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プロダクトマネージャーと子育ては両立できるのか、アラフォー3年半の記録。

はじめに

こんにちは、nishiyuです。
この記事は30代半ばで子どもを産んだ私が、プロダクトマネージャーとして仕事を続けることができるかどうかを身を持って体験した記録です。
現在は、GO株式会社(以下GO)でプロダクトマネージャーとして働いています。この記事はその入社エントリではあるのですが、産後子育てとキャリアの両立について苦労したこと・工夫したことを書いています。

最近では、男性の育休取得も推奨されるようになり職場環境は大きく変わってきています。しかし、キャリアと子育ての両立は私にとっては大きな大きな壁でした。この記事はあくまで個人の見解ですが、同じような悩みを持つ方々にとって何かしらの参考になれば嬉しいです。そして、何よりも3年前に大きな壁に立ちはだかりハゲるほど悩んでいた自分に向けて書いています。


結論

「プロダクトマネージャーと子育ては両立できるのか」という問いに対して、まずは結論からお伝えします。子どもが3歳になった今、私は以下の結論に達しました。

  • プロダクトマネージャーと子育ては両立できる

    • ただし、2歳まではどうしても稼働力が下がる

    • 家庭と職場の調整が必須

各論

それでは、各項目を具体的にみていきたいと思います。

2歳までは稼働力が下がる

あくまでも我が家の場合ですが、いくつか具体例をあげていきます。

  • 夜泣き対応:夜泣きがあるうちはどうしても昼間の親の稼働が下がってしまいます。子どもを持って分かったのですが細切れ睡眠はめちゃくちゃしんどい…。ただし、夜泣きの頻度やいつまで続くかはその子の個性によるかと思います。我が家の場合は2歳半くらいまでは毎晩泣いていました。

  • 保育園の洗礼:保育園に通い始めてからはとにかく子どもの体調不良との戦いでした。特に「保育園の通い始め」=「親にとっては復帰直後」に子ども間の菌のうつしあいで毎週のように風邪をひきまくる、いわゆる保育園の洗礼というものがマジで鬼門です。

    • 更に子どもの菌が親にばっちり感染るので、親も体調不良との戦いです。私はもともと気管支が弱いので、1年の間に肺炎1回, 気管支炎10回以上, プラスで普通の風邪何回だろう…という恐ろしい記録を叩き出しました。前職では咳止めシロップを瓶から直飲みするやばい女だと思われていたことでしょう…。(*マネしないでください)

このように、いくつか理由はあるのですが、一言でいうと子どもが産まれて最初の数年は「予測不能なことが起こる可能性が非常に高い」です。
この部分はプロダクトマネージャーの方でしたら新規プロジェクトと同様だと思うと納得いくかと思います。新規プロジェクトもリリース直後は予期せぬ出来事が頻発するように、子どもも産まれてから数年は予期せぬことが多々起こります。
ただし、子育ても新規リリースから2年もすれば不確実性が低くなるのでどうかご安心ください。3歳になったらほぼ夜泣きもなく、嘘のように風邪をひかなくなりぐっと楽になりました。

家庭の調整について

子育てと仕事の両立には、家族の連携と家庭環境の整備が欠かせません。
特に我が家は、私も夫の親も頼れない環境なので、色々と工夫をしてきました。なかでも効果的だった対策を具体的にあげていきます。

  • 子どもを父母どちらのワンオペにも慣れさせる:生まれたときからどちらもなんでもできるようにしておくことで、いざというときはどちらかのワンオペで乗り切ることができるようになりました。

  • 家事をアウトソースする:もうここは、時間をお金で買う意識を持って色々と試しました。

    • ミールキットの利用

    • 掃除はお掃除ロボットに全振り。RoombaとBrava(水拭きタイプ)をフル稼働

    • 水回りの掃除は隔週で家事代行に依頼

  • 親もやりたいことをやる:ワンオペ体制を整えることで、親も一人ずつであれば比較的やりたいことを我慢せずにできる時間が作れます。夫は毎週末テニスに、私は飲みに出かけることで定期的に気分転換することができ、健全な子育てオペレーションを回すことができていると感じます。GOは同期で飲みに行く機会が多いのですが、3歳の子どもがいるのに私がほぼフル出席しているので驚かれます。笑

