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【日本一周 東北編13】 山形のルネサンス建築:文翔館

・ホワイトなハウス

 八時に起床し、昨夜、宮島と釧路が夕飯を買ったマクドナルド(歩いていくにはかなりの距離にあった)のドライブスルーで朝マックを買う。運転席の私は、鶴岡ICから高速に乗る前には食べきらなければならない。そのため、赤信号の十数秒が勝負となる。いやはや、ゆとりのある旅をしたいものですな。

 雪のちらつく山中をぬけ、文翔館に到着した。脇にはミニ日本庭園があり、トイレに行った宮島と尾道を待つ間、釧路と和風ショットの撮影会に勤しんだ。彼は顔が整っているのに、ファッションにからきし興味がないために出で立ちが中学生の頃とまるで変わらない。本人は満足しているからよいのだけど、カメラを持つものの端くれとして「一度大改造してみたいものだ」とおせっかいをとろ火にかけた。

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 いよいよ文翔館の前顔と対面し、まずはその巨大さに驚かされた。奈良の東大寺…ほどではないが、それと対峙したときに現れる巨大さに対する感動を催した。そして美しいのは庁舎に使われている石材の白さである。露光の関係で写真ではイマイチ伝わりにくいが、灰色のくすんだコンクリートビルを日々目にしている我々にとって、贅沢な石造りによって生かされる素材の持ち味は魅力的に映った。

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 さらには内部の装飾も凝っていて、漆喰の花々が咲き乱れる会議場であったり、光の取りこまれるアーチ状の講堂であったり、醸し出す高級感は共通していながらそれぞれの空間によって異なるコンセプトを感じることができた。特に気に入ったのは、すみの部屋のすみに置かれた白い立体作品である。不定形に彫り出された白い石はこれでもかと言うほどに磨き込まれており、いつまででもさわさわしていられた。

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滑らかなることこのうえない

 旅行から帰ってきてから文翔館で撮影されたという「賭ケグルイ」を視聴したため、今ならデジャヴの感動を味わうことができるのになぁと、取り沙汰できないことを思った。旅行においてある程度予習することは大切だよ、ということを今更ながら思います。

明石

・建築を楽しむPart2

 3日目。朝食に昨夜購入したパルムを食べよう思ったら、完全に溶けていて、朝から気持ちが萎えた。自分が冷蔵庫にアイスを入れる馬鹿野郎だとは。というわけで、本日初めて口にしたのは、文翔館に向かう道中でドライブスルーした朝マックである。一昨日の早朝にも食べたが、私の中で「朝マック=旅の朝食」という図式が確立しているため、いやでも高揚感を抱いてしまう。そうだ、今旅してるんだ自分。

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 ところで、目的地に近づく車内は、猥談の域を超越した犯罪トークに花を咲かせた。これから向かう文翔館は、浜辺美波や池田エライザが出演した映画「賭ケグルイ」のロケ地。ここから発想が飛躍し、「全ての〇〇を超綿密に検査すれば、彼女らの〇〇を採取できるのでないか」という意見が生まれた。ことわっておくが、最初に発言したのは私ではない。

 そうこうしているうちに到着。建物脇に広がる庭には、数種類の木々が植えられており、赤、黄、緑と思い思いの色で我々の目を楽しまれてくれる。

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 建物の正面に立つと、第一にシンメトリカルな構造美に目がいく。重厚な石造りが時計台を軸に左右に広がり、入り口には荘厳なポーチが突き出ている。その上はバルコニーになっていて、文翔館からまっすぐ伸びる国道112号線を見渡せる格好だ。

 中に入ると赤絨毯が敷かれた階段が迎えてくれる。賭ケグルイのファン、宮島曰く、この階段は作中に登場する場所とのことなので、明石とのツーショットを撮っておいた。

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 茶黒く重厚な光沢を帯びた階段は、踊り場を境に二手に分かれて反対方向に続く、という造りをしている。二階の部屋は、どこも絨毯が敷かれ、上等な机といすが備え付けられており、いかにも権力者のための空間といった趣きだ。ロの字の造りをしているこの建物の真ん中には、中庭が設けられ、360°レンガの壁に囲まれる。「閉じ込められたら怖いねぇ」なんて言いながら、後にした。最後に宮島が持参したGoProで全体写真をパシャリ。これにて約1時間の見学が終了。無料で大満喫できた。

尾道

・メンバー
明石、尾道、釧路、宮島


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