見出し画像

17歳コンプレックス

 私は私が17歳になるなんて思っていなかった。でも気が付けばのび太もちびまる子ちゃんもカツオもみんな追い越していた。結局エヴァには乗れなかったし、半妖の少年の封印は解けなかったし、可愛いアイテムでプリキュアに変身もできなかった。17とは数ばかりで思考も行動も見た目も驚くほど幼稚で、年を重ねるごとにそのギャップは大きくなっていき、いつか私の心は胎児にまで逆戻りするのではないかと怖くなる事がある。特に留学をしている今だから、余計に自分が小さく感じるのかもしれない。やっぱり他国の人は体も態度も大きい。

 17歳になるまで17歳はもっと大人だと思っていた。でも実際になってみると「あれこんなもんか。」と思う。誕生日前夜は初めて年を重ねるのが怖かった。16歳で許されていたものが17歳で急に許されなくなるんじゃないかとなかなか寝付けなかった。ああ、まだ準備できてないのになって思った。単純に誕生日を喜べなくなった自分自身に寂しさも感じた。

 17歳と25歳と32歳は何故か小学校の時から自分の人生の中で大切にしたいなと思っていて。上手く説明できないけど、女性が特に輝いている歳であり、節目だと感じているんだと思う。(きっともっとあるんだろうけど、そこから先は未来すぎて考えられない。)そのうちの1年が半分を終わろうとしているけれど、どうもモヤモヤする。このままじゃ終われないってことだけがグルグル回ってる。恐らくこのモヤモヤはいろんな所から出てきていて、進路とか勉強とか自分の心境や価値観の変化とか、平凡で面白みに欠ける学校生活、想像していた物と世の中のギャップ、自分の未熟さ、だとか他にもたくさん源があるのだと思う。それに加えて、なんとなくあった17歳への憧れのようなものに自分自身が苦しめられている所もあるかもしれない。憧れの17歳なのに自信をもって年齢を他人に言えない。恥ずかしいという感情がブワっと体を駆け巡る。

 こんなネガティブな事を考えつつ、ふと客観視すると私はやはり17歳だなとニンマリすることもあるからよく分からない。この取れない心の引っ掛かりに頭を悩ます状況はなんて思春期らしいんだろう、と思う。大人と子供の狭間の少女が頭の中で考え、悶え、また考えてる様子は、傍から見たらすごく綺麗で輝いているのかもしれない。浅野いにおの漫画に出てきそう。今はそう思わないけど、大人になったら17歳の私は良かったな~なんて思うのだろうか。

 セブンティーンアイスの”セブンティーン”はどこから来たのか、ふと気になって検索した。「17種類の味」「17歳の女子高生向けアイス」から来ているらしい。すごく嬉しい。16歳でも18歳でもなく、17歳ってところが粋だ。もちろんこれはピンポイントで17歳をターゲットにしているわけではないだろうし、高校生をターゲットにするときにど真ん中の17歳がキャッチコピーとして出てくることは容易に考えられる。けれどこれを知った17歳の間、セブンティーンアイスを食べるときはなんだか特別な気分になれるし、もっと美味しく感じられるだろう。アイスの冷たい甘さと相まって、今17歳で良かったーと思えるかもしれない。食べ物を前にすると簡単である。

 「17歳」にコンプレックスを抱いている私だけれど、大人になっても今抱えているものを忘れたくない。この葛藤を無駄にしないように私はこうやって文字を綴ります。カッコいい強い大人になる為の財産になりますように。

アイス食べよーっと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?