職場と働き方について

子育てとプロダクトマネージャーの仕事を両立する為には、職場の制度はもちろんなのですが、実際の環境もとても大切です。実際に働いてみて重要だと思ったポイントをあげていきます。

  • 組織立っているチーム

    • 私が産休育休を取ったタイミングで所属していた組織(GOに入社する前)は、社員10名程度、設立から数年目のバリバリのスタートアップでした。離れている間に体制含めて色々変わっていたことに加え、産後の私を気遣う意味で重要タスクを持たせてもらえなかったので、復帰したときには居場所がなく、自分の価値がなくなったように感じました。(新卒から気合と根性で築きあげてきたキャリアの塔のようなものが足元からボロボロと崩れていく感覚を味わいました。)

    • 組織立っているチームであれば、メンバーの入れ替えが想定されていると思うのでもう少しうまくやれたかもしれません。(ただし、そもそもスタートアップで働く中で出産を機に現場を離れること自体が想定外かと思うので、そこを快く承諾してくれた当時の会社には感謝しかありません。)

  • ライフステージが似ている

    • 今まで働くうえで年齢は意識していませんでしたが、やはりチームに子育て層がいることは圧倒的にプラスに働くと思いました。子どもがいるとどうしても朝の時間と夕方以降で稼働がストップしてしまうので、そのサイクルがズレてしまうと、その時間に重要なミーティングをセッティングできなかったり、参加できなかったりと時間のロスやタイムラグが発生しがちかと思います。

  • フリーランスには向き不向きがある

    • 復帰後に私はプロダクトマネージャーの仕事を続けたい一心で、フリーランスとして働く道を選びました。フリーランス時代は有り難くもいくつかの業務にプロダクトマネージャーとして関わることができました。時給で稼働していたので、年収もキープできた上にある程度は働く時間は自由にできました。しかし、プロダクトマネージャーとして完璧な経験と実績があるわけではない私にはフィットしていなかったように思います。PMClubのshinさんも以下のようにポストしていましたが、まさにまだまだ未熟で成長が必要な私にとっては、もっとアウトプットに対するフィードバックや目標設定が必要でした。

GOについて

2024年の2月からGO株式会社でプロダクトマネージャーとして働いていますが、入社して改めて「プロダクトマネージャーと子育ては両立できる」と確信しました。GO(特にPdMチーム)が子育て世代にとって嬉しいポイントをあげていきます。

  • PdM(プロダクトマネージャー)の組織がある

    • GOでは、プロダクトマネジメント組織の中に、PdM(プロダクトマネージャー)、PjM(プロジェクトマネージャー)、デザイナー、データアナリスト、UXリサーチャー、QAエンジニアが存在しています。

    • PdMだけでなんと20人以上のメンバーが所属しています。(しかも6割が子育てメンバー…!!)更に、スケジュール関連はPjMがプロフェッショナルに推進してくれますので、PdMは「なぜやるのか、何をやるのか」に集中することができます。更に、分析周りはアナリシスグループに依頼ができるので、欲しいデータをプロのレベルで手に入れることができます。この環境はPdMとしてとても幸せなことだと思います。

  • このPdMグループの組織デザインの存在については、私がGOに入社を決めた最大の理由でもあります。気になる方はプロダクトマネジメント部本部長の黒澤の記事もお読みください。(最初は顔が怖いと思っていたのですが、UIUXに信念を持ちながらチーム愛にも溢れた人だということが入社後に分かりました。笑)

