編む。結構長い道のり。

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完成!なかなか美しい三つ編みができた。

7、三つ編みパイを、型の縁に巻いて密着させて、三つ編み部分に上から卵黄を刷毛で塗る。カソナードをりんご部分に振りかける。

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8、180度のオーブンで40分から45分くらい焼く。

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焼いているときは、いつもワクワクが止まらない

9、美しい焦げ目がついたら、完成。

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ちゃんとdorer(卵で艶出し)したので、縁が美しい

このタルトのポイントは、もちろんローズりんごもなのだけど、思いつきで実現した三つ編み額縁の存在も大きい。 スイカモッツァの額縁きゅうりに並ぶ、個人的優秀作品ではないかと思っている。

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何を隠そう、私は小学校から中学にかけて、ほぼ毎日おさげ髪の少女だった。自分で両サイドの三つ編みを結っていたし、当時流行っていたミサンガなんかもよく作ったものだ。さらに、鍵編みや普通の編み物にも一時期手を出していた、年季の入ったいわば「編み師」なのである。

三つ編みで飽き足らず、Confinement中には四つ編みのブリオッシュなんかも作ってみたりして。ヒモっぽいものを見るとどうも編んでみたくなる性分らしい。

田舎のおさげ髪の少女も、今ではパリジェンヌなワカメちゃん。若かりし頃、身体に刻み込まれたたしなみは、今でも十分違うかたちで役立っている。


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Confinement中に読んだフランス人作家の本
伏線の回収がお見事






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