ゆず

ノンフィクションを言葉で編む。

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芸術と感情

衝撃、驚き、驚嘆、感動、感激、高揚、興奮、 懐古、感傷、切なさ、泣き、笑い。 ショーやアートすべてに異なる感情をもって、 感情を表す言葉を全部探してもどれにも当てはまらないような、 ひとつの熟語や形容詞だけでは全然足りないような、 自分でも今まで知らなかった感情をたくさん知る。 芸術に正解はないし、優劣もない。 鑑賞者の今までの人生とその時の状況や心情によって その芸術にどんな感情を抱くかが変わる。 鑑賞者の全員がまったく同じ感情にはならない。 楽しめる人、楽しめない

    • ヨーロッパ放浪記~旅立ち後~

      2023年10月12日~2024年2月24日。 約4か月半、ヨーロッパ15か国・アジア2か国、27の街を訪れたほぼ1人旅。 観光したり、散策したり、住んだり、旅行と旅と暮らしを混ぜたような放浪旅。 どうせいつか死ぬならやりたいことをやろう。 そうして今までぼんやりと描いていた夢を叶える旅にでた。 ヨーロッパ行きの安い航空券だけをとり、ほぼ無計画で旅立つ日を迎えた。 早朝便の成田空港発、前日の終電で空港に向かい、人生初めての空港泊。 想像以上の暗さと寝られるベンチすら

      • ”好き”を見つける旅

        ロックよりクラシックが好き。 博物館より美術館が好き。 人物画より風景画が好き。 写実派より印象派が好き。 ショッピングより体験することが好き。 演劇よりミュージカルが好き。 オペラよりバレエが好き。 クラブよりカフェが好き。 食べることは全部好き。 知らない街を歩くことが好き。 たくさんの知らなかったものを知った。 見たことがなかったもの。 聞いたことがなかったもの。 食べたことがなかったもの。 せっかくこの街に来たのだからやってみよう。 というものにたくさん出会って、

        • 「孤独」と生きる。

          色んな人たちに会った。 色んな人たちと話した。 色んな人たちと友達になった。 色んな人たちと遊びに出かけた。 色んな人たちにとてもお世話になった。 それぞれに良い思い出がある。けれど、 独りだった。 でもきっとこれは、誰しもが知らず知らずのうちに感じていることだと思う。 誰かといて楽しいし、頼りになるし、1人じゃないと思えている。 でも、お互いがお互いのことを全部分かっているわけじゃない。 旅して、常に新しい土地で、新しい人たちで、なおさらお互いのことを知らない。

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        芸術と感情

          ヨーロッパ放浪記~旅立ち前~

          小さい頃にテレビで見たヨーロッパの街並みがまるで絵本のようだった。 小学生の夢が「パリオペラ座バレエ団のエトワールになる」ことだった。 そこからただ漠然とヨーロッパに憧れをもった。本当に漠然と。 ヨーロッパに行きたい。住みたい。 具体的なことは何も浮かばないのに、ただただヨーロッパに憧れた。 「ヨーロッパに行きたい」が口癖になった。 でも、まだ現実的には程遠かった。 高校生だった私には、何となく夢を語るような感覚だった。 そんなとき、 『明日からでもヨーロッ

          ヨーロッパ放浪記~旅立ち前~

          心模様

          恐い。 つらい。 苦しい。 恥ずかしい。 身体中にその言葉の数々が駆け巡る。 何者でもない私が。天才の欠片も、センスの破片もない私が。 選ばれし者だけしか通れないはずの道に少しだけ進んでみようとするなど許されない。 私が私を許さない。 全力でもがく。精一杯の力で制止する。 好奇心と羞恥心。諦めきれない想いと現実的な思考。 一歩も譲らない活劇。あらゆる感情がぐちゃぐちゃに入り混じる。 自分自身を奮い立たせることも、自分自身を批判することも疲れ果てたとき、 重いように

          手が届く未来の灯火。

          昨日、普通に笑っていた人が今日いなくなる。 今朝、普通に意気込んでいた人が今夜しずんでる。 さっき、普通に立っていた人が今すわり込んでいる。 ほんとうのきもち。なんてわからない。 友達でも、親友でも、恋人でも、家族でも、本人だって。 それでも、みんな感情があって、感情の起伏があって、 一線を越えるか否かの瀬戸際にいることだってある。 どんなに笑っていても、どんなに強くても、どんなに明るくても。 周りからみれば些細な米粒くらいのことかもしれないけれど、 きみにとって

          手が届く未来の灯火。

          空白

          何にもできない日。 何もかも空っぽで、無気力で、傍には諦めがある。 死にたいんじゃなくて、ただ消えたい。 「わたし」という人間がどういう人間かをまだ誰も知らないところで、ひっそりと生活したい。 私にまとわりついた鉛色のベールを引き裂いて、1秒ごとに更新されていく私でいたい。 課題の締め切りがいつだとか、どこかのお偉いさんの半径1000ミリメートルしか伝わってない説明とか、心身を蝕む労働力にまるで見合わない単位取得のための小狡い攻略法なんていらない。 誰が何を言ったかと