  • 子育て層が多い

    • 先にも記載しましたが、PdMチームでは約6割のメンバーに子どもがいます。まずPdMチームに女性が多いこともあるのですが、パパママ関係なく夕方にはカレンダーに「お迎え」と入っていて、業務を中断しているメンバーが多いです。(そしてタスクが残っているときは夜に戻ってくる…)今までは社内のスプリントチームには子育てメンバーがあまりいなかったので、後ろ髪を引かれながら業務を抜けていたのですが、GOでは「家族大切」「家族優先」というカルチャーがありそれがしっかり体現されていると感じます。私自身、良い仕事は家族を大事にできないと続かないという思いがあるので好きなカルチャーのひとつです。

  • フルリモートフルフレックスである

    • GOのPdMチームでは完全なフルフレックス、フルリモートの体制になっています。オフィスに出社するメンバーもいますが、その場合でも会議はオンラインで開かれることが多いです。細かい時間管理はなく、アウトプットベースで評価されるイメージです。働き方としては、締めるときは締め、休むときはしっかり休む!というようにメリハリをつけて働いている印象です。

  • コトに向かう。

    • 会社のバリューにもあるのですが、GOのメンバーは本当に全員が「コトに向かっている」と感じます。私自身が根回しやお伺いを立てるのが苦手なので、コトに向かい続けることで必要のないストレスから開放されたと強く感じました。このあたりの忖度が苦手だったり不器用なPdMの方がいたら是非GOの面接をおすすめします。笑

  • ロールモデルがいる

    • GOに入社して初めてロールモデルとなる女性たちを見つけることができました。簡単に言えば「子どもがいてもバリバリ前線で働いている女性」です。あんなに忙しいのにいつ機能要求書を書いているのだろう…という話をしていた際に、上司から「nさんは戦士だから笑」と言われているのを聞いてとても羨ましい気持ちになりました。「そうだ、私は今まで戦士になりたかったのだ…!」と腹落ちしました笑。 まだ入社から4ヶ月ほどしか経っていなく、何も結果を残せていないですが私も戦士の一人になりたいと思っています。

社会課題を解決する(したい)

私が子どもを産んだタイミングは世界はコロナ真っ只中、更にそこからはここ30年ぶりの円安が進み日本がとても弱くなっているのではないかと不安に感じました。そして同時に「なんていう世界に子どもを産んでしまったのだろう…」と責任めいたものを感じるようになりました。
そこから、親としてこれからを生きる子どもの為、少しでも日本を良くしたいという思いが強くなりました。そして、転職先はできれば社会課題を解決できるようなサービスに関わりたいと思っていました。

GOでは、「移動で人を幸せに。」をミッションに掲げ、「移動」を取り巻く様々な社会課題と向き合っています。「交通事故削減」「脱炭素化」「人材不足解消」「地域貢献」などのテーマに強力な事業シナジーを持って取り組んでいます。私は今現在アラフォーで、会社員としては残り半分切っていると思っているので、残りの半分は社会課題を解決することに注力したいと思っています。

後書き

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
子育てとキャリアの両立はその家庭ならではの苦労があると思います。ただ、工夫やある程度の線引き(諦めともいう)で、乗り越えることができると思っています。私も一時期は仕事を辞め、パートに切り替えようかと悩んだりもしましたが、今ではキャリアを諦めなくて本当に良かったと思っています。
一度フリーランスになってから、正社員に戻るのもなかなかの苦労をしました…。面接の際に、子育てとキャリアの課題に心から共感してくれた面接官の方、トライアル入社時に他にフィットする会社があると思うと正直にお話してくれた方、お忙しい中で1on1の時間をとってくれた方、そのお陰で自分がフィットする居場所を見つけることができたので、今でもよく思い出しとても有り難い気持ちになります。

この記事を読んでくださった誰かが、子どもが産まれたばかりの不確実性が高い時期を乗り越え、せっかく築いたキャリアを手放すことが少しでも減ることを願っています。

GOのプロダクトマネジメントに少しでも興味がある方は、GO Product Infoも合わせてご確認ください!



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