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母の短歌1・春の朝陽よ 水ぬるめてよ

あいさつを 交わす河原の
鳥たちに 春の朝陽よ
水ぬるめてよ
 
やわらけき なをやわらけき
細き茎 花つけて立つ
朝露の中
 
水の輪に しばし憩える
水すまし ふんばる足は
細き針金
 
手のひらに 水面の月を
すくいきて キラキラかがやく 
映えに魅入る
 
鼻緒をも 濡らす野草の
小路ゆく おぼろ月夜に
漂うは夢
 
(木下タカ作)

(木下タカの他の短歌作品14点は長野ゆうほ著「地球自転の音のない音」の小説の中に組み込まれてあります。)


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