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読書と学び

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年度末に、学校の先生とSNSについて考えてみる

先生とSNSの関係性について、ちょっとした気づきがあったので綴ります。 「やってるけど見るだけなんですよー」の意味地域の面白そうなイベントやワークショップに参加すると、「実は教員をしていまして」という方に出会うことがあります。 楽しくおしゃべりをしたあと「インスタとかFacebookされてますか?」と水を向けると返答はこのどちらか。 Bについては「アカウントあるけど繋がるのまではちょっと…」という意味だなと判断し、「じゃあまたどこかでお目にかかれたら、よろしくお願いいたし

「夢みる小学校」の上映会からの気づきー動き出せば繋がれるー後編

前回、映画夢みる小学校の上映会で生まれたつながりについて書きました。 日々暮らしている地域で「多様な学び」について発信することで気づいたこ戸をお伝えします。 ↓前回↓ リアルで活動することのリスク夢みる小学校の上映会から始めたこの活動に、一番勇気をもらっているのは私です。 noteやyoutubeで講演をしていると忘れがちですが、日本においてホームスクールはまだまだ少数派。 まして、農業を基幹産業として横のつながりが強い小さな町で、大っぴらに話すことにはリスクが伴います。

「夢みる小学校」の上映会からの気づきー動き出せば繋がれるー前編

今年の春に、地域で映画「夢みる小学校」の自主上映会を開催しました。 そこから数ヶ月間で感じることをお伝えします。 ↓上映会のお話はこちら↓ 上映会後のおしゃべり会が大盛況夢みる小学校の上映会から引き続く形でに「感想シェア会」を開催しました。 人口1万人を切る小さな町なので、運営スタッフを含めて20人も集まれば御の字だなと思っていたところ、なんと50人以上の方が参加し「子どもの未来のためにできること」をテーマに、熱の高いやりとりが生まれてたのです。 せっかくなので月1開

映画「こどもかいぎ」を見て感じた、対話に年齢は関係ない

前回は「夢みる小学校」という映画の自主上映会について振り返りました。 実は、上映会の準備を進めていく中で「これもおすすめだよ!」と複数の方から紹介してもらった映画の感想です。 前回はこちら 6歳児の「対話」を映し出す作品「こどもかいぎ」という映画をご存じですか。 2018年撮影、2022年7月公開の作品で、とある保育園を舞台にしたドキュメンタリー作品です。 この映画の主題である「こどもかいぎ」は、撮影された2018年の春から実験的に始まった出来立てほやほやの取り組みです

夢みる小学校の自主上映を開いたら100名以上の人が来てくれました②

人口1万人を切るまちで、夢みる小学校の自主上映を開いたお話。 前回からの続きです ↓前回↓ みんなに楽しんでもらうために奔走開催日時と会場が決まったら、申し込みフォームを作り、チラシを発注。 さらに、 「子ども連れの人にもじっくり見てもらいたいから、託児を用意しよう」「少し大きい子は、会場の後ろ側で静かに遊べるスペースがあったらいいよね」 「手話通訳の希望が来たけど、そこで手配すればいいんだろう?」 などなど、検討すること、調べることがどんどん出てきます。 みんなに作品

「夢みる小学校」の自主上映を開いたら100名以上の人が来てくれました①

ちょっと前に、自分の住んでいる地域で映画「夢みる小学校」の自主上映会を開催しました。 今回は、そのイベントを通じて感じたことや、これからやっていきたいことについて綴ります。 きっかけは「うちの町でもやりたい」という呟きとてもいい!という噂は聴いていたものの、見逃し続けていた「夢みる小学校」という映画。自主上映会が隣町で開催ということで早速申し込み、家族で観に行きました。 作中では、子どもファーストな教育を実践している素敵な大人や、生き生き成長する子どもが描かれています。

「子どもの誇りに灯をともす」②学校の文化が子どもを伸ばす

アメリカで20年読み継がれているプロジェクト型学習のバイブル。 「子どもの誇りに明かりをともす」の紹介記事、前回からの続きです。 ↓前回↓ 人間性や真摯に課題に取り組む力を伸ばすには生きていくうえで大切なのは、誠実な人間性や、課題に真摯に取り組む姿勢、その仕事のクオリティです。 それを伸ばすため、ICTの活用やアクティブラーニングなど、真新しい手法が次々と現れていますが、著者は「それひとつで全てが改善する、魔法のようなやり方はない」と言い切ります。 必要なのは、新しい文化

