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[映画]ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

1970年頃のアメリカのお話。上映開始から、懐古趣味たっぷり。投射しはじめのフィルムのピリピリ映像(名前を知らない。でも父が好きだった60年代洋画はもれなくフイルムの雑映像が入っていたはず)が映し出され、最初から時空を越えてきます。

舞台はボーディングスクールのクリスマス休暇。貴方たち恵まれた生まれでエリートなんでしょ?と眉をひそめたくなるがさつな行動と下品な言葉の場面から始まります。そんな彼ら

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[映画]言えない秘密

台湾映画のリメイクとのこと。本家は知らないのですが、まっさらな状態で鑑賞しました。京本大我くんが主演のラブストーリーですが、よくある若い人気者をメインに据えての映画(それも大好き)ではなく、落ち着いた良作品。とても丁寧に作成された感じです。

留学で挫折を味わった音大生の湊人くん、人生殆どの力と時間を使ってきたピアノの道を辞めようかと鬱々としています。健気な幼馴染みにも冷たい態度を取る始末。そんな

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[ドラマ]街並み照らすヤツら9話

人間界の不条理を知りながら、長く人知れず闘うあるいはやり過ごす中年と、それでも何かを求める若者の対比が熱かった8話。続く9話は、またまた世界観が変わり、昔話の世界が広がっていました。なんだこりゃ?

(以下ネタバレあり)
ずっと流され続けた正義の結論は、彩と離婚し全てを背負って自首すること。泣きじゃくったり、切なそうだったり、格好つけて微笑んだりする森本慎太郎くんが堪能できます。いやそこは本筋では

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[映画]帰ってきたあぶない刑事

最近は「イケオジ」なんて言葉もありますが、男女問わず歳を重ねて格好良くなっていたいもの。もちろん年齢を気にしてやりたいことを我慢するなんてもったいない。
と、思いつつも日々の生活に追われて、よれよれの生活を送っているわたくし、最近は若い芸能人に癒されているのですが、ふと我に返り鑑賞。

あぶ刑事、子供の頃のわたくしは、カッコいい大人たちのアクション満載、楽しい掛け合い満載のこのドラマに夢中でした。

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[ドラマ]街並み照らすヤツら8話

どこに進んでいくのかわからないし、クライムなのかファミリーなのかブラックコメディなのかジャンルレス。かなりの人数が視聴から振り落とされているだろうからNetflixに移動してほしい。

4話から大きな車輪が動き出すように、ストーリーに動きが出てきても、蛇行っぷりは変わらず。ただ8話はこれだけで映画になりそうなメッセージ満載。もう平凡に必死に生きてるわたくしには刺さりすぎる回でした。

(以下ネタバ

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[ドラマ]街並み照らすヤツら 1~3話

2024年4月期のドラマだというのに、製作の概要が決まったのが2月?視聴率も再生数も伸びずですが、5話まで観て映像好きには完全に刺さる作品と確信。(ネタバレあり)

1話。寂れた商店街のいけてない日常が容赦なく描写され、特徴的なナレーションの中、話はゆるゆると変な方向に進みます。コーエン兄弟の映画FARGOを思い出し、いやーな予感。ごく普通の人が、少し運が悪く浅はかなだけで、雪玉が新雪の坂道を転げ

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[映画]夜明けのすべて

鑑賞したのはだいぶ前なのですが、直後忙しくて記録しそびれていました。なので比較的冷静な感想です。

松村北斗くん所属のグループを超絶箱推ししているので、この映画は最初のプレスリリースから楽しみにしていました。瀬尾まいこさんの小説は昔から暖かく、三宅監督は最近注目の監督さんだし、上白石萌音さんは間違いない実力と可愛いが両立、他にもりょうさんに光石さん、理想的な布陣に北斗くんが出してもらえるなんて期待

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[映画]アーガイル

ほんとに面白い。映画って最高の娯楽!
ただただ、楽しみだけを求めて映画を観ていた頃の感覚を思い出しました。スパイダーマンやバットマンでヒーローに哀愁がついてきたり、かといってマカロニウェスタンみたいに血みどろでもない、アクション映像とコメディ要素を純粋に楽しんだ子供時代に戻ったあっという間の2時間超。

スパイ映画のお約束騙し騙されも、めっぽう強いけどいい加減で女性に優しい男性も、パニックになる自

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[映画]パストライブス/再会

ゆったりした映画時間に浸りたくて足を運んで正解でした。人生を描いているので何はなくもないのですが、何も劇的なことが起こらない静かな世界。

もどかしいのですけれどもね。幼馴染みとして出会った2人。男の子が優しく女の子が少し強気。可愛くて勉強も熱心でお互い意識しているお似合いの子供たち。ママの運転で公園デートなんて、そのまま大人になって夫婦になったらほんとに胸キュン案件です。

女の子の一家が移住し

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[映画]悪は存在しない

映画館にはわりと行くほうですが、最後の1席にあたるのは初めてでした。週末都会の真ん中で満席の中鑑賞。すごい人気。

最初の山林の映像からカメラワークが独特でどぎまぎしてしまいました。そして開始後すぐに花ちゃんの帰り道シーンでの音楽が不穏過ぎて後悔フラグ。哀しげなf-mollあるいは振り切って全部フラットのas-moll?ヤバい雰囲気です。わかりやすい不幸は嫌いなの~

最初、俳優さんたちのセリフが

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[映画]Under the Sky

[映画]Under the Sky

もともとクラシック音楽と一緒に育って来たし、世代ではあるけれど、爆音は苦手で、伝説のバンドXはほとんど知らない。でも、人生初の推しが懐いてて、出演もさせていただけるというので、映画拝見しました。

楽しかった。私は大きな音は苦手だけど音楽は好き。自分がオーケストラで演奏していても後ろから金管の音に刺されたらびくっとなるのでこれはもうどうしようもない。でも、今回登場してくれたアーティストさんたちは、

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[映画]そして、バトンは渡された

[映画]そして、バトンは渡された

めちゃくちゃ美人の女優さんが出演する映画だと思って油断していました。原作は瀬尾まいこさんで感動系。瀬尾さんは心に染み入るような物語を紡ぎますね。

邦画は比較的わかりやすい作りが多いと思うのですが、これはおそらく原作のせいもあり、場面場面が絶妙につながらず、それが観ている人に委ねられているように思いました。それでも画は優しく整然としています。混沌としているけれども清潔な感じ。

石原さとみさんの役

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[映画]フェイブルマンズ

[映画]フェイブルマンズ

スピルパーグ監督。私にとってはアメリカの夢と成功そのものの存在です。どんなに才能があってもバランスを崩して活躍できなくなったり、芸術的には評価されても興業が厳しかったり、容赦ない競争社会の中、ずっと活躍している成功者。才能に溢れ、器用で、キラキラしている印象を持っていました。

しかし、薄々感じてはいますが、表現する人に影の部分がない訳はない。もちろん凡人ですらもそうです。スピルパーグ監督は人1倍

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[映画]RRR

[映画]RRR

ずっと気になっていたものの、残酷なシーンがありそうで避けておりましたが、ロンドン観光に向かう飛行機の中で娘に再生されてしまいました。

3時間は長いと思いますが、見どころてんこ盛りなので、飽きずに鑑賞しました。人がどんどん傷つけられるシーンは相変わらず苦手。でも主人公2人が強くたくましく格好良すぎで。まさにインド映画スター!!2人が最初に出会う橋のシーンは素晴らしく、ヒーローが地上に降り立ってまし

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