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少人数学級の教育的効果とコスパの良い学習方法。

コロナ禍の中で3密を避けるために、30人学級の導入の検討が進んでいます。

この状況の中で、3密を避けるためにできることとしては

仕方ないのかな、、、、と思います。

9万人を新たに増員するとなると、ものすごい費用が必要ですよね?

ざっくり計算するだけでも…

9万人 ×    推定年収500万 = 4500億!!Σ(・□・;)ほほぅ!!

あくまでもコロナでの3密を避けるためなので、必要経費かもしれませんが、

教育的なメリットはどの程度あるのでしょうか?

今日は少人数学級の教育的効果とそのデメリットについて論じていきます。

この記事は…

・教育産業に従事している人
・小学生、中学生のお子さんをお持ちの親御さん
・(場合によっては)中高生

に役立つ記事です。

☆学力を伸ばすなら今後の教育収益について知るべき☆

まず結論ですが「少人数学級は学力向上の面から言うとコスパが悪い」。

むしろ習熟度別学級を作り、

家庭では教育の収益性についての情報提供を行うことが

学力向上により役に立ちます。

☆少人数学級の成果とコスパ☆

1.スタープロジェクトの研究〜少人数学級の効果〜

1985年から89年にかけてアメリカのテネシー州で行われた「スタープロジェクト(Student Teacher Achievement Ratio Project)が参考になります。

これはテネシー州政府が少人数学級に、学力を上昇させる効果があるかどうかを明らかにする目的で行われたものです。

テネシー州の79の公立幼稚園・小学校に在籍する約6500人の生徒を、
・1学級あたり13〜17人の学校群
・1学級あたり22〜25人の学校群
に分けて実験を行いました。
効果測定を担当したプリンストン大学のクルーガー教授の研究によれば、
「少人数学級には、学力を上昇させる因果関係があった」ことが示されている。

「少人数学級には、学力を向上させる効果がある」という結論になります。

しかしお分かりの通り、注目は人数ですね。

22人〜25人の学校群とと13〜17人の学校群を比べているわけですから、

これから日本がやろうとしている30人学級より、いずれも人数が少ないわけです(^◇^;)

2.少人数学級の人数は何人が望ましいのか?

 1980年代にコロラド大学のグラス教授とスミス教授が、1学級あたりの生徒数と学力の間には負の相関関係があり、とくに1学級あたりの生徒数は20人以下となるのが望ましいという研究を発表しました。
学力の経済学」より抜粋

20人以下が、一つの目安ということですね。

3.少人数学級の費用対効果

少人数学級の成果は“ある“としても、教育経済学の研究ではその費用対効果は

高くないことがわかっています。

マサチューセッツ州工科大の貧困アクションラボの研究成果から算出した費用対効果では、少人数学級は“習熟度別学級“や“補習授業“などと比べて低いとされています。

ちなみに、もっとも費用対効果が高かったのは

「教育の収益率に対する情報提供」でした(`・∀・´)

例えば、「高卒と大卒では、生涯に受け取る年収の差が1億円以上ある」

という事実を正確なデータに基づいて知り、教育を受けることの

経済的な価値を正しく理解してもらうことです。

4.習熟度別学級の編成

ケニアでは、習熟度別学級が学力の向上に高い効果をもたらす、

という研究があります。

習熟度別というと苦手な子に対してレベルを落として学習できる面もありますが、

能力のある子達によりハイレベルなことを教えてあげられるメリットもあります。

能力のある子達を一つにまとめると、健全な競争原理が働き、

より成果が出やすくなると論じる人もいますね(`・∀・´)

トップ高などで意識の高い友人らから受ける刺激は、

全体としての勉強意欲向上につながっているのかもしれません。

ちなみにオリラジの中田敦彦さんは自身のYouTubeの中で、

東京学芸大付属に通っていた時に

「高校では“東大以外は大学じゃない、

法学部以外は東大じゃない“と思っていた(`・∀・´)」

と語っています(笑)

環境による意識の高さは伺えますねww

☆奨学金の存在をどれだけの中学生が知っているか☆

日本では教育とお金をひもづける様な考え方は、

歓迎はされていないように感じます。

「将来お金がたくさんもらえるから、頑張って勉強しな」というのは

言い方によっては「お金のために勉強するんかい?」となりがちだからですf^_^;

ただ、ここは切っても切れない関係にあると私は考えています。

例えば、大学への進学する際の奨学金ですが、

世帯年収などの制限はあるにせよ、基本は「試験や成績の優秀者」が

対象ですよね?

成績の基準が低いものもありますが、多くが“貸与型“であることが多く、

“給付型“をもらえるのは優秀な生徒であるケースが目立ちます。

ちなみに私の大学の教授は、自らが大学からの奨学金をもらっていたと述べ、

「ウチの大学の講師(教授?)になると、奨学金を返済しなくてもいいんだよ。

ハハハww (*^o^*)」

とおっしゃっていました(笑)

果たして、大学に行こうと思っている中学生のどの程度が、

こうした奨学金や将来の金銭的メリットについて“正しく“理解しているでしょうか?

逆に、貸与型の奨学金を受けることが、

その後の人生の足かせになりかねない事実を

どれだけの学生が正しく知っているでしょうか?

そのメリット・デメリットを正しく知り、その上で選択するのであれば良いのですが、

私はその事実を中学生くらいの子がしっかりと理解しているケースは

少ないように感じています。

☆少人数学級の方がきめ細かく見てもらえるのでは?☆

少人数学級について、少し考えていただきたいことがあります。

もし仮に、「少人数にすればするほど、学力の向上が見込める」としたら、

究極の少人数学級は「個別指導」です。

私も学習塾の教師なので実感としてわかりますが、

個別指導は“合う““合わない“があります。

個別指導でメキメキと力を伸ばす子もいれば、

何となく甘えになってしまう子もいますf^_^;

また、個別指導が究極の学力上昇の施策だとすると、

世の中の学習塾の合格実績は、個別指導塾が席巻するはずですよね。

☆まとめ☆

✅文科省で少人数学級の検討が始まっている(あくまでもコロナ関連で)
✅少人数学級は学力向上の可能性はあるが、効果は限定的
✅教育の収益に関する情報提供がもっとも学力向上に寄与
✅子どもたちに、どのように生きるべきかをしっかり教えてあげる

いかがでしたか?

にわかに出てきた「少人数学級」の議論ですが、

私も子どもを持つ身として決して無関係ではありません。

これを機に、学校や進学の意味、教育について話してみるのも

いい機会かもしれませんね。

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