「子どもの誇りに灯をともす」①アメリカで20年以上読み継がれるプロジェクト型学習のバイブル

こんにちは、結(ゆい)です。 今回は、最近発売された本のご紹介、アメリカで20年前に発売された伝説的著作の日本語訳版です。現在の日本にも共通する点が多々あると感じました。 子どもの誇りに灯をともす著者 ロン・バーガー氏 / 翻訳 塚越悦子氏 / 解説 藤原さと 氏 ハイ・テック・ハイというのは、アメリカにある公立高校。 演劇やアートなどの作品づくりを通じて学んでいくというのが特徴的で、生徒が制作した作品は近隣住民などを招いた発表会の場で披露されます。 この様子を収めたM

他者の靴を履く~エンパシーという概念は不登校にも共通するかも~

こんにちは、結(ゆい)です。 今回は、私の趣味である読書から感じたことや学びについて書いていきます。 他社の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ ブレイディみかこ著エンパシーってなにエンパシーという言葉について、掘り下げた本。 これは、他者の感情や経験などを理解する能力とされていて、タイトルにもなっている「他者の靴を履く」ということです。 日本語訳すると、エンパシー=共感とされることが多いので、シンパシーと混同されがちですが、イギリス在住の著者はこのように考察を深め

不登校の先にあるもの~不登校当事者400人を取材している 石井さんのお話~

1998年から不登校当事者の声を届け続けている不登校新聞。 代表を務める石井志昴さんは、20年間の活動を通じて400人を超える不登校当事者とお話をされ、その人生に触れています。 そんな石井さんのオンライン講演会を聞いてたくさんの気づきがあったのでシェアします。 行きしぶり段階の対応で必要なのは「生返事」子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親はどう対応すればよいのでしょうか。 不登校関連の本では、まずは子どもの気持ちの寄り添い「わかったよ、ゆっくり休もう」と言いましょ

叱る依存が止まらない後編~なぜ叱ってしまうのか~

「叱る依存が止まらない」(発行 紀伊国屋書店/著者 村中直人 氏)のご紹介の後編です。 前編では叱るの定義と、叱るには効果がない理由をお伝えしました。 前編 「叱る依存が止まらない」前編~叱るには効果がない~ ↓本の購入はこちらから↓ 前編のおさらい叱られてネガティブ感情を与えられた人は「防衛システム」が働き、戦うか逃げるかしか考えられなります。 その結果、次のようなすれ違いが生まれるのでした。 脳の冒険システム脳には、防御システムとは真逆の働きをする冒険システムもあ

「叱る依存が止まらない」前編~叱るには効果がない~

今回は、「叱る依存が止まらない」(発行 紀伊国屋書店/著者 村中直人 氏)のご紹介です。 日々叱りすぎてないか心配、叱らないようにしたいのに叱っちゃう…という方にぜひ知っていただきたい1冊。 この本における「叱る」の定義著者の村中直人さんは、臨書心理士・公認心理士として、発達障害への支援や、支援者養成の活動をなさっています。 さらに、発達障害と呼ばれる現象をより正確に理解するために、科学や認知科学についての知見も深めていらっしゃいました。 そんな村中さんは、「叱るには効果

「夢みる小学校」に通えなくても出来ることはある、と思う。

前回ご紹介した映画「夢みる小学校」という作品に出てくる学校は、どれも子どもファーストな環境で、みんなが生き生きしています。 前回 映画「夢みる小学校」ってどんな作品? でも、自分の周りにそんな学校はないから無理だ…なんて諦めるのはもったいない!ということをお伝えします。 「特別な学校」を知ってしまうと、そこに通えないという事実にヘコむ映画「夢みる小学校」で紹介されているのは、私立の「きのくに子どもの村学園」、公立の「伊那小学校」と「世田谷区立桜丘中学校」の3校です。 ど

映画「夢みる小学校」ってどんな作品?

子どもファーストな方針を貫く学校を追ったドキュメンタリー映画「夢みる小学校」をご紹介します。 勉強のための勉強ではなく、やりたいことのための学び夢みる小学校は、「きのくに子どもの村学園」という学校を中心にしたドキュメンタリー映画です。 この学校では、「国語」「算数」などの教科授業はごくわずか。 1日のほとんどは料理、木工、建築など目的別の「プロジェクト」という授業に充てられています。 子どもたちは自分が取り組みたいもの選択し、1年かけてプロジェクトを進める中で、必要に迫