「子どもたちに民主主義を教えよう」理論と実践から教育の本質を解き明かす①
今回は、ものすごくよかった本を紹介します。
私のnoteを読んでくださっていて「あ、気になるタイトルだな」と思った方であれば、必ず楽しめる1冊です。
以降は、私がこの本を読んで感銘を受けた部分や、著者のお二方の理論と実践がいかに素晴らしいかを伝えていく、公開ファンレターです 笑
教育における理論と実践の最高峰がタッグを組んだ
麹町中学校の校長として数々の学校改革を実践され、教育について手触り感のある発信をなさっている工藤勇一さん。
哲学者として、「教育は何のためにあるのか」という本質を追求し続けていらっしゃる苫野一徳さん。
このお二人とも、大好きでして。
ご著書も拝読しており、いつかはnoteで紹介したいと思っていました。
そうして私がぼやぼやしているうちに、タッグを組んだ対談本が出版されるというではないですか。これはもう、書くしかない。
私成分で薄めるよりも、原液の本をそのまま摂取していただいた方が本質が伝わるのではと思いつつ、ただただ好きなので書きます。
民主主義は「多数決で物事を決める」ではない
本に巻かれた帯で「多数決の問題点、分かりますか?」という問いかけがなされています。
この本を読む前の私は、「えーっと、多数決は選ばれなかった方の意見が無かったことになるのが問題、だよね?でも、選挙も議会も最後は多数決だからなぁ」というくらいの理解でした。
つまり、少数派を黙殺はするけど、大体の人が概ねオッケーと感じられる多数決が民主主義のメインだ、と思っていたわけです。
ところが、本の序盤も序盤でそれが否定されます。
工藤さんが考え実践してしていらっしゃる「民主主義」とは、対立意見を持つ人たちが「誰一人置き去りにしないためにはどうしたらいいか」を共通のゴールにして、みんなで考え続けることなのです。
この、誰一人置き去りにしないというのは、「みんながOKと言える最上位目標」とも言い換えられています。
例えば、A派の人とB派の人がいたとして、多数決でA派に決まるとB派の人にしこりが残ります。
だからと言って、誰かが裁判官になり「うんB派の方が正しい」と決めてしまえば、今度はA派の人が納得できない。
根本的な問題解決のためには、A派の人とB派の人の望みの根っこまで遡っていき、どちらもが求めている「最上位目標」をまずは見つけ出す。
そして、それを実現するためにどうすればいいのかという対話を重ねていく。これがこそが民主主義だ、と。
これは衝撃でした。
民主主義の国に生まれて生活しながら、民主主義が分かっていなかったのです。
まだまだお伝えしたいことがあるので、次回に続きます。
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次は、今回ご紹介した「最上位目標」とともに民主主義の根幹となっている「自由の相互承認」についてまとめます。
↓次回↓
意見の違いが起きたとき、どちらもが合意できる最上位目標まで遡る。
これは、長男が小1で不登校になった時、私たち夫婦がやっていたことでした。
子育てで一番しんどかった時期ですが、この時の対話を通じて夫婦の相互理解が深まったので、あれは民主主義だったのだなぁと思います。
↓こちら↓
「不登校」や「ホームスクーリング」など様々なテーマで連載をしているため、全体をまとめたページを作っています。
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