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ヨーロッパ放浪記~旅立ち後~

2023年10月12日~2024年2月24日。
約4か月半、ヨーロッパ15か国・アジア2か国、27の街を訪れたほぼ1人旅。

観光したり、散策したり、住んだり、旅行と旅と暮らしを混ぜたような放浪旅。


どうせいつか死ぬならやりたいことをやろう。

そうして今までぼんやりと描いていた夢を叶える旅にでた。


ヨーロッパ行きの安い航空券だけをとり、ほぼ無計画で旅立つ日を迎えた。

早朝便の成田空港発、前日の終電で空港に向かい、人生初めての空港泊。
想像以上の暗さと寝られるベンチすらない静かな空港の中で、これからの旅を想像していたら、唐突に不安が一気に押し寄せた。泊まるところも、行くところも決まっていない。頼れる人も全然いない。

あれ、これ相当まずいのではないか。成田で空港泊をした日から数日間、今までにない焦りとパニック状態だった。

15時間のトランジットをしたシンガポールでも空港泊をして、最初に着いたヨーロッパの地、ギリシャ・アテネのホステルは薄暗く、シャワールームもお手洗いも汚くて、男女共用の大人数部屋ドミトリー。そして、初日に必須の南京錠を失くして、変換プラグも壊れた。
今思えば大したことないことばかりだけれど、焦りしかなかった初日の私にとって、不安が膨れ上がった。食欲もなくて1日に1食しか食べれなかった。

そんな混乱状態とは反対に、古代の遺跡の周りに現代の可愛らしい建物が囲んだアテネの街並みを見て、ついにヨーロッパに来たんだと心が少し和んだけれど、あれほどの余裕のなさは今までで一番だったと思う。

そこから少しずつ正気を取り戻して、ホステルや街の汚いところにも慣れて、旅を楽しめるようになった。

そして、旅を終えたいま、思うこと。

本当に大変だったけれど、すべてはあの時だから経験できたことだ。

ということ。

お金に余裕がなくて悔しい思いをしたこと。
ちょっとズルをして罪悪感が残ったこと。
チケットが買えない・返信がこない・日時が違う、毎日何かが上手くいかないことばかりで考えることさえ嫌になったこと。

頭の中がいつもうるさかった。

目の前の景色にはうっとりして、
食べたことない食べ物は驚いて、
圧倒的な歌声と表現力には感動して、
数日後のチケットがとれなくて心配して、
冷蔵庫の中身を思い出しては献立を考えて、
メールの返信が返ってこなくて悩んで、
あと残金がいくらか計算して、

喜怒哀楽がいつも頭の中でごちゃごちゃに混ざり合っていた。

そんな中でも、
住むところを貸してくれたり、
ご飯を奢ってくれたり、
車で送迎してくれたり、
バスのチケットをくれたり、
チケットの買い方を教えてくれたり、
写真をとってくれたり、
道を教えてくれたり、
犯罪に巻き込まれないか心配してくれたり、

訪れた街で、誰かが何かで助けてくれた。

頼れる人がいる。そう思うだけで、また一歩踏み出せた。

困っている人を助けられる大人になりたい。

ありきたりな宣言だけど、本当の意味を理解して、心からそう思えた。


いくつかの場面ではたくさんの反省がある。
あのときこうすれば良かった。もっとこうしていれば。

でも、4ヶ月半ヨーロッパを旅した後悔は1ミリもない。
物価が高くて、円安で、貯金もなくて、あんまり英語も話せなくて、友達も全然いなかったけど、それでも飛び出して良かった。
たくさんの夢を叶えられた。


大学4年生の秋から初春にかけて行ったからこそ経験できた
私だけの特別な青春。


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