新しい価値観を生む~Tensegrity Yoga®︎~ とは?
スポーツ現場でトレーナーをしています、竹田祐平です。
今回は、【Tensegrity Yoga®︎】を紹介させて頂きます。
私は鍼灸師です。
そんな鍼灸師の私は、現場で選手の身体について思考を巡らす際に、最初は経絡みたいなことをイメージしています。
それに加えて、アナトミートレインなんかの筋筋膜経線もイメージに付け加えます。得意ではありませんが、経絡や筋膜から人体を紐解くことが大好きです。
そして、5年前くらいから、
「結局、人の身体って引っ張り合い」じゃない??と思い始めました。
そんな時に〝テンセグリティ〟という言葉を耳にし、それまでの自身の考えを紐づけることが出来ました。
そこで、ネットで「テンセグリティ」と検索したところTensegrity Yoga®︎が出てきたので、速攻でTT受講を決めました。
そんなこんなで取得したTensegrity Yoga®︎について、私の想いも乗せてお伝えします。
Tensegrity Yoga®︎とは
ACO氏が数々のヨガを学び、行き着いた現在のスタイルを独自のメソッドとして考案したヨガです。
その特徴は、Tensegrityを利用したヨガです。
アーサナ(ポーズ)だけでなく、物事を捉える思想にまで好影響をもたらすヨガです。
Tensegrityとは、
Tension(テンション) + Integrity(統合)
この2つの言葉を掛け合わせて作られた造語です。
バックミンスター・フラー氏によって作り出されました。
Tensegrity構造のシステムは、
「引っ張ろうとする力」と「圧縮する力(戻ろうとする力)」
によって、互いに引っ張り合い、自立安定する構造です。
建築の世界ではよく使われているシステムです。
こういうおもちゃ見たことありませんか?
6本の木と6本のゴムのみで構造物として成立する模型です。
このシステム、身体の構造とも似ていると思いませんか?
このシステムを人体に転用すると、
筋膜や筋肉などの張力と骨の圧縮力
が、互いに力を打ち消し合ってバランスを保っている。
主動筋が収縮したら、拮抗筋が弛緩したり。
収縮したあとは、弛緩したり。
そんな自然と行われている人体の反射とも似ています。
構造モデルとは、
このシステムを考える上で抑えておかなければいけない考え方です。
構造モデルは大きく2つに分けられ、
圧力モデル:重力が下へ下へと伝わり、構造を安定させる
張力モデル:上下左右前後に拡がり、構造を安定させる
人体は、張力モデルに分類されます。
つまり、下へ下へと圧力を加えていくのではなく、上下左右前後の様々な方向に引っ張り合う必要があります。
Tensegrity Yoga®︎とは、このTensegrityシステムを人体に転用したヨガであり、その思想を大切にするヨガです。
さて、ここからTensegrity Yoga®︎の魅力について詳しく解説していきます。
Tensegrity Yoga®︎の大切な考え方を4つ紹介します。
①3つの力
②軸とは
③安定とは
④DO MORE WITH LESS
①3つの力
Tensegrity Yoga®︎には、3つの力があります。
〈調整する力〉その一瞬の様々な状態を考慮した中で、最善のバランスを整える力
〈修正する力〉刻一刻と変化する状況下で、常に最善のバランスへ修正する力
〈持続可能にする力〉決して無理をせず、最小限の力で充分な機能を生み出す力
この3つの力を基に、思考を巡らせ、アーサナを行います。
ただポーズをとるだけのヨガではありません。
そうすることで、〝自分自身との対話〟〝自分以外のモノ・コトとの対話〟を可能にし、
〝世の中に自分があって〟〝自分の中に世がある〟ことに気づくことが出来ます。
全ては、引っ張り合っています。
そして、それは常に同じ形を維持しようとするのではなく、
その一瞬一瞬で、最適な形へと変化しながら均衡を保っています。
② 軸とは
スポーツ現場でよく使われる軸って言葉ありますよね。
今や専門家であるトレーナーだけでなく、選手やコーチとも共通言語として使えるほどに浸透している言葉です。
そんな軸って言葉ですが、軸ってなんでしょうか?どうやって作り出すのでしょうか?
概ねスポーツ現場では、
軸を軸として作り出そうとするのが王道のやり方で、体幹やコアと言われる部分を鍛えたり、アクティベートしたりして、軸を作り出します。
しかし、Tensegrity Yoga®︎では、
軸を軸として作り出すのではなく、様々な方向に互いに引っ張り合って、その結果として軸が生まれるという考えです。
テンセグリティ構造では、一本の大黒柱が存在せず、それぞれが引っ張り合い、皆が大黒柱となります。
刻一刻と変化する状況に合わせて軸を変化させながら、構造をキープします。
体は不安定です。そんな不安定な体を上手く操ることが、パフォーマンスには大切です。
刻一刻と変化する体勢や重心を上手く操る為には、軸を軸としてキープするのではなく、常に変化出来る軸を持つことが大切です。
固めて作り出す軸だけでなく、引っ張り合いで生まれる軸を作ってみて下さい。
③安定とは?
「安定」と聞くと、まったく微動だにせず動かないことだと思っていませんか?
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