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週末のはじまりは、1リットルのビールとともに〜ズッキーニと生ハムの週末アペロール

発端は、土曜の朝のOtto氏の発言。

「今後土曜日は、chefと交渉した結果、午後イチで仕事終われることになったから」と。

言ってることがよくわからないので思わず聞き返したら、多分夏のみの期間限定らしいけど、土曜日は14時くらいには帰ってくるらしい。さすがハードネゴシエーター。

ちなみに我がOtto氏の定休日は毎週日・月曜日。
それに加え、フランス労働法で定められた年間5週間の有給休暇プラスRTTという時間調整休暇が入る。それらの休暇を、フランス人のプライドにかけてってくらいの勢いで意地でも消化するので、結果、しょっちゅう休んでいる。

そんな感じなので、この人一体、ちゃんと仕事してるのかしら?と付き合い立てのころはずいぶん不思議に思ったものだ。実際、平日は朝7時出発で夜20時から21時帰宅、ランチ時間は自分のオフィスで15分くらいのObentoタイムだそうなので、そんな心配は杞憂なのだけど。

「3ヶ月に一度、1週間以上のバカンスを取らないと心身がもたない」と豪語し、私が東京に帰任した際は、2ヶ月に1度のペースで日本にきてくれていた。明日羽田にいつもの便で着くからとLINEが来て、いやいや10000kmあるでしょうがあなたと突っ込みたくなったものだ。
まあ、おかげで今の関係と生活があるので、感謝、感謝なのですが。


・・・と、褒め称えている場合ではない。土曜日に氏がランチをうちで食べるということ。それはつまり、私の平穏でプレシャスな土曜日のひとりランチ時間が脅かされるということを意味する。

土曜日のお昼といえば、大抵NISSINかSAPPORO。カップ系か袋系。生卵か半熟卵。お湯だけで済むごちそう麺系が圧倒的に多い。これをひとりで食すのが幸せだったのに。

もちろん彼に同じものを作っても食べると思うけれど、最近夜も頻繁に麺だし、なによりこれはひとりで無駄に実況なんかしちゃったりしてテンションを上げながら、故郷を懐かしみつつ孤独に頂くのがオツなのだ。
BGMは王様のブランチといきたいところだが、もちろん観られないので、Youtube動画を。

ということで、麺はあっけなく却下。

週末の遅めのお昼に何を作ろうか、冷蔵庫をのぞく。

・・・と、おお!2本ある。

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今までの一皿エトセトラにもしょっちゅう登場する、フランスのどこのスーパーにでも売っている直径32cmのパイ生地。

そういえば、近所の某スーパー○プリでよく見かける、「2つ買うと2つ目が50%オフ」っていう札にまんまと引っかかって買っていたものだ。

消費者心理として、50%という数字にまず飛びついてしまいたくなるが、2つ買って2つ目が50%オフなので、実質1個あたりは25%オフにしかならないんだよな…。

昔、値段をよく見ずに買い物をしていたときは、ひとつで50%オフなんてお得ー!と飛びついてそのまま買っていたような気がする。バカすぎてセーヌ川に飛び込んでしまいたい。

話を戻して、このPâte feuilletéeは汎用性がとても高い。
ただ、タルトなどに使うサブレ生地やキッシュなどに使うブリぜ生地と異なり、自分でつくるのが限りなく面倒かつ難しい。
なので、複数買いしてもおそらくちゃんと使うだろうとの目算で購入していたのだった。

これを使ってなにか軽めランチっぽいものができないものかなあと思い、自分のnoteを眺めていたら、この記事でインスピレーションが湧きでてきた。

これを塩っ辛いバージョンにしてみてはどうだろう?

つくることに関しては、思いついてから実行に移すまでが電光石火の如く速い私。

早速、トライしてみたところ、二人で昼間からビールを1リットル飲み干してしまったくらいの出来。お酒が進むよきアペロつまみが完成した。

ということで、今日は本当は別の一皿について書こうと思っていたのだけど、予定変更。この週末アペロールについて書こうと思う。

ちなみにこの「週末アペロール」は、「週末」の「アペロ」に、誰かとわいわい食べる「ロール状のもの」という意味を込めて勝手に命名した。この時期に大活躍のイタリアンリキュール、アペロールとはまったくもって関係ないので、あしからず。


ズッキーニと生ハムの週末アペロールの材料

・市販のパイ生地;1パック。日本では、普通のスーパーで売っている日清製粉とかのパイシートで。
・ズッキーニ:1本
・生ハム:100gくらい
・フレッシュチーズ:100gくらい。今回はフィラデルフィアクリームチーズのぬるタイプを使用。
・タイム:適量(あれば)
・オリーブオイル:大さじ2
・塩、胡椒

ズッキーニと生ハムの週末アペロールの作り方

0、大人のバナナチョコロールでも使用した、16cmのセルクル型を用意。
型の内側の半分の高さまで分量外のオリーブオイルを塗っておく。
オーブンは180度に余熱。

1、ズッキーニをスライサーで薄切りにする。

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2、パイ生地を広げて、クリームチーズを全体に塗り、黒胡椒をふる。
私はこの時点で黒胡椒をうっかり振り忘れて、巻きの途中の段階で振りかけたけど、この時点で振っておくとよいと思う。

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3、大体3cmくらいの帯状になるように、生地を均一に切る。直径32cmだから、10本できるのが目安。

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3、1本の帯ごとに、ズッキーニ→生ハムをのせる。ちょっとずつ端をあけておくとよし

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4、1本ずつ、端からくるくると巻いて、巻き終わりの端をきゅっと止める。

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5、オーブンシートを敷いた天板に、内側にオリーブオイルを塗っておいたセルクル型をのせて、ロールを一つずつ並べる。バラっぽくてテンションが上がる。

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6、10個全部詰め終わったら、オリーブオイルを上からまわしかけ、タイムをのせて軽く胡椒をふる。

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7、180度のオーブンで45から50分、最後に200度に温度を上げて数分焼いて、出来上がり。

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8、やけどに注意しながら、型と本体の境目をナイフなどでぐるりと一周する。これだけでもいいけれど、緑が欲しいなと思い、ルッコラで周りを囲んでみた。

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まるでつばめの巣みたい。

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これはOtto氏の高性能Galaxyカメラで撮影したもの


このロールをちぎって、お好きなソースにつけてもよし、生ハムの塩分が強いので、そのままでも十分だ。結構ボリューミーだけど、2人で8ロールは一度に食べた。

暑いので今日のお供はビールにしたけれど、もちろんワインでもカクテルでもジュースでも、なんでも。
私は白ビールが好きなので、1664のホワイトかヒューガルデンにレモンの輪切りを入れるのが定番。

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フランスの朝の全国放送でも、日本(特に東京)はコロナ第2波到来とのニュースが流れているくらいなので、外出自粛で友人たちとのホームパーティは難しいかもしれない。

でもそんなときこそ、週末のブランチに、家族でワイワイしてみてはどうだろう。うちはふたりだけだけど、週末のはじまりを祝して、ワイワイ!ひとりでももちろん、残った分は冷凍して、ひとりワイワイで!


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実家の父がつくる野菜が食べたい今日この頃。



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