          Yuzuのこと

          名刺代わりの自己紹介。 「私の存在そのものや生み出す表現で誰かの明日の生きる灯りになること」 を目標に生きています。 【2001年】0歳。かなり早くすぽんと産まれたらしい。 【2004年】3歳。人生の親友とも悪友ともいうべき、バレエを習い始める。 【小学生】 パリオペラ座のエトワールになるという壮大すぎる夢をもつ。 【中学生】 バレエと勉強に没頭。       学生ならではのもがきをしながらも充実した日々を送る。       英語の授業が楽しくて、語学が好きになる

          Yuzuのこと

          未完成のアート

          理想。憧れ。期待。望み。 そんな淡い想いを抱えて、同世代が集まる美術館の中に足を踏み入れた。 そこには十人十色の想いがあった。十人十色の形があった。 その中で私だけの色を探してみたけれど、この空間にそんな色はなかった。 そして、この空間は決して私だけの色に染めてはいけないのだと、溢れんばかりの色たちをみて悟った。 それでも自分だけの色を出しても良いスペースがところどころにあった。 それぞれの自分だけの色たちと融合された色たち。 それぞれの色が綺麗に混ざり合って、

          未完成のアート

          一粒の灯光

          消えたい。 一粒の光もない暗闇の中で、ただただそう願うばかりだった。 永遠に悲観的な言葉が脳内で並べられていく。 暗闇から抜け出す方法も、歩き方も、周りを見渡すやり方さえも分からなかった。 そんなとき、なんとなく見ていたYouTubeで、近畿大学での中田敦彦さんのスピーチが目にとまった。 その話の中で登場した高校生が、私の暗闇に一粒の灯りを灯したのだ。 彼は、高校生という自由がきつく縛られているはずの年齢で、 世界各国のあらゆる景色をみていた。 TABIPPO

          一粒の灯光

          本来の姿

          好きなことを話す。 やってみたいことをやる。 空気のようにおよそ5秒で流されるであろうたったの2文。 思考をめぐらすこともなく、「当たり前」という形式だけの5文字が脳内を占拠して消えてゆく。 余裕のないフリをして、賢いように装って、現実を見据えているかのように眼鏡をかけて、本来の姿から遠ざかっていく。 簡単なはずなのに複雑化している。 真っ直ぐなのにどこかで歪ませている。 鮮明に見えるのにかたく目をつむっている。 勇気とか勢いとか覚悟とかも必要ない。 感情をもつ人

          本来の姿

          地球の創造

          今みえているものは、ほんの一部分にすぎない。 今までみてきたものも、ほんの欠片でしかない。 でも、この世界には無数の景色がある。 美しいもの。面白いもの。不思議なもの。 それらの景色を見ずして、この地球に別れを告げることができようか。 たとえ物理的にみえなくても、空気感、感触、香り、多様な新鮮なものを感じ取ることはできる。 この地球で生きているのならば、 この地球で息をしているのならば、 自分の五感が1つでも感覚があるのならば、 世界に溢れている奇跡の創造物

          地球の創造

          アナザースカイ

          憧れの場所。 想い出の場所。 忘れられない場所。 自分を変えた場所。 生まれ故郷とは違うもう一つの故郷。 一番大好きな場所。 「アナザースカイ」の定義は人それぞれ異なるだろう。 でも、1つだけその定義に共通点がある。 それは、 原点であること。 いま、自分自身が、ここに立っていることのきっかけになっている場所が 「アナザースカイ」なんだと思う。 だから、誰にも分かり合えない色んな想いが詰まっている。 特別だけど、特別という言葉だけじゃ全然物足りない。

          アナザースカイ

          夢と道

          1つの夢に1つの道。 それはそれでかっこいいこともあるし、どう抗っても1つの道しかないこともある。 果たしてそれは幾つの夢に当てはまるのだろうか。 夢に猪突猛進して、裏道を探さないだけなのではないのか。 私の小さい頃からの夢は『海外でバレエを踊ること』である。 「海外のバレエ団に所属して、プロバレリーナになる」 ことが一般的な言い換えになるだろう。 しかし、本当に海外のバレエ団に所属しなければ海外でバレエを踊れないのだろうか。 踊りの技術・表現を高め、体格を細

          夢と道

          夢とはどのような存在なのか。 ただ夢見るだけで十分なものもあるし、本気で叶えたいものもあるだろう。 夢をもって、我武者羅に突っ走れる時もあるし、 夢を抱いて、苦しい時もあるだろう。 夢をもっていないほうが楽しいこともあるし、 夢をもっていないと抜け殻のようになってしまうこともあるだろう。 自分にとっての夢はどんな存在なのだろうか。 私は、「バレエを世界各国で踊りたい」という夢がある。 ただ、私の夢は文面だけのただの夢ではない。 小学生の頃から「夢」という言葉