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育休から復帰した私が陥った失敗と、克服するためのマネジメント法

こんにちは。デザイナーのYUCCAです。
4月から新年度を迎え少し落ち着いてきましたね。
育休から開けたママさんは、保育園への慣らし保育が落ち着いてきて仕事へ本格的に復帰されるママさん(パパさん)も多いのではないでしょうか?

今月のクラウドワークスデザイナーブログは、「新学期、自分を見つめ直す」というテーマでお送りしています。

ワーママ歴4年目(新卒に例えると一通り仕事を覚えて慣れてきたタイミングですね)の私なのですが、これまでの経験を振り返ると、時間がない共働き夫婦って、色んな面でのマネジメント能力が磨かれる可能性があり、これは自分たちのスキルに繋がるのでは?と思ってきました。

そこで今回は、そんなワーママ 生活を送ってきて自身が経験した失敗とそこからどう自分をマネジメントして克服してきたのかをお伝え致します。

これは復帰される当事者だけでなくパートナーとの意識づくり、組織づくりがとても大切なので、パートナーの方と読んでいただければと思います。

私の簡単な働き方の経緯をお話すると、育休明け復帰後は、週5出勤/6時間の時短勤務で復帰して働いてました。その後転職をしてクラウドワークスに入社。今はフルフレックス、フルリモートの環境でフルタイムで働いています。簡単な自己紹介はこちら

復帰後、私が陥った失敗

育休明け復帰後、私が陥った失敗は、
ずばり「自分ごと化しすぎた」事です。

「共感」をしたり「空気を読む」ことを得意とする女性に多いかなとも思いますし、この「自分ごと化して考えよう!」みたいな啓発ってよく書かれたり言われたりしています。
そういった気持ちが私は強く、復帰後も今まで通り自分以外の仕事や課題や要望を自分ごと化する事、自分ごと化する事が成果を出せる方法なのだと大事にしてきました。

しかし、復帰前のように時間を自由に使える訳ではなく、自分の仕事さえままならないもどかしさに、心にも行動にも余裕がなくなってきました。

余裕が無くなった私は…
・自分の期待通りに動かない他者に対して苛立ちを覚えるようになる。
・他者の期待通りに動けない自分に対して自信を無くすようになる。
そういった負のループを起こし、
結果「周りが全員敵に見える」という悲しい事がおこってしまいました。

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そう、すべては周りの期待通りに出来るように頑張っていました。
そうすれば、自分の価値が上がると思っていたからです。

が、それは過去の自分の成功パターンが今までそうだっただけであり、
今の自分には最適な成功パターンではなかったのです。

たかが1人の1日の時間は24時間。誰かの期待に答えようとすると他の誰かの期待に答えられなくなります。親になって色んな社会との関わりが増えると、色んな期待の重みがのしかかってきます。
もちろん、期待されている事が嬉しくもあるのですが、自分の中のキャパシティやバランスをとるのが難しくなってくるのです。

この失敗を経験して、
自分はどのような判断軸で他者や社会からの期待と付き合っていくのか。
この基準を見つめていく必要があると感じました。

4つの価値観をもつ

育休中の時期に、地域で育休ママが復帰するのためのセミナーが開催されており、それに参加した事を思い出しました。その資料には、仕事観、人生観、夫婦観、育児観の4つの価値観をもつ。と書かれていました。(参加したその時はふーんと眺めるだけでした。)

仕事観:どんな仕事やキャリアを積んでいきたいのか。
人生観:自分はどんなものが好きでどんな生き方がしたいのか。
夫婦観:互いの仕事観や人生観を踏まえてどんな夫婦でありたいか。
育児観:どんな育児でありたいか。※これは子供の成長を育みながら考えていくものなのかなと思います。

復帰してキャリアを考える際に、この4つの価値観は大切だなとひしひしと感じています。

自分の価値観を見つめるというのは、すぐ出来るものじゃないのですが、私が自分を見直すきっかけとなったのはクリエイター向けのオンラインコミュニティに入った事です。

入会して周りと交流していくうちに、常に周りと比較してしまう自分は幸か不幸か、自分はどのような考え方や思考を持ちがちなのか、普段から自分がどんなものが好きなのか、他人よりも苦なく出来る事は何だろう。と、自分を客観的に見る習慣が出来てたように思います。
そこから自分の価値観マップを作成してみたり、夫と互いの価値観を意見交換したりして、完全ではないですが自分の人生での軸におきたい事がだんだん見えてくるようになりました。

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そこからは人から期待される事や、人へ期待する事に対して過度な執着や興味はなくなりましたし、良い意味で淡白になりました。笑

家族という組織

上記で記述した4つの価値観のうち、仕事観や人生観はいろんな自己啓発系の本などで養われると思いますが、夫婦観や育児観というのは未知の価値観でした。仕事観も人生観もベースは一人で考えられますが、これらは一人では考えられません。
ただ、これらの価値観を仕事に置き換えると、プロセスを生み出す組織マネジメントと近しいのだなと思います。

なぜならば、家族は自分の一番身近な組織だからです。
会社が人の集まりで共同体であるように、家族も自分にとっての一番身近な共同体です。
親になって気付いたのですが、子供が産まれたからといって自然と家族になるものではないという事。外から見れば家族という形としてラベル化されたとしても、各自の役割ごとに期待された努力をしないと家族という組織にはなりませんし、育ちません。会社という組織もそうですよね、人が集まったからと言って勝手に事業がスケールする訳ではありません。

そこには、支出、収入、家事、育児などの複合的なタスク能力と判断・行動指針となる自分たちの軸が必要になってきます。
もしその軸がなかった場合、各個人それぞれの暗黙のルール化や役割が形成され、相手との合意されていない期待を生み、それは信頼関係に影響を及ぼします。まさに親になって間もない自分はその状態に陥っていました。

例えば、育休明けでそのままの家事バランスになった場合、自然と妻側は時短勤務をする流れになってしまいます。
ただ、それによって夫婦の家事/育児の役割分担が固定化すると、妻側のキャリア機会損失が不可逆的に起こってしまう。(俗に言うマミートラックてやつです。)私は自分のキャリアや得意不得意を考えた時に「なんか嫌だな。」と思っていましたし、防ぎたいと思っていました。ただ、パートナーに話すきっかけ。言い出し方が難しいなと感じていました。

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育休中に参加したセミナーで配られた資料

マミートラック

長時間労働と育児短時間勤務の関係性を表している



そこで我が家は「世帯経営ノート」というものを使い、まず互いの仕事観に関して夫と話しあいました。

「世帯経営」とは、“わたし”だけでなく“わたしたち”で未来を創るという姿勢で、夫婦の理想をカタチにする思考法です。ノートに書かれている項目に沿って家族のあり方を夫婦で共創していきます。

使ってみた効果
項目を埋めていくごとに、家族として相手に何を期待しているのかが分かるようになり、また自分のこうありたいや相手のこうありたいを対話する事で双方の願いを叶えるためにはどうしたら良いのか。をお互いが思いやりをもって考えられるようになりました。

記入したら終わりではなく、もやもやしたら都度振り返る時間をとる事も大切です。こういった対話やプロセスを作っていくという事自体、新鮮で楽しかったのを覚えています。家族を経営という目線で見つめ直す良い機会でした。

時間の生み出し方を考える

復帰後の子育て、家事、仕事をしていると、自分の好きなように時間は使えない事。時間というものは有限なのだ。という事を痛感する機会が増えてきます。
そういった環境の中で自分の時間をどう生み出すか。また、生み出すだけでなく、どう効率的に使えばよいのか。セルフマネジメントとして自分の行動軸と判断軸を考えるようになってきました。

私が取り組んだ事は、減らす時間、増やす時間、守る時間とで、時間を3つのカテゴリとシーンで当てはめました。そうする事で、例えば「減らす時間」にフォーカスした場合、どのような家事が非効率的なのか、どうやって改善するのか。といったように具体化して考えやすくなります。

(1)減らす時間:非効率な家事や仕事、SNSをする時間
(2)増やす時間:家族の時間、ひとりの時間、夫婦の時間
(3)守る時間:子供の成長、保育園の登園/降園時間、睡眠時間

我が家の非効率な家事の見直しの一例では整理収納アドバイザーの方に家の導線も含めて見てもらい、生活導線の見直しを行いました。
その際に、事前に目的の共通認識をパートナーと揃えておくと後々意見の食い違いを防げるのでおすすめです。見直しをする目的としては「シンプルで見栄えの良い見た目を意識する事ではなく、生活しやすい家事導線を考えること。」になります。(私自身、後から「やっぱり違かった。」と思ってしまう性格なので、目的を掲げてからの落とし込みに苦戦しました。その際はこれはやるけどこれはやらない。と「やる事とやらない事」とでどちらも考えておくと良いと思います。)

その後、整理収納自体に興味を持った私は、整理収納を体系的に理解する為に整理収納アドバイザー2級を取得したり、週末に夫と断捨離をしたり、リモート生活に伴って仕事部屋を今までの場所と変えたり、状況に合わせて導線を意識した整理収納を考えられるようになりました。
振り返ると、こういった最初の行動が投資という形になりゆくゆくは自分のスキルとして身に付いたりするので面白いですね。(整理収納に関しての記事はこちら。)

また効率的な時間の使い方のマネジメントとしては、実際に自分が何にどれくらいの時間を使っているのかをモニタリング出来るように、カレンダーでお互いのスケジュールを共有したり、iphoneでアプリの稼働時間、スマートウォッチで自分の睡眠時間や質を管理するようになりました。そうする事で無意識に時間を浪費していたり、空いている時間を見つけたりするする事ができました。

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Timetreeカレンダーでお互いのスケジュールを共有


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「iphone>設定>スクリーンタイム」からスマホでのアクティビティをモニタリング。また、「App使用時間の制限」で時間を管理できます。


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スマートウォッチ(私が着けているのは5千円くらいのものです)で、睡眠のスコアだけでなく、歩数、ストレスチェック、血中酸素濃度、ワークアウトのスコア、アラーム、LINEの通知機能など(他にもたくさん...。)を出せたりします。振動アラームの目覚まし機能のおかげで、朝子供にバレずに目覚める事が出来るようになったのは本当に嬉しいです。笑


自分で意思決定する癖をつけよう

これまでの、こども主体での意思決定に慣れてしまい、いざ自由な時間が出来たときに自分は何がやりたいのだろうか。と困ってしまう事はありませんか?

そんな時は、自分で意思決定をするという事のリハビリをしていきましよう。私はひとりの時間では以下の軸で物事を考えるようにしています。

(1)好きな事
(2)好きな事+期待されていること
(3)好きな事+出来ること+期待されていること
(4)出来ること+期待されていること
(5)出来るけどやりたくないこと+期待されていること

この軸があるおかげで、自分の行動に一番もやもやする時はどのような時だとか、逆に自分が幸せな時はどんな時だというがはっきりと見えるようになりました。

例えば、(4)(5)はビジネスマンであったり家事、育児であればやらざるおえないシーンはたくさんあります。ただ、ひとりの時間の時ではどうでしょう?好きで過ごしていた時間がいつのまにか(4)(5)になっていないか。「自分の時間と思っていた時間は、実は誰かの時間の為の自分になっていて、本当の自分の時間を過ごしていないのではないか。」という事を考えるようになりました。

その考えをもってからは、出来るだけ(1)(2)(3)の時間を過ごせるようにしよう。と決めました。

チャレンジ出来る場所へ飛び込もう

今の会社でもチャレンジ出来る機会をいただけたりしているのですが、他にも個人で気になったスキルを挑戦出来る環境や勉強会などに参加し、キャッチアップするようにしたりしています。

ひとつの事を続けるのは苦手なタイプなので、オンラインでの繋がりで、コミュニティ活動、プロボノ活動、副業など、自分が参加できる範囲で場所や内容を変えながら色んな経験してみる。そうすると、実践を通して自分のスキルの幅や経験を広げていく事に前向きになっていきました。

自分がチャレンジする軸は、先ほど上げた5つの意思決定軸を参考にして考察すると以下のような行動とモチベーションに繋がっているのだと気づきました。

(1)好きな事 → 労力やお金を惜しまない
(2)好きな事+期待されていること → 無償でも出来るモチベーション
(3)好きな事+出来ること+期待されていること → 天職
(4)出来ること+期待されていること → ビジネス
(5)出来るけどやりたくないこと+期待されていること → やらない


これから復帰するママさんへ

ここからは、復帰されるママさんへ私が送りたいメッセージです。

働かせてもらっているだけでありがたい。と思わない。

本来、雇用関係はフェアなはずです。謙遜する事を日本人は美徳と思いがちですが、あくまで一つの手段として使いましょう。
復帰前の自分がしていた働き方が出来なくなるのは当たり前。もちろんこれまで出来ていた事が出来なる事はありますが、感謝の気持ちを伝えつつ、どうか自身を過小評価しないでください。

・落ち込んでいる時「疲れたな」ではなく、「自分頑張ったな」
・会社でも家庭でも「すみません」ではなく「ありがとう」
など発する言葉を意識するだけでだいぶ変わりますよ。

仕事も家庭も中途半端な自分にモヤモヤしたら

中途半端な自分に私はとてもモヤモヤしてしまうタイプでした。笑(今でもモヤモヤしてしまう事も全然あります。)
でも、これって比べる対象が適切でないからモヤモヤしてしまうんですよね。比べるのは育休前の自分でも他者ではなく、親になって復帰した自分自身です。少しずつ慣れていって「ここは無理しすぎたな」「ここはまだまだ改善予知あるな」など、稼働許容範囲をバランスを見ていけば大丈夫。

・モヤモヤしている事をまずは主観で雑な言葉でも良いので、スマホのメモ帳などに殴り書いてみる。
・落ち着いてからメモの内容を俯瞰的に振り返ってみる。
・相談が必要であれば、相談するべき相手に伝えてみる。

育児や家事に対してのパートナーとの負担バランスにモヤモヤしたら

子供が熱が出た時、呼ばれるのはいつも母親です。なぜだろう?と考えていたりしました。どんな家庭にしたいのか。理想だけでなく現実面での収入や家計の話も網羅した、育児方針についてパートナーと話し合いましょう。そして頼れる人、モノ、サービスに頼りましょう。

・何かあった時のための病児保育施設への見学、ベビーシッターサービスへの登録を済ませておく。
・世帯経営ノートを活用して夫婦で育児への目線を合わせる。
・Yietoを使って育児家事を可視化してみる。

家事育児の負担バランスとしては、現状把握として「Yieto」という、家事育児の可視化アプリを使ってみるのも手です。

使ってみた効果
アプリを使う前は自分は夫よりも家事が出来ていないと思っていて申し訳なさを感じていたのですが、環境的に私の方が無意識に子供の世話が偏っていただけだったので全体の家事育児の比率で見ると、ちょうど5:5の割り合いだったという事が分かりました。家事の分担だけで見るのではなく、日頃の子供の世話を含めた家事・育児での分担で見れるようになりました。


仕事(家事)と育児、どっちもやるから楽しい

育児はTHE非効率の塊です。育児をしていると理不尽な事がたくさんあります。その反動か、仕事や家事では効率化や生産性を高める事が楽しくなっていた自分がいました。笑
というのも、自分一人でやっているわけではなく、パートナーとやっている。という気持ちがあったのが強いです。家事も仕事も「自分たちに合う最適ルートでどう攻略してやろうか。」という気持ちで構えていると夫婦の会話も楽しくなります。

仕事や家事で生産性を高める反面、新しい発見とかアイディアというのは出しにくくなるのですが、その機会は育児や社会との繋がりの中に潜んでいます。先ほども述べたように育児は非生産性の塊で、思い通りに行かない前提で進めなければいけません。でもその思い通りにいかないプロセス中でこどもや社会を通じた新しい発見があったりして自分の視野を広げてくれるシーンがあったりもするんですね。

そうやって仕事と育児とでの思考を行き来していると、自分の視野や考え方がどんどん広がっていく実感があって、本当に面白いなと思います。

復帰したばかりの今は初めての事ばかりで大変だったり不安かもしれませんが、育児を通して確実に自分の仕事に活きていますし、今の経験は絶対無駄ではない。と私が断言します。
是非、今の環境を「楽しんでやるぞ!」という気持ちで取り掛かってください。そうすれば心も体も健やかに生活を送れるはずです。

新しい環境を応援しています!!
それでは